◆申入書

新宿区へ


2002年 7月 22日

新宿区
  区  長 小野田 隆  殿
  総務部長 石村  勲由 殿

新宿文化センター
  
全国霊感商法対策弁護士連絡会
事 務 局 長  弁 護 士  山 口    広
(連絡先)東京都新宿区新宿1-15-9 さわだビル5F
東京共同法律事務所 пF03-3341-3133
霊感商法被害救済弁護士連絡会
事 務 局 長  弁 護 士  渡 辺    博

全国霊感商法対策弁護士連絡会(以下「当連絡会」という)は、1987年5月、全国300余名の弁護士によって設立されました。当連絡会は、世界基督教統一神霊協会(以下「統一協会(統一教会)」という)が組織的に展開している、同協会の資金集めのための大理石壺、多宝塔、数珠、印鑑、人参液、着物、宝石、絵画等の販売や、献金、貸金強要行為(以上を「霊感商法」と総称します)による被害者を救済し、新たな被害を根絶するために活動してきました。
 この霊感商法に取り組む全国の弁護士の下に寄せられる被害相談や問い合わせは、開設以来16年間にわたって毎年800件以上の多数に及びます。昨年まで相談件数2万2千件以上、被害金額にして820億円を超える相談が寄せられており、現在もなお相談が続いています。
 統一協会(統一教会)信者が組織的に行ってきた物品販売や献金、貸金勧誘行為が違法であって、このような信者の行為について統一協会(統一教会)に民法上の使用者責任があることについては、すでに10件以上の裁判について判決が言渡されており、このうち最高裁判決で確定している事件も5件あります。
 しかも、統一協会(統一教会)が全国各地にあるビデオセンターにその勧誘目的を隠して誘い込み、各種修練会を通して教義を教え込みつつ、物品購入や献金、貸金を迫る行為についても、すでに2件が裁判で違法性を認められています(広島高裁岡山支部―最高裁と札幌地裁)。
 このように、統一協会(統一教会)が全国各地でマニュアルに従って同様の手口で展開する組織的な資金獲得活動や入信勧誘行為については、その違法性並びに統一協会(統一教会)の法的責任が相次いで認められています。
 ところが、統一協会(統一教会)は相次ぐ司法の判断を無視して、20年前と全く同様の手口で物を売り、献金、貸金を強要し、詐欺的脅迫的入信勧誘を続けており、全く改めようとしません。そのため、現在も多くの市民が被害にあい、その人生や家庭が破壊されているのが実情です。
 こうした活動の一環として、統一協会(統一教会)は数多くの団体を作り、全国でイベントを行っています。その際には公的な機関を後援団体として取り込み、知名度の高い人を来賓として招待し、その団体が社会的に評価、認知されているかのように見せ、統一協会(統一教会)とは全く関係のないものとしております。
 この度、7月30日(火)に新宿文化センターにおいて「白香珠とリトルエンジェルスの東京公演」が行われます。この「リトルエンジェルス」は統一協会(統一教会)の教祖文鮮明が創立したものです。また、主催の「アルファ芸術協会」及びマネジメントとしての「ベアート音楽事務所」の責任者は、各々伊原太一(去年12月時点)と早瀬敏弘(去年秋時点)という合同結婚式を受けた統一協会(統一教会)の信者であり、「ベアート音楽事務所」責任者の早瀬敏弘が「アルファ芸術協会」の理事の一人として入っていたという情報も得ています。両団体ともに統一協会(統一教会)系であることは明白です。
 統一協会(統一教会)信者は、この公演を利用して家族や友人、一般市民を公演に誘い、統一協会(統一教会)がいかにすばらしい団体か見せた上で信用させ、統一協会(統一教会)の信者にしたてて霊感商法の被害者となっていきます。更に、このような公演が成功したということで、勧誘対象者に宣伝する材料になり、今後も多くの市民が霊感商法の被害に遭う端緒になるおそれが多分にあります。
 公的な会場がこうした反社会的団体のために使用されることにつきまして、早急に添付資料とあわせご検討の上、文書にて回答いただきたく申し入れます。

以上

回答は都合により掲載をひかえています