公 開 質 問 状(2)
2023年(令和5年)11月17日

〒447-8601
愛知県碧南市松本町28番地
碧南市長 禰冝田政信 殿

 
全国霊感商法対策弁護士連絡会・・・・  
 代表世話人 弁護士 平岩敬一(横浜)
代表世話人 弁護士 郷路征記(札幌)
代表世話人 弁護士 中村周而(新潟)
代表世話人 弁護士 河田英正(岡山)
代表世話人 弁護士 山口 広(東京)
〒103-0027・・・・・・・・・・
東京都中央区日本橋3丁目15番2号
・・
鹿児島ビル8階
・・・・・・・・・・・・
田村町総合法律事務所
・・・・・・・・・
TEL03(6281)6588 FAX03(6281)6585
事務局長 弁護士 川井 康雄(東京)
  
 当連絡会の本年10月13日付け公開質問状に対し、貴職からは同月27日付け回答書が届きました。
 ところが、それはわずか1頁のものに過ぎず、しかもほとんど中身のないものでした。貴職からは誠実に回答しようとする姿勢が全く窺えず、極めて不当です。

 貴職もご承知のとおり、10月13日、盛山正仁文部科学大臣は、世界平和統一家庭連合(旧世界基督教統一神霊協会。以下「統一教会」といいます。)について、宗教法人法第81条1項1号、2号に該当する事由があるとして東京地方裁判所に解散命令請求を行いました。
 このことは、政府として、統一教会について「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」(宗教法人法第81条1項1号)と判断したことに他なりません。
 この点、11月29日付けの朝日新聞の記事によると、貴職は、昨年、「(統一教会による被害を)国が調べている。問題ないとなればまたやるかもしれないが、それは分からない。今の段階ではコメントしない」と述べたと報じられています(https://www.asahi.com/articles/ASQCY6VDSQCYOIPE00S.html)。
 市長は「社会一般の正当な関心の対象となる公的立場」(最判平成6年2月8日)にあり、その一挙手一投足が、「その者が公職にあることの適否などの判断の一資料」(同最判)となります。そのような要職にあり、統一教会との関係について指摘されている貴職が、その関係についてきちんと有権者に説明すべきは当然です。それを措くとしても、貴職自身が「国が調べている」ことを理由に「今の段階では」として回答を留保していたのですから、「問題あり」と判断され、上記のとおり解散命令請求が行われた現時点では、貴職自身の発言を踏まえてもきちんと回答すべきことは明らかです。 

 10月13日付け公開質問状に記載したとおり、貴職については、2021年(令和3年)6月20日付け「神統一世界安着のための神日本第3地区希望前進霊界」と題する動画(以下「本件動画」といいます。)の存在が指摘されております。その中で貴職は、碧南市役所と考えられる建物をバックにしながら、19歳で統一教会の教えに出会い50年以上神霊と真理に導かれながら生活してきた、とした上で、
 「真のお母様、私は天寶家庭にふさわしい家庭になれるよう今後とも永遠に孝情精神のもと神霊と真理に基づき努力することをお誓い申し上げます。」
などと、統一教会の総裁である韓鶴子に忠誠を誓うような発言もしております。
 当連絡会は、念のため確認すべく、10月13日付け公開質問状において、本件動画は貴職自身が発言したもので間違いないかと質問しましたが(質問2)、貴職は10月27日付け回答書で特にこれを否定せず、その内容についての何らの弁解もありませんでした。
 そうであるとすれば、本件動画は貴殿自身が発言したものと言わざるを得ず、貴職が統一教会と極めて深い関係にあることは明らかです。
 そして、貴職は、統一教会の問題性について知悉していたにもかかわらず、マスコミから統一教会との関係について問われると、「10数年はマスコミの旧統一教会に関する報道状況からして『ほとんど問題ない』と認識していた」などと回答しており(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/135808?page=2)、その対応も非常に欺瞞的です。


 以上を前提に、改めて貴職に対し、以下のとおり質問します。真摯で誠実な回答を強く求めます。本年11月30日(木)までに、事務局長川井康雄まで文書にてご回答下さい。


(1)質問1~5番について
〈当連絡会の10月13日付け公開質問状〉
   1 貴職は、碧南市議会2008年(平成20年)第3回定例会、2022年(令和4年)第7回定例会において、統一教会に入信していることについての質問を受けた際に明言を避けておりますが、現在の統一教会との関係について具体的に教えてください。
2 本件動画は、貴職自身が発言しているもので間違いないでしょうか。間違いない場合、本件動画で発言するに至った理由及び経緯を教えて下さい。
3 貴職は、本件動画で1982年(昭和57年)にソウルで開催された6000双の合同結婚式に参加している旨の発言をしていますが、これは事実でしょうか。
4 これまで統一教会から貴職に対して献金の指示がありましたか。あった場合、その指示にどのように対応してきましたか。また、これからどのように対応していきますか。
5 これまで統一教会から貴職に対して伝道の指示がありましたか。あった場合、その指示にどのように対応してきましたか。また、これからどのように対応していきますか。
  〈貴職の10月27日付け回答書〉
  1~5 世界平和統一家庭連合( 以下「旧統一教会」という。)との関係において、市長として関係するものは一切ありません。個人的な関係等に関する質問につきましては、憲法第19条に規定する思想及び良心の自由及び同法第20条に規定する信教の自由に関するものであり、私的事項に関するものであることから、回答は控えさせていただきます。
 
 貴職は、「市長として」の関係ではなく「個人的な関係」等であるとして、思想及び良心の自由(憲法19条)や信教の自由(憲法20条)を理由に回答拒否しています。
 しかし、「市長として」の関係と「個人的な関係」が明確に峻別できるはずもなく、明らかな私的な事項以外は、「その者が公職にあることの適否などの判断の一資料」(最判平成6年2月8日)として有権者への説明がなされるべきことは当然です。
 そして、上記各質問は、貴職の信仰そのものについて問うものでもなく、統一教会との外形的な関係等について問うものであり、何ら貴職の内心の自由に踏み込むものではなく、思想及び良心の自由(憲法19条)や信教の自由(憲法20条)は回答拒否の理由にはなりません。
 上記各質問について、改めて明確に回答してください。


   (2)質問6番について
   〈当連絡会の10月13日付け公開質問状〉
   6 統一教会の正体かくしの違法な伝道や過度な献金要請などによる多くの深刻な被害実態について、貴職の認識や意見を教えてください。
   〈貴職の10月27日付け回答書〉
   6 旧統一教会につきましては、過日、文部科学省から宗教法人法に基づく解散命令請求がなされたことは承知しています。今後、裁判所による審理が行われるものと承知しており、市長の立場として個別に言及すべきでないと考えます。
 
 貴職は統一教会との関係が指摘されているのであり、「統一教会の正体かくしの違法な伝道や過度な献金要請などによる多くの深刻な被害実態について、貴職の認識や意見」が「社会一般の正当な関心の対象」(最判平成6年2月8日)であり、「公職にあることの適否などの判断の一資料」(同最判)として貴職により説明がなされるべきは当然です。
 上記各質問について、改めて明確に回答してください。


  (3)質問7、8番について
  〈当連絡会の10月13日付け公開質問状〉
  7 貴職が2021年(令和3年)の「未来創造FESTIVAL2021」の実行委員長を務めたのは事実でしょうか。事実であれば、その理由を教えてください。また、貴職が実行委員長になることによって、どのような社会的影響があると考えて就任したのでしょうか。
8 貴職が「平和大使協議会」東愛知地区で共同議長を務めたのは事実でしょうか。事実であれば、その理由を教えてください。また、貴職が共同議長になることによって、どのような社会的影響があると考えて就任したのでしょうか。
  〈貴職の10月27日付け回答書〉
  7、8 ご指摘の件につきましては、個人の政治活動の一つとして引き受けたものであり、市長としての公務とは一切関係ありません。
 
 「個人の政治活動」と「市長としての公務」が明確に峻別できるはずもなく、いずれも、貴職が「公職にあることの適否などの判断の一資料」(最判平成6年2月8日)として説明がなされるべきは当然です。
 上記各質問について、改めて明確に回答してください。


  (4)質問9~11番について
  〈当連絡会の10月13日付け公開質問状〉
   9 貴職は、本件動画で、「50年以上神霊と真理に導かれながらまことに意義と価値のある充実した毎日」を過ごしてきたと発言していますが、これは、碧南市において碧南市長として神霊と真理に導かれた政治を行ってきたという意味を含むのでしょうか。
10 貴職は、本件動画で「今後とも永遠に孝情精神のもと神霊と真理に基づき努力することをお誓い申し上げます」との発言をしています。「孝情精神」とは統一教会の教義で文鮮明夫妻を真の父母とあがめる教えです。
 今後も永遠に「孝情精神」のもと神霊と真理に基づいて、碧南市において政治活動を行うことを誓っている意味にとれますが、そのような意味も含んでいますか。
11 貴職が上記のような発言をしながら、碧南市長としてこれまで政治活動を行ってきたことを碧南市民にどのように説明するのか教えてください。
  〈貴職の10月27日付け回答書〉
  9~11 これまでの旧統一教会との関係において、市長の公務に関係するものは一切なく、市政に何ら影響を与えるものではありません。
 
 貴職は、本件動画により明らかになった統一教会との極めて深い関係をこれまで一切碧南市民に伏せたまま、碧南市長として長年にわたり政治活動を行ってきたものです。上記のような回答で納得できる碧南市民はほとんどいないと思われます。
 上記各質問、特に上記発言をしながら、碧南市長としてこれまで政治活動を行ってきたことを碧南市民にどのように説明するのか(質問11)について、改めて明確に回答してください。


  (5)質問12、13番について
  〈当連絡会の10月13日付け公開質問状〉
  12 今回の文化庁による統一教会に対する解散命令の請求への賛否とその理由を教えてください。
13 今後、統一教会とのかかわりを継続するのか、断つのかを教えてください。
  〈貴職の10月27日付け回答書〉
  12、13 今後、解散命令の可否について、裁判所による審理が行われるものと承知しており、市長の立場として個別に言及すべきでないと考えます。
 
 貴職は統一教会との関係が指摘されているところ、上記各質問、特に、今後統一教会との関わりを絶つのかという質問(質問13)が「社会一般の正当な関心の対象」(最判平成6年2月8日)であることは明らかであり、「公職にあることの適否などの判断の一資料」(同最判)として貴職により説明がなされるべきは当然です。

 上記各質問について、改めて明確に回答してください。

以上   
 添付資料
  公開質問状に対する「回答書」碧南市長 禰冝田政信 2023.10.27