◆要望書
ソニーミュージックエンタテイメントへ
1997年10月31日

 私たちは、世界基督教統一神霊協会(以下「統一教会」といいます)が本年一一月二九日にワシントンを中心に企画している合同結婚式に反対しています。その理由は、同封した共同声明に書かれているとおりです。家族が統一教会の信者になっている人々にとっては、家族の崩壊をもたらしかねない大変な事態です。また、参加した本人たちにとっても、会った事もない異性と「文鮮明の指名」と言われてカップリングされ入籍してしまうと、とりかえしのつかない事態になります。合同結婚式参加者の入籍が無効であるとする判決は、既に最高裁判所でも確定しています。 統一教会信者が、世界平和統一家庭連合、世界平和女性連合、真の家庭推進委員会、喜びの家庭再建委員会、NGO世界ボランティアなどの名称を使って、伝道や資金集めの目的でこの合同結婚式への参加者をつのる署名運動を、世界中で勿論日本全国でもさかんに行なっているため、多くの市民に不安と憤り、混乱をもたらしています。

 ところで、貴社はイギリスの兄弟ボーカル「オアシス」の「スタンド・バイ・ミー」のCDジャケットに「合同結婚式」の写真を使用しています。

 これはパロディでしょうか。文鮮明の祝福(合同結婚式)によってしか、原罪をぬぐうことはできないと繰り返し説くことで、両親、恋人、友人、職場を捨てさせ、夫あるいは妻を捨てさせ、違法な資金集めに従事させその人の人生を破壊する統一教会のやり口を前にするとき、私たちは単なるパロディとして片付けるわけにはいきません。合同結婚式はスタンド・フォー・サンミョンムーン(文鮮明)であって、決して隣の異性のために参加しているものではないことを「オアシス」の二人にも伝えたいと思います。私たちの共同声明の英訳も同封します。

 今回のジャケット写真の使用が、統一教会の宣伝に使われることをおそれます。
 そこで、貴社に次の点を要請します。
 共同声明及びこの公開要望書の趣旨を「オアシス」に伝えて、二人のコメントを文書で私たちにご回答下さい。

 以上、是非よろしくお願いします。

 一九九七年一〇月三一日

  全国霊感商法対策弁護士連絡会
   (連絡先)東京都新宿区新宿 一ー一ー七
          コスモ新宿御苑ビル5階
            東京共同法律事務所
          弁護士  山 口  広

 東京都港区赤坂八ー五ー二六 赤坂PSビル3階
  株式会社 ソニー・ミュージック・エンタティンメント
   エピック・レーベル部
    責  任  者   御 中


◆回答書
関係各位

「スタンド・バイ・ミー」の裏面に使用されている写真は、統一教会の活動に対するパロディーやコメントという意図的なものではなく、純粋にオアシスのメンバーにとってその写真のイメージが視覚的に興味をそそるものであったという以上の意味合いはありません。

マーカス・ロバーツ
イグニッション・マネジメント
(OASISの所属事務所 代表者)

イグニッション・マネジメント及びSME/UK、(株)ソニーミュージックエンタテインメント(SMEJ)は、日本における同写真使用によって今後も予測される社会的影響に鑑み、アートワークとして使用している合同結婚式の写真の変更を予定しています。
変更に関する具体的な時期は、今後の代替アートワーク(写真)についてアーティスト側の了承を得てからとなるため、正式な日程が決定次第連絡いたします。
以 上