◆刑事手続き事例集

 今年こそ特定商取引法違反、詐欺、組織的脱税、外為法違反などの犯罪で統一協会(統一教会)幹部に対する刑事制裁が課されるべきだ。全国弁連としては、被害者から事実聴取して立件されるべき事件と思われる場合、警察に厳正な捜査を要請しつづけてきた。現時点で確認できる刑事事件を改めて整理してみた。こうして見ると、これらは統一協会(統一教会)信者の組織活動の中で不可避的に発生した問題ばかりである。
2011年10月20日時点


33.
ストーカー規制法違反 2011(平成23)年2月
  警視庁公安部は、脱会した信者に付きまとったとして、ストーカー規制法違反容疑でH男(42)容疑者を逮捕し、自宅を家宅捜査した。H男容疑者は、2010年6月から11月、5回にわたって都内で女性を待ち伏せした疑い。女性が使っていた車には、宇佐美容疑者名義のGPS機能付き携帯電話が取り付けられていた。


32.
詐欺および出入国管理法違反 2010(平成22)年8月
  熊本県八代署と氷川署は8月26日、健康保険証を不正使用したとして、詐欺の疑いで、E男(58)、F女(58)、G女(52)を逮捕した。3人の逮捕容疑は、共謀して2009年1月E男容疑者が両足を骨折した際、F女容疑者が八代市内の病院に同行し、G女容疑者の国民健康保険証を使って2010年4月までに入院、手術、治療費などの自己負担分を除く約98万円の支払いを免れた疑い。E男容疑者は、1999年に入国後、在留期限後も2010年8月5日まで不法滞在したとして、出入国管理法違反容疑で逮捕・起訴されていた。その後、E男は懲役3年、執行猶予5年のうえ強制退去となり、F女、G女は懲役1年6ヶ月、執行猶予3年に処せられた。


31.
特商法違反 2010(平成22)年7月1日
  東京都町田市の販売会社「ポラリス」の従業員D女(31)を、特商法違反で逮捕した。夫の癌再発で不安にかられた女性に対して、「先祖の協助で病気がよくなる。鑑定をしてあげる。」と告げて、販売目的を隠したまま店舗に誘い40万円の念珠購入の勧誘をしたとして、7月23日略式罰金となった。

30.
特商法違反 2010年1月、2月
 (1)大分県警は、1月18日統一協会大分教会などを強制捜査するとともに、1月19日、大分天一堂の販売員Z(51)とA女(53)の信者夫婦2人を逮捕。「先祖の災いで家が絶える。印鑑を作れば守られる」などと44才の女性や50才代の夫婦を威迫・困惑させて印鑑セットの契約をさせた疑い。
 
 (2)同県警は1月19日、別件で由布市の40才代の女と倉敷市内の女が、大分市内の54才の女性に「奥さん名前の画数が良くない。大凶ですね」などと不安をあおり、印鑑を買うよう迫った疑いで、販売会社「サンルート健美」や統一協会大分教会など6ヶ所を家宅捜索した。

29.
特商法違反 2009年(平成21)10月―11月
  和歌山県の販売会社「エム・ワン」従業員のW女(52)とX女(71)及び店長Y女(45)の3人が、「運命を変えるためには印鑑を作ること」などと迫り印鑑を購入させたとして特商法違反(威迫・困惑)の容疑で10月20日、逮捕された。また同日「エム・ワン」と統一協会和歌山教会など和歌山市内6か所の家宅捜索を受けた。11月9日「エム・ワン」と店長は100万円、鑑定士役(説得)のW女は70万円、X女は50万円の各罰金となった。


28.

特商法違反 2009(平成21)年9月―10月
  大阪府の株式会社共栄の従業員らS男(68)とT女(39)、U女(49)、V女(フィリピン人・49)の4名が、「息子の命がとられるかもしれない」などと迫り印鑑などを販売したとして特商法違反(威迫・困惑)の容疑で9月28日に逮捕されるとともに、共栄本社が強制捜査された。10月16日に、2人が100万円、他の2人が70万円の略式裁判により罰金刑となった。

27.
公選法違反 2009(平成21年)9月―12月
  衆院選大阪2区で当選した民主党の甲議員の支援者で不動産会社経営の統一協会古手信者のR(56)容疑者が、公選法違反(買収、事前運動)容疑で9月5日に逮捕され、9月25日に再逮捕された。逮捕容疑は公示前の6〜8月にかけ、大阪市内で女性運動員らに対し、議員への投票を電話で呼び掛ける活動の報酬として現金を渡した疑い。5日の逮捕容疑は同月25日起訴され、12月1日懲役1年6ヶ月執行猶予5年の判決が下された。甲議員の選挙運動については別の統一協会信者も9月16日公選法違反容疑で逮捕され、10月6日略式起訴された。

26.
特商法違反 2009(平成21)年2月―11月
  2009年2月10日、渋谷区渋谷1丁目に本店登記のある霊感商法の会社有限会社「新世」(しんせい)の事務所や同社代表取締役P男の自宅などに強制捜査がなされた。更に6月2日渋谷教会等に、6月11日に豪徳寺教会等に強制捜査がなされ、同日新生の社長N男(51)、営業部長Q郎(40)の外実行犯の女性5人が逮捕された。7月1日、実行犯5人が各100万円の罰金刑を課され、P男、Q郎両名と「新生」が正式起訴された。いずれもことさら不安をあおって印鑑等を売りつけた特定商取引法違反。刑事裁判は同年9月10日、10月5日、13日、22日、27日に公判があり、11月10日に判決が下された。「新世」は罰金800万円、社長P男は懲役2年罰金300万円、営業部長Q郎は懲役1年6ヶ月罰金200万円、二人は共に執行猶予4年。判決は物品販売は統一協会の組織活動の一環であると認定した。

25. 特商法違反 2008(平成20)年12月―2009年5月
 福岡市の有限会社サンジャスト福岡(代表取締役N男、旧幸運堂)が、2008年12月18日、「先祖の霊があなたの人生を悪くしている」「購入しなければ地獄に落ちる」などと不安をあおって、水晶の玉や彫刻など600万円以上の商品を買わせたとして特商法違反(威迫・困惑)容疑で家宅捜索を受けた。2009年5月7日、O女(韓国人・61才)が2009年5月7日逮捕され、O女とサンジャスト福岡は同年5月28日特商法違反で罰金50万円の刑に処せられた。

24. 特商法違反 2008(平成20)年11月―2009(平成21)年3月
 新潟市の株式会社「北玄(ほくげん、旧ケンコー)」社長I男(50)と従業員2人J女(47)、K子(51)が、「不幸が来る」と執拗に述べて水晶の購入契約を結ばせたとして特定商取引法違反(威迫・困惑、不備書面の交付)の容疑で、2008年11月27日逮捕された。これら3名は、同年12月17日、2人が50万円、1人が40万円の罰金刑に処せられた。新潟簡裁で認められた内容は、同円6月20日、女性客(77)に約3時間半にわたって装飾品の購入を執拗に迫った件と、同年10月15日、女性客(67)を家庭運がないなどと脅して数珠の購入を迫ったというもの。
 なお、翌2009年2月4日にも「北玄」の販売担当者L子(56)とM子(54)が同種容疑で逮捕され、3月17日、いずれも40万円の罰金刑に処せられた。両名は、「あなたの運勢は強いが、家相は前の所有者の影響で気の流れが悪くなっている。今のままでは病気になってしまう。夫も健康を害して会社を続けられなくなり、大変なことになる」等と脅かして水晶玉の購入を迫ったというもの。

23. 薬事法違反 2008(平成20)年9月26日
 大阪府の有限会社ファミリーネットワークの社長F男(37)と妻G女(韓国人・36)、H女(48)の3名が、「絶対にがんが治る」などと効能をうたって高麗人参茶を販売したとして薬事法違反の容疑で逮捕された。会社とF男が100万円、他の2人が70万円の罰金刑となった。

22. 住居侵入 2008(平成20)年2月18日
 統一協会が訪問販売による募金活動による資金集めを行うダミーの団体であるSHINZEN(しんぜん会)の事務所に、信者の男がマンションに住居侵入した容疑で家宅捜索が行われ、容疑者(23才・男)は罰金刑に処せられた。

21. 薬事法違反 2008(平成20)年2月17日
 さいたま市の株式会社アイジェイヘルシーフーズに人参濃縮液販売について薬事法違反の容疑で家宅捜索が行われた。

20. 特商法違反 2008(平成20)年2月12、15日
 松本市両島の有限会社「煌健舎(こうけんしゃ)」の販売員5人、B子(63)、C子(45)、D子(56)、E子(52)らが特定商取引法違反(06年8月から07年3月の間、客の不安をあおって悪い運気を良くするためなどとして高額の印かん等を4人に売った)容疑で逮捕され、その後罰金刑に処せられた。

19. 特商法違反 2007(平成19)年10月から12月
 沖縄の「天守堂」の従業員2名が10月25日、店主と従業員2名が11月22日、代表者A男が12月5日に、いずれも特定商取引法違反の容疑で逮捕され、後に逮捕された3名が12月14日と12月25日に罰金刑に処せられた。印かん販売目的を告げずにビラを配布して来店した客に「家庭運が悪い、今年から来年にかけてすごく悪い年なんです。特別な印かんで運勢は上がっていく」などと長時間、執拗に迫って威迫して困惑させたというもの。

18. 罪名不明(おそらく特商法違反) 2007年1月22日
 岩手県警、盛岡市内で強制捜査。
 直ちに被害回復したため逮捕までならず終了。

17. 窃盗 2003年12月19日 富山地裁判決
 懲役3年、執行猶予5年
 Z(韓国籍・男・38歳)は、1993年頃来日、沖縄などで支部長までしたが、運営や人事に不満をもち、統一協会関係の全国9ケ所でバール、ハンマーなどで現金や書類、物品等被害額1800万円相当を盗んだ。

16. 殺人 1996年3月15日  判決等不明
 合同結婚式で日本人女性信者と結婚して日本で同居し3人の子がいる韓国人男性(33)が、妻の母(57)を福島県郡山市内で刺殺。子供を連れて帰国したいとする男性と日本人女性家族の対立があったと報道された。

15. 暴行等 1995年11月  岡山地裁判決
 V男(28)外4名が、8月24日、信者W女が拉致監禁されていると思いこみ、別の信者X女らが家族と話し合いをしているマンションに、信者W女を連れ戻そうとバットなどを持って押しかけ暴力行為、住居侵入。5人逮捕、3人罰金。V男のみ起訴され犯行を認めた(判決結果不明)。V男の仲間の信者がY牧師を尾行して、Y牧師がXらが滞在するマンションに入るのを見て、Wらがいると誤認したことから発生した事件。

14. 公職選挙法違反 1993年8月
 1993年6月27日の東京都議会議員選挙で、自民党(大田区)から立候補したT氏の選挙運動に関わった統一協会・国際勝共連合のメンバーであるU男らが逮捕され、戸別訪問の選挙違反で有罪となった。

13. 殺人 1993年4月19日  判決等不明
  合同結婚式で日本人女性信者と結婚して愛知県知立市に住んでいたフィリピン人男性(34)が、妻(35)を自宅で絞殺。精神鑑定に付されたあとの結果は不明。

12. 暴行等 1991年1月30日  京都地裁判決
 R(S38.10生・男)に対し、信者Sがその実父らに「身体の自由を拘束され、その信仰の放棄を要求されていると知るや」、Rは他の信者とともに、信者Sの家屋の一部を損壊して侵入し、信者Sの実兄に暴行を加えたとして、懲役3月、執行猶予1年の判決。
 1987年12月、話し合い中の信者Sとその家族のいる住居に無理に押しかけ乱闘を引きおこした行為を過剰防衛だとした。

11. 業務上過失致死 1991年1月25日  名古屋地裁豊橋支部判決
 禁錮1年の実刑 尾鷲事件
 1988年12月12日、マイクロ活動中の運転担当信者Q男(S38.3生・当時25)が、過労のため仮眠状態となったためコンクリート壁などに激突し、25女、23女の2名死亡、4名(23、25、21、23いずれも女)重傷。

10. 業務上過失致死傷 1990年7月29日  神戸地裁判決
 運転担当信者(男・21)がわき見運転をしたらしく、ワゴン車をガードレール に衝突させる事故を起こし、1名(男・21)死亡、6名(20・男など)重軽傷。宝塚研修センターを出発したマイクロの事故。現行犯逮捕。判決は不明。

9. 業務上過失致死傷 1988年10月20日  東京地裁判決
 1987年1月18日午前0時15分頃、足立区内でP男(S36.6生・25)の注意怠慢による信号無視により、交差点事故。女30、女29、女27の3名死亡、女26、女24の2名重傷。懲役2年の実刑。
 被害者(信者)側は定員オーバーだった。
 統一協会傘下の販社である幸運堂関係スタッフ信者らが、霊場から帰る途中の事故。

8. 名誉棄損 1988年8月25日  福岡簡易裁判所
 N男、O男に各罰金20万円
 霊感商法で壺・多宝塔などを買って喜んでいる者の団体と称する霊石愛好会の福岡支部長のN男と事務局長O男が、霊感商法被害救済福岡弁護団所属の弁護士14名について「被害救済という美名に隠れた悪徳弁護士達に注意」と題するチラシを作成・頒布した行為が名誉棄損罪に該当するとして、有罪とされた。

7. 東京都迷わく防止条例違反 1986年12月1日  東京簡裁 略式命令
 罰金1万円
 戸別訪問中の信者(S39.8生・男22)が、来訪を断わろうとしている家人を無視して、執拗に食い下がって玄関門扉に足をはさんで入ろうとした。永福堂の自称鑑定師として印かん等を売っていた。

6. 恐喝 1984年1月12日  青森地裁弘前支部判決
 信者K男(S25生)とL女(S30生)、M男(S30.7生)の3名が懲役2年6月、執行猶予5年の有罪判決(確定)。
 47歳の女性を悪霊のため不幸が続くなどと申し向けてホテルに連れ込み、約10時間にわたって「あなたが堕ろした子や病死した夫が成仏できず苦しんでいる」などと脅して1200万円を支払わせた。

5. 薬事法違反 1982年2月12日  最高裁判決 (山口地裁徳山支部,広島高裁)
 ファミリー商事株式会社の委託販売員として訪問販売していたJが、人参濃縮液を高血圧等に効くとして売った事件が薬事法違反で有罪(罰金)。(ジュリスト所収)

4. 窃盗 1979年8月  宮崎県都城簡裁判決
 7月13日AM、ラーメン店で現金等を盗んだ件と、7月18日AM、民家の茶の間の財布から現金を盗もうとした件で逮捕・起訴(S30.10生れのI女、住所不定、職業奉仕活動と表記)―マイクロ中の犯行か? 判決結果不明。

3. 薬事法違反 1978年12月25日  東京高裁判決
 株式会社青心の従業員ら数名が、新潟県下で高麗人参茶23箱67万円余(1箱29,500円)を高血圧等の諸病に効くとして売った件で罰金。

2. 薬事法違反 1977年1月7日  鹿児島簡裁判決
 C女(S28.10生)、D男(S27.4生)、E男(S24.2生)、F女(S26.3生)、G男(S24.10生)の5名に各罰金3万円。H男(S25.12生)に罰金5万円。
 信者6名が、人参液を病気に効くし、血を浄化するなどと称して多数名に高額で売った。
 被告人6名は、いずれも鹿児島市内の高麗屋寮在住の店員となっている。

1. 監禁致死外 大阪地方裁判所 1970年7月
 大阪府茨木市の宿泊施設「生命の貯蓄クラブ」で原理研究会の約40名が特別修練会中、関西大学法学部1年生のA男(18才)が発狂状態となり暴れたため、スタッフの信者らがAの両手両足を縛り押さえつけて監禁。Aは2階の窓ガラスを割って飛び出し転落したが、手当をせず放置して死去させた。この事件で、当時原研事務局長だったB男(23才)外が保護責任遺棄致死等で書類送検され、B男だけが起訴され、執行猶予付判決。(70.8.15朝日夕刊、71.2.26東京新聞夕刊)