◆紫微斗占い事件判決文
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平成22年11月25日 判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 稗田俊彦
平成19年(ワ)第14131号損害賠償請求事件
口頭弁論終結日平成22年7月22日
判     決
東京都                   原告1
神奈川県                  原告2
東京都                   原告3
東京都                   原告4
東京都                   原告5
東京都                   原告1
神奈川県                  原告2
東京都                   原告3
東京都                   原告4
東京都                   原告5

同訴訟代理人弁護士             飯  田      正  剛
同                     渡  辺         博
同                     中  島   信  一  郎
同                     井  上         曉
同                     久  保  内   浩  嗣
同                     青  木      耕  一
同                     水  野      英  樹
東京都 被告 世界基督教統一神霊協会 同代表者代表役員 大塚 克己

同訴訟代理人弁護士      福本 修也
東京都          被告 外山 陽子
神奈川県        被告1
神奈川県        被告2
東京都         被告3
東京都         被告4
東京都        被告5
東京都         被告6
上記七名訴訟代理人弁護士 中元 信武
東京都        被告 川口 千代子
同訴訟代理人弁護士 権藤 世寧
主 文
1(1) 被告外山陽子及び被告川口千代子は,原告1に対し,連帯して金2014万4500円(ただし金1527万8500円の限度で被告1,被告2及び被告3と連帯して)及び別紙損害一覧表1記載の被告外山陽子及び被告川口千代子に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(2) 被告3は,原告1に対し,被告外山陽子,被告川口千代子,被告1及び被告2と連帯して金1527万8500円及び別紙損害一覧表1記載の被告3に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(3) 被告2は,原告1に対し,被告外山陽子,被告川口千代子,被告3及び被告1と連帯して,金1527万8500円及び別紙損害一覧表1記載の被告2に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(4) 被告1は,原告1に対し,被告外山陽子,被告川口千代子,被告3及び被告2と連帯して,金1527万8500円及び別紙損害一覧表1記載の被告1に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2(1) 被告外山陽子及び被告川口千代子は,原告2に対し,連帯して金1665万7500円(ただし金1481万3700円の限度で被告3と連帯して)及び別紙損害一覧表2記載の被告外山陽子及び被告川口千代子に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(2) 被告3は,原告2に対し,被告外山陽子及び被告川口千代子と連帯して金1481万3700円及び別紙損害一覧表2記載の被告3に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3(1) 被告外山陽子及び被告川口千代子は,原告3に対し,連帯して金1882万8500円(ただし金226万9000円の限度で被告4と,金1255万9500円の限度で被告5と,金200万円の限度で被告3とそれぞれ連帯して)及び別紙損害一覧表3記載の被告外山陽子及び被告川口千代子に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(2) 被告4は,原告3に対し,被告外山陽子及び被告川口千代子と連帯して金226万9000円及び別紙損害一覧表3記載の被告4に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(3) 被告5は,原告3に対し,被告外山陽子及び被告川口千代子と連帯して金1255万9500円及び別紙損害一覧表3記載の被告5に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(4) 被告3は,原告3に対し,被告外山陽子及び被告川口千代子と連帯して金200万円及び別紙損害一覧表3記載の被告3に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

4(1) 被告外山陽子及び被告川口千代子は,原告4に対し,連帯して金2397万8000円(ただし金1516万9000円の限度で被告6と,金300万円の限度で被告3とそれぞれ連帯して)及び別紙損害一覧表4記載の被告外山陽子及び被告川口千代子に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(2) 被告6は,原告4に対し,被告外山陽子及び被告川口千代子と連帯して金1516万9000円及び別紙損害一覧表4記載の被告6に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(3) 被告3は,原告4に対し,被告外山陽子及び被告川ロ千代子と連帯して金300万円及び別紙損害一覧表4記載の被告3に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

5(1) 被告外山陽子及び被告川口千代子は,原告5に対し,連帯して金2285万9000円(ただし金1569万0500円の限度で被告5と,金472万円の限度で被告3とそれぞれ連帯して)及び別紙損害一覧表5記載の被告外山陽子及び被告川口千代子に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(2) 被告5は,原告5に対し,被告外山陽子及び被告川口千代子と連帯して金1569万0500円及び別紙損害一覧表5記載の被告5に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(3) 被告3は,原告5に対し,被告外山陽子及び被告川口千代子と連帯して金472万円及び別紙損害一覧表5記載の被告3に対する認容金額欄記載の各金額に対するこれに対応する各被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

6 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

7 訴訟費用は以下のとおりとする。

(1) 原告らに生じた費用の11分の6,被告ら(ただし被告世界基督教統一神霊協会を除く)に生じた費用の22分の1及び被告世界基督教統一神霊協会に生じた費用を原告らの負担とする。

(2) 原告らに生じた費用の11分の5及び被告ら(ただし被告世界基督教統一神霊協会を除く)に生じた費用の22分の21を被告ら(ただし被告世界基督教統一神霊協会を除く)の負担とする。

8 この判決は,第1項ないし第5項に限り,仮に執行することができる。
事 実

第1 当事者の求めた裁判

1 請求の趣旨

別紙請求の趣旨記載のとおり。

2 請求の趣旨に対する答弁

(1) 原告らの請求をいずれも棄却する。

(2) 訴訟費用は原告らの負担とする。

第2 当事者の主張

本件は,原告らが,被告1,被告2,被告4,被告5,被告6及び被告3から,評判のいい占い師がいるとして被告外山陽子を紹介され,被告外山陽子の紫微斗鑑定という占いを受けたことを契機に,先祖の因縁等の話を持ち出され,被告川口千代子の主催する先祖祭りを行 わなければ不幸になる等と脅された上で,先祖祭りを行うように勧められ,先祖祭り費用等として多額の費用を支払わされたところ,これら一連の行為は違法であると主張し,被告ら(ただし被告世界基督教統一神霊協会は除く。)に対し共同不法行為に基づく損害賠償の支払を求めるとともに,被告世界基督教統一神霊協会に対して,献金を集める目的で被告外山陽子らの先祖祭り行為等を指揮・監督したと主張し,使用者責任に基づく損害賠償の支払を求める事案である。

1 請求原因

(1)  原告ら

ア 原告1は,女性であり,夫との間に2人の子がいる。原告1は,平成14年ころ,専業主婦であった。

イ 原告2は,女性であり,夫との間に3人の子がいる。原告2は,平成11年ころ,薬剤師として薬局に勤務していた。

ウ 原告3は,女性であり,夫との間に3人の子(息子2人,娘1人)がいる。原告3は,平成14年ころ,Tにおいて,定期積金の集金等の係として勤務していた。原告3は,平成14年ころ,長女の夫婦仲が悪いことや,長男が定職に就けないことにつき悩んでいた。

工 原告4は,女性であり,夫との間に3人の子がいる。原告4は,平成11年ころ,自営業を営む夫とともに,会社役員を務めていた。

オ 原告5は, 女性であり,夫との間に3人の子(息子2人,娘1人)がいる。原告5は,平成12年ころ,夫の経営する会社の経理業務に従事していた。原告5は,平成12年ころ,息子2人が30代なのに未婚であることや,長男が入院したことにつき悩んでいた。

(2)  被告ら

ア 被告世界基督教統一神霊協会(以下「被告統一協会」という。)

被告統一協会は,韓国国籍の文鮮明を創始者かつ救世主(メシア)とし,日本国内においては,昭和39年に設立登記された宗教法人である。

被告統一協会は,全国をいくつかの教区に分けてそれぞれの教区に教区本部を置き,各教区(教区の名称や地区割りは時期によって度々変わる。)内をいくつかの教域に分けて,それぞれの教域に本部を置く。さらに教域組織の下に被告統一協会の教会を置いている。

イ 被告外山陽子(以下「被告外山」という。)

被告外山は,昭和●●年●●月●●日生まれの女性であり,被告統一協会の信者である。被告外山は,被告統一協会信者である陳希夷(以下「陳」という。)から紫微斗推命を学び,現在に至るまで,紫微斗鑑定という占いを主催している。

ウ 被告川口千代子(以下「被告川口」という。)。

被告川口は,昭和●●年●●月●●日生まれの女性であり,被告統一協会の信者である。被告川口は,被告統一協会により合同結婚式に参加を指示され,ここで韓国人男性?を指名され,昭和●●年●●月●●日に婚姻の入籍をした。被告川口は,先祖祭りを主催していた。

(3) 先祖祭り

ア 先祖祭りの意味

先祖祭りは,被告川口が中心になって行われる儀式で,東京都世田谷区池尻二丁目33-15カーサ池尻704号室(以下「カーサ」という。)において行われていた。被告外山及び被告川口は,@180代までの先祖を供養すること,A第二次世界大戦において犠牲になった韓国人 の先祖を供養すること(具体的には,強制連行で犠牲になった645名,従軍慰安婦で犠牲になった645名,犠牲になった従軍慰安婦の水子645名の供養)で先祖供養が終了すると説いていた。被告ら(ただし被告統一協会を除く。)は、上記@及びAの祭りを行って先祖供養 が終了することを国家基準と称していた。

イ  先祖祭りの規模

先祖祭りの参加者は,主催者である被告川口,被告外山,先祖供養をする者(数名から10名程度)及び手伝いをする者20名から30名程度の,総勢30名から50  名程度であった。被告川口及び被告外山は先祖祭りの最初と最後にカーサに赴き,先祖祭りの参加者に説教など を行っていた。

先祖祭りの手伝いをする者は,先祖祭りの前日と当日に祭壇,先祖祭りで使用する洋服,名札,料理等を準備した。また,司会者,ドア係及びろうそく係が決められ,司会者は先祖祭りの司会進行を,ドア係は被告川口及び被告外山がカーサに出入りする際のドアの開け閉 めを,ろうそく係は先祖祭りが行われている間のろうそくの管理をそれぞれ担当していた。

先祖祭りを行う者は,事前に,供養する先祖の名前を家系図で調べ,名札1枚につき1名の氏名を記載するほか,先祖への思いを記載した「霊界通信」を作成することが求められた。先祖祭りは,先祖の名前を記載した名札を先祖に見立てて,用意した料理に割り箸の先を つけ,その割り箸を名札に触れさせることで先祖に食事をさせたとみなし,それをもって先祖供養が行われたものとする。

ウ 先祖祭りの手順

(ア)  祭壇に洋服が着せられた名札や料理などが並べられるなど,先祖祭りの準備が整うと,参加者は白い服に着替えて,起立して整列し,全員で「明日があるさ」の替え歌を歌う。歌い終わると,司会者が,「準備が整いましたので,これから川口先生と外山先生をお 呼びしますので,静かにお待ち下さい。」と言い,被告川口及び被告外山に連絡をとる。参加者は,その間,正座をし,黙祷の状態で,被告川口及び被告外山が来るのを待つ。

(イ)  被告川口及び被告外山は,祭壇側に並んで立ち,被告川口が「これから始めます」と厳かに宣言する。被告川口は,手伝いの者に命じて祭壇にかけてあった白い布をとらせた後,「ドアを開けてください。ご先祖様が入ってきます。」と言い,ドア係にカーサの ドアを開けさせ,しばらくすると,「ご先祖様が入ってきたので閉めて下さい。」と言い,ドアを閉めさせる。

(ウ)  被告川口は,「今日は料理がとてもよくてご先祖様が大変喜んでいます。」,「今日はとってもよくできました。」というような話をし,背中のこぶを見せながら,「私は今まで荒修行をしてきました。その結果がこのこぶです。」,「私は一度霊界に行ってき ました。だから霊のことがよくわかるのです。」,  「自分は韓国に行って,もっと高い霊能者と会って,自分の霊力を高めています。」などというような説教を行う。

次に,被告外山が,「人を救ってあげなさい。」,「人は皆必ず悩んでいるから。」,「人を救ってあげると自分も救われます。」,「人の悪口とか人の事を言うと運            勢を下げるので,せっかくお祭りをやっても,無駄になるから,決して悪口や 批判を述べてはいけません。」などというような説教を行う。

(エ) 被告川口及び被告外山の上記説教が終わると,先祖祭りを行う人が,順番に「霊界通信」を読み上げる。引き続き,被告外山が,「今日お祭りをされる方に,その人にあった絵をプレゼントします。」などと述べ,先祖祭りを行う者に対し,「赤富士」などの絵を贈 呈する式が行われる。

贈呈式が終わると,被告外山は,「ご先祖様にお料理を食べさせてください。」と指示を行い,被告川口とともにカーサから退出する。

(オ) 先祖祭りを行う者は,名札に着せてある洋服をとり,名札を「家」ごとにまとめて輪ゴムで止め,順に輪ゴムをとり,名札を一枚ずつ,紙コップに入った味噌汁,水,ご飯をつけて,食べさせるまねをする。さらに,祭壇に並べていた料理20種類くらいを同様に食べさ せるまねをする。

(カ) 全員が名札に料理を食べさせ終えると,手伝いの人が料理や名札を片付け,被告川口が再びカーサに登場し,用意された座卓に座る。被告川口は,先祖祭りを行った者とその紹介者を呼び,ろうそくが立てられたケーキが並べられている座卓に座らせる。被告川口 は,「○○さんおめでとう」などと先祖祭りをした者の名前に節をつけて歌い,それにならって,全員で「○○さんおめでとう」と3回歌う。これを受けて,先祖祭りを行った者がろうそくの火を吹き消し,「ありがとうございます。」と述べる。

(キ) このような儀式が終わると,被告川ロは「これで本日のお祭りを終わらせていただきます。今日はとってもご先祖様が喜んでいます。」などと言って,先祖祭りは終了する。

(4) 被告外山ら(被告統一協会を除く被告らを指す。以下同じ。)による不法

行為の概要

ア 被告外山及び被告川口は,原告らを始めとする被害者から可能な限り高額の金員を効率的に収奪するために,以下のような組織を構築し,明示又は黙示に被告3,被告1,被告2,被告5,被告4)び被告6といい,併せて「被告3ら」という。)に対して,原告らから先 祖祭り費用等の名目で金員を支払わせるように指示し,各被告らは被告外山及び被告川口の指示に従って行動していたのである。

(ア)  被告外山らの組織(以下「本件組織」といい,本件組織を構成する者を「構成員」という。)は,被告外山及び被告川口の両名を頂点とし,被告3,被告4,被告5,被告6,証人1ら被告統一協会信者を中心メンバーとしていた。本件組織において被告外山及び被 告川口は絶対的存在であり,組織の構成員が意見をしたり指示に従わないことは許されず,先祖祭りは,被告外山及び被告川口の権威付けの場としても利用されていた。

被告川口は,先祖祭りを主催し,先祖祭りに先祖の因縁を解いたりするなどの効能があると誤信させる役割を担っていた。また,被告外山は,紫微斗鑑定,家系図鑑定などの各種鑑定及び講演会を主催し,先祖祭りへの勧誘を行い,各種鑑定において被害者を畏怖,誤信させて先祖祭りを行うことを決意させる役割を担っていた上,先祖祭りに関して具体的な指示をするなど,先祖祭りにも深く関与しており,被告川口と被告外山は相互利用補充関係にあった。また,被告3は,被告外山に代わって紫微斗鑑定について講演したり,家系図鑑定のための家系図を作成するなど,被告外山らの活動の中で極めて重大な役割を担っていた。

(イ)  本件組織の体制

a 東京,四国,東北など各地区に分け,各地区に代表者を定める。各地区を班に分け,班を更にラインに細分化する。

b 班長がラインを通じて下部の構成員に対し被告外山及び被告川口の指示を伝え,班長を通じて被告外山及び被告川口に活動内容を報告させる。また,被告外山及び被告川口は,構成員相互に連絡することを許さず,構成員が被告外山及び被告川口に対して直接連絡することも許さず,班長を通してのみ連絡することを認めていた。

c 被告外山及び被告川口は,ある構成員から先祖祭り代金を受領すると,その代金の一部を,勧誘者に「ケア代」として交付し,構成員を組織に引き留め,先祖祭り代金を支払わせることを画策していた。

d 被告外山及び被告川ロは,勧誘した者は勧誘された者の「親」としてその上位に立つものとし,その指導をさせていたが,勧誘された者が勧誘した者よりも先に多くの先祖祭りをした場合には,勧誘した者を勧誘された者の担当から外す仕組みにしており,構成員間 で先により多くの先祖祭りを行うように心理的に煽っていた。また,被告外山及び被告川口は,国家基準に達している構成員には,先祖祭りにおいて,ブランド品のリボンをつけた衣装の着用を許可し,国家基準に達していない参加者との差別化を図るなどしていた。さ らに,被告外山及び被告川口は,講演会の参加者リストを作成させるなどして,班ごと,ラインごとに講演会や各種鑑定への勧誘人数を競わせていた。以上のとおり,被告外山及び被告川口は,より多くの先祖祭りを行った者が上位に立つという共通認識を組織内に植え つけるなどして競争意識を煽っていた。

イ 被告外山らの活動は,@講演会,A紫微斗鑑定,Bエネルギー鑑定,C風水鑑定,D家系図鑑定,E180代までの先祖祭り,F韓国3倍の先祖祭り,G総合鑑定,H弥勒菩薩像の購入,I天皇家の祭りなどで成り立ち,それぞれの活動について費用を支払わせていた(Gない しIについては国家基準に達した者を対象としていた。)。@ないしIのすべての費用は合計すると1500万円以上になるところ,費用の大半は先祖祭り費用であり,先祖祭りが被告外山らの活動の中心であった。

(ア)  講演会

被告外山は,運気を上げることをテーマとして講演会を主催していたところ,その中において,「運勢を切り開くには,先祖の問題を清算する→清算しないと問題(因縁)が出る」などと説明していた。また,被告外山は,講演会の新規参加者を動員するよう,構成員にノル マを課し,講演会を利用して構成員の拡大を図り,講演会の参加者に対して紫微斗鑑定の申込書を配布するなどして,紫微斗鑑定への申込みを誘引していた。

(イ)  紫微斗鑑定

被告外山は,陳から交付されたソフトに被鑑定者の生年月日,誕生時間,生誕場所などを入力することによって自動的に判明する紫微斗鑑定の結果を説明していたにすぎない。また,班長や紹介者が,被鑑定者から個人的な悩みを聞き出し,業務連絡書に記載して被告外山に報告していた。すなわち,被告外山は,紫微斗鑑定の際,紫微斗鑑定書の内容を説明しつつ,事前に聞き出していた相談者の悩みなどをもとに,あたかも紫微斗鑑定の結果によって相談者の悩みを当てたかのように説明し,相談者の信頼を得ていたのである。被告外山は,紫微斗鑑定の際に,先祖因縁の話を持ち出して先祖祭りを持ちかけたり,家系図を調べる必要性を説いて家系図鑑定を持ちかけていた。つまり,被告外山は,紫微斗鑑定を利用して,同人が優れた占い師であるという印象を与え,かつ,次の鑑定や先祖祭りをするように仕向けていたのである。

(ウ) エネルギー鑑定、エネルギー鑑定は,干支などを元にエネルギー指数なるものを計算し,それに基づいて相談者の能力を鑑定するというものである。

被告外山は,相談者に紫微斗鑑定を申し込ませる際,エネルギー鑑定も同時に申し込ませていた。エネルギー鑑定も紫微斗鑑定と同様に,プリントしたものを相談者に交付して,簡単に内容を読み上げるだけであった。

(エ) 風水鑑定

風水鑑定は,被告外山が相談者の家の風水を鑑定するというものである。被告外山は,風水鑑定と称して相談者の家の規模を把握し,風水鑑定を口実に相談者の資産状況を聞き出すなどしていた。そして,相談者の資産状況を元に,先祖祭り費用をどの程度用意できるかを算段し,どの程度の先祖祭りを持ちかけるかを検討していた。

(オ) 家系図鑑定

家系図鑑定は,相談者に除籍謄本などを取り寄せさせて家系図を作成し,早死にしていたり,離婚していたりする先祖を見つけて先祖因縁を説き,先祖祭りの必要性を相談者に納得させるために行われていた。すなわち,家系図鑑定は相談者に先祖祭りを行わせるために必要不可欠な重要な鑑定であった。

(カ) 先祖祭り

a 主催者

被告川口が主催者であるとされていたが,先祖祭りを行うか否かは,実質的に被告外山が判断しており,被告外山も先祖祭りに参加して話をしていることからすれば,被告外山が実質的な主催者であることは明らかである。

b 先祖祭りの荒唐無稽さ

被告外山らは,原告らに対し,先祖祭りを180代まで行わなければならないと説明しているが,先祖1代につき父,母の2名として計算すると,30代で10億を超え,180代まで遡ると天文学的数字の先祖を供養しなければならない。また,1代30年として計算すると,180代前は縄文時代に遡ることからすれば,180代までの先祖祭りというのは現実的には不可能であることは明らかである。

c 先祖祭りの費用

被告外山らは,先祖祭りの費用を,概ね@1代から8代までにつき200万円,A9代から16代までにつき480万円,B17代から180代までにつき459万2000円(洋服代名下),C韓国3倍のお祭りにつき290万2500円(洋服代名下)と決めていた(合計1429万4500円)。

また,被告外山らは,1代から16代までの先祖祭りについては,上記費用のほかに,洋服代(男性先祖1名につき2000円,女性先祖1名につき1500円,子どもの先祖1名につき1000円)の支払を求めていた。

さらに,被告外山らは,お祭りごとに,先祖へのお小遣いとして1万円,被告川ロへのお礼として1万円の支払を求めていた。

ウ 被告外山らの違法な勧誘

(ア)  被告外山による欺岡,脅迫を用いた勧誘

a 先祖祭りの主催者は被告川口であったが,先祖祭りを勧誘するのは被告外山の役割であった。

被告外山は,明確な根拠がないにもかかわらず,紫微斗鑑定や家系図鑑定の際に,「先祖の因縁が深すぎて,このままでは子どもたちは不幸になるしかない。」等と申し向け,先祖祭りを行って先祖供養をしなければいけない事情が存在するかのように告知し,先祖祭りを行うことが先祖因縁を解いたり,悩みや災難の除去に絶大な効果があるかのように告知し,欺岡,脅迫した。

b 被告外山は,先祖祭りを行うことを決意させるため,原告らを鑑定に勧誘した被告3らを同席させた上で,密室状態にある鑑定室内で先祖祭りを行うことを迫り,被告3らは被告外山に相づちを打つなどして先祖祭りを行うことが当然必要であるかのように振る舞い,相談者を威迫,困惑させた。また,被告外山は,被告3らに指示をして,鑑定外においても原告らに先祖祭りを行うことを迫るように指示をし,被告3らは原告らが先祖祭りを行うことを承諾するまで長時間,原告らを開放せず,威迫,困惑させることもあった。

c さらに,被告3らは,原告らに対し,先祖祭りを行うことが先祖因縁を解いたり,悩みや災難の除去に絶大な効果があるかのように告知し,欺岡,脅迫した。

d その上,被告外山らは,先祖祭りは180代までやらなければならないと構成員に説いていたにもかかわらず,最初に原告らを先祖祭りに勧誘する際には,そのことを秘して,先祖祭りは8代あるいは16代までであるなどと説いていた。そして,被告外山らは,原告らが8代あるいは16代までの先祖祭りを行った時点で初めて先祖祭りが180代まであることを明らかにし,既に600万円以上の先祖祭り費用を支払っていた原告らに対し,既に行った先祖祭りを無駄にしないためには180代までの先祖祭りをしなければならないと欺岡,脅迫していた。

e  被告外山らは,原告らに先祖祭りを行うことを承諾させると,「3日以内に費用を支払わないと魔が入る」などと申し向け,原告らの決意が変わらないうちに先祖祭り費用を支払うようにさせ,金融機関に同行して金員をその場で受領することもあった。被告外山らは,このように,熟慮期間を与えない勧誘を行っていた。

f  先祖祭り費用は上記のとおり高額であったにもかかわらず,被告外山らは,原告らが先祖祭りを申し込むにあたって,契約書を原告らに交付しなかった上,原告らから費用の支払を受けた場合にも領収書を発行しなかった。また,被告外山及び被告川口は,原告らから先祖祭り費用を受領する際,同人ら名義の口座への振込みによる方法を用いることをせず,被告3らを経由して現金で受領するようにしており,最終的に誰がいくら受領したか明らかにする客観的な証拠を残さなかったのである。

g  原告らは,各々少なくとも1500万円以上の金額を被告外山らに支払っている。原告らは,主婦,パートの薬剤師などであり,自分名義の預貯金のほぼ全額を支払に充てたり,夫名義の預貯金から引き出して支払に充てるなどしている。被告らは,原告らの社会的地位や資産状況に照らして不相当な金額を支払わせており,被告らによって原告が被った損害は極めて重大である。

(イ) 以上のとおり,被告外山らの勧誘行為は,組織的,計画的に紫微斗鑑定等の 各種鑑定,先祖祭りを利用して資金獲得活動を行っていたものであり,その目的,手段,結果の観点から見て社会通念上相当なものであると認められる範囲を逸脱していることは明らかであるから,不法行為を構成する。

(5) 被告外山らの具体的不法行為

ア 被告外山らの原告1に対する具体的不法行為

(ア)被告1は,平成14年10月末ころ,原告1が適職を探していることを聞き出すと,原告1に対し,被告外山が紫微斗鑑定によって適職などを見てくれる鑑定士で,有能で良く当たるため人気があり,予約を取ることが困難であるかのように伝え,鑑定料2万円という価格が高くないと思わせ,紫微斗鑑定を申し込ませた。

なお,被告1は,平成13年に被告2に誘われて被告外山の紫微斗鑑定を受け,それから半年以内に,被告外山の指示を受けて8代までの先祖祭りを行い,200万円を支払っていた。すなわち,被告1は,原告1を紫微斗鑑定に勧誘した時点で既に8代又は3代までの先祖祭りを行い,先祖祭り費用を支払っていたことからすれば,紫微斗鑑定を受けるとその流れで被告外山から先祖祭りを行うように指示され,高額の先祖祭り費用を支払うことになることを認識していたにもかかわらず,原告1に対して,紫微斗鑑定を受けると被告外山から先祖祭りの勧誘を受ける可能性があること及び先祖祭りを行うために高額の費用を支払わなければならないことを告げなかった。

(イ)被告2は,平成14年11月7日,被告1とともに,原告1に対し,紫微斗鑑定に加えてエネルギー鑑定を執拗に勧め,原告1は,これに応じた。

なお,被告2は,平成9年ないし平成10年に被告外山の紫微斗鑑定を受けるとともに被告外山に勧められて先祖祭りを行い,それから3,4年以内に16代までの先祖祭りを行い,合計300万円近く支払った。その上,被告2は被告1に紫微斗鑑定を紹介し,被告1は被告外山に勧められて先祖祭りを行った。すなわち,被告2は,原告1を紫微斗鑑定に勧誘した時点で既に紫微斗鑑定を受けるとその流れで被告外山に勧誘され先祖祭りを行うように指示される可能性があること及び高額の先祖祭り費用を支払うことになることを認識していたにもかかわらず,原告1にはその旨を伝えなかった。

(ウ) 被告外山は,平成14年11月9日,被告1,被告2及び被告3の同席の下,原告1の紫微斗鑑定等を行い,紫微斗鑑定料2万円及びエネルギー鑑定料1万6000円を受領した。被告外山は,その際に,原告1が離婚することや離婚した後の生活について悩んでいることを聞き出すと,家系図鑑定(鑑定料3万円)を行うように勧誘した。なお,被告1及び被告2は,原告1の紫微斗鑑定に同席し,家系図鑑定において先祖祭りの話になることを認識していたにもかかわらず,原告1に対して先祖祭りの説明を一切していない。

(エ) 被告外山は,同年12月17日,家系図鑑定の際,原告1に対し,「先祖の因縁が深すぎて,このままでは子どもたちは不幸になるしかない。」等と述べた上で,先祖因縁の影響から逃れるためには先祖祭りをするしか方法がないし,1週間後の誕生日の前までに先祖祭
りを行わないと大変な問題が生じると説明して,先祖祭りを行うよう勧誘した。その際,被告外山は,原告1に対し,先祖祭りは8代までであり,8代まで1度に行うと200万円であるが,2回に分けると合計250万円かかると説明した上で,原告1の先祖は「背景が大きい」か
ら,一気に8代まで行うべきである旨を述べ,原告1を欺岡,脅迫した。さらに,被告外山は,原告1が8代までの先祖祭りを行うことを了承すると,「魔が入る」から,3日以内に200万円を支払わなければならないと述べ,原告1に熟慮期間を与えないようにしていた。そ
して,原告1は,同月18日,被告2に対し,8代までの先祖祭り費用として200万円を渡した。

同月24日,被告川口及び被告外山により,原告1について8代までの先祖祭りが行われ,原告1は,洋服代等として33万9000円を支払った。

(オ) 以上の先祖祭り勧誘行為は違法であるから,その勧誘手段である紫微斗鑑定,エネルギー鑑定及び家系図鑑定も違法である。また,8代までの先祖祭りの洋服代,先祖への小遣い,被告川口へのお礼は先祖祭り費用と一体の性質のものであるから,被告外山が原告1
に洋服代等33万9000円を支払わせた行為も当然に違法である。

(カ) 原告1は,平成15年1月ころ,被告1から,「風水鑑定をやれば家の空気ががらりと変わって,状況が良くなる。」などと再三勧誘されたため,被告外山の風水鑑定を申し込んだ。

被告外山は,平成15年1月21日,被告1,被告2及び被告3の立会いで原告1宅の風水鑑定を行った際,原告1から離婚に備えて4100万円の貯金をしていること及びその貯金で家を購入する予定であることを聞き出した。そして,被告外山は,「先祖祭りは8代で終わりで
はなく,180代まであります」,「先祖供養をしなければあなたの子供や子孫が,先祖の因縁で不幸になります。」,「全部の先祖を供養しなければ意味がないのです」,「家を買うことと子供を救うこととどちらが大事なのですか」等と述べて,180代までの先祖祭りを
しなければならないと説明した。このように被告外山が原告1を欺岡,脅迫した結果,原告1は,家を購入する前に国家基準となる先祖供養をしなければならないと畏怖し,先祖供養費用を支払ったとしても残額で家を購入できると誤信し,先祖祭りを行うことを了承し
,1251万8500円を支払うことにした。原告1が1251万8500円を支払うことを了承すると,被告外山及び被告3は,原告1に対し,時間をおくと「魔が入る」として,直ちに1251万8500円を支払うように指示し,被告1及び被告2の付添の下,預金を払い戻させ,その日のう
ちに現金で支払わせた。被告外山の上記勧誘行為は当然に違法である。また,被告外山は,風水鑑定を利用して,原告1に国家基準の先祖祭りを勧誘していることから,風水鑑定は,先祖祭りの勧誘手段にすぎず,国家基準の先祖祭り勧誘行為が違法なものである以上,風
水鑑定も違法なものである。

(キ) 平成15年2月2日,原告1について,韓国の先祖供養祭りが行われ,原告1は,先祖への小遣いとして1万円,被告川口へのお礼として1万円,経費として3万円の合計5万円を支払わされた。

(ク) 被告3は,平成15年7月28日,原告1に対し,国家基準に達した者は総合鑑定を受けなければならないと強く勧め,原告1は,同年8月13日,被告外山による総合鑑定を受け,総合鑑定料16万円を支払った。被告外山らは,国家基準に達すれば先祖の因縁の問題は解決
すると説明していたにもかかわらず,国家基準に達したとしても先祖の因縁の問題が完全に解決するわけではないと欺岡して総合鑑定を勧誘したといえ,違法である。

(ケ) 被告外山は,平成15年12月3日,原告1に対し養子家の先祖祭りを行わない限り国家基準の先祖祭りの意味がなくなってしまうと説明し,これを受けて,原告1は,同年12月6日,養子家5代から16代の先祖祭りを行い,費用10万4000円を支払った。また,原告1は,平
成16年5月ころ,被告外山から,原告1の弟のエネルギー鑑定の際、弟が結婚できないのは養子家の先祖祭りをしていないからであるから養子家4家16代等の先祖祭りをしなければならないならないとの説明を受けた。原告1は,平成16年7月11日,養子家4家16代,1家
180代の先祖祭りを行い,被告外山に対し,費用80万2000円を支払った。

原告1は,国家基準に達したことにより先祖祭りはすべて完了したと信じていたにもかかわらず,被告外山は,追加の先祖祭りを行わなければ以前のお祭りが無駄になるなどと欺岡しており,違法である。

(コ) 被告外山及び被告川口は,平成16年2月以降,先祖祭りにおいて,「2004年から風水の時代に入りました。四方に絵をおいて,その中央に弥勒像を置くと気の流れが変わります。」などと述べた上,同年3月ころ,原告1の姓名判断の際,「40歳の誕生日までにお祭り
をしていなかったら,子どもと一緒に事故にあって,40歳の誕生日を迎えることはできなかった。あなたをお祭りに導いた被告1,被告2,被告3に感謝しなさい。」,「命をもらって,国家基準にまでなったのだから,あなたには人のためにやってあげるだけの運勢があ
る。」,「そのためには弥勒像を持って,自分の運勢を持たなければならない。」などと述べて弥勒菩薩像を購入するように説得した。さらに,被告3は,「川口先生に言われたのなら買わなくては駄目です。」,「川口先生の言葉に間違いはないです。」,「統括をや
っている人が弥勒像を持っていなくては人に運勢をあげられません。」などと述べて説得した。そして,原告1は,同年3月30日,弥勒菩薩像を200万円で購入した。

1200万円以上もの金額を支払って国家基準に達し,先祖因縁の問題が解決したと誤信している原告1に対して,国家基準に達したことを理由としてさらに弥勒菩薩像の購入を迫ることは,違法である。

イ 被告外山らの原告2に対する具体的不法行為

(ア)  ?は,平成11年1月ころから,原告2に対し,紫微斗鑑定を受けることを勧めていた。同年5月ころ,原告2が交通事故に遭ったり,娘の下着が盗まれるなど,問題が立て続けに起こったため,原告2は,「とても良く当たる占いの先生がいる。占ってもらうと運が上
がる。」との?の言葉を信じて,被告外山の紫微斗鑑定を申し込んだ。この際,?は,先祖祭りの存在やその費用について何ら説明をしていない。

原告2は,同年10月25日,?も同席して,被告外山による紫微斗鑑定を受け,鑑定料2万円を支払った。被告外山は,その際,「私のような人間に意見を聞いて,いろいろなことを決めていけばよい」,「先祖の因縁が,今,生きている子孫である私たちに影響を及ぼしている
のです。」,「あなたは次女だけれども,墓付きだから本当は家にいて婿を取って元の実家を継がなければならなかった。その運勢に逆らって生きている。」,「先祖供養をしなければ,あなたの子供の廻りで起こっている問題も解決しません。先祖の因縁があなたの
子供を不幸にしようとしているのです。」,「先祖を供養してあげれば先祖が守ってくれる。」等と述べ,先祖供養をしなければ子供も不幸になってしまうと原告2を不安に陥れた。

(イ)  ?は,上記紫微斗鑑定の後に,子供の将来を不安に思っている原告2に対し,原告2の子どもについての紫微斗鑑定を受けるように勧誘した。これを受けて,被告外山は,平成12年3月30日,原告2の娘3人についての紫微斗鑑定を行い,鑑定料6万円を受け取った。
その際,被告外山は,原告2に対し,「男の子がいないと家が断絶してしまう。運勢的に正しく生きていないからだ。」,「婿養子を取ればよい。」,「先祖供養をすればいい婿養子を迎えることができ,未来永劫子々孫々まで栄える。」,「まずは家系図を取りなさい。
家系図を見ればどの先祖に問題があるか分かるから,先祖の因縁を解くために必要です。」などと述べ,問題解決の前提として家系図鑑定をしなければならないと説明し,勧誘した。

(ウ)  被告外山は,平成12年5月13日,原告2の家系図鑑定を行い,3万円を受領した。その際,被告外山は,原告2に対し,水子と若くして死亡した先祖の供養をしなければならないと告げ,原告2にこれを承諾させた。同月16日,被告外山の指示を受けた被告3は,原告
2に水子供養のお祭り費用21万円を被告3の口座に振り込ませた。

そして,同年6月11日,被告川口により,原告2のための水子供養のための先祖祭りが行われ,原告2は,先祖へのお小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,洋服代4500円,経費9000円の合計3万3500円を支払った。

(エ) さらに,被告外山は,原告2に対し,原告2の娘の周りで起きる事件の原因が家にあり,風水鑑定をしなければならないと説明し,平成12年11月16日,原告2に風水鑑定費用16万円を支払わせた。

(オ) 被告川口は,平成12年11月ころ,原告2の姓名判断を行った際,「ご主人を病気から守るためには,何よりもまず紫微斗鑑定を受けなさい。」などと述べて夫の紫微斗鑑定を受けるように勧誘した。そして,原告2は,同月25日,被告外山による夫のための紫微斗鑑
定を受け,2万円を支払った。被告外山は,上記紫微斗鑑定において,「水子供養は終わったから今度は先祖供養をしないと駄目です。」,「先祖供養をして先祖の因縁を解かなければあなただけでなく,子供に悪い影響が出ます。」,「あなたや子供のまわりで起こって
いる問題は,先祖の因縁によって起きているのです。」等と述べて,先祖因縁が原告2の悩みの原因であり,先祖祭りで供養しなければ解決しないと畏怖,誤信させた。この場には,?や被告3も同席していた。

(カ) ?は,上記鑑定の後,被告外山の指示により,原告2を喫茶店に連れて行き,先祖祭りの費用が200万円であること,先祖祭りをしなければ家族が不幸になることを告げたため,原告2は,先祖祭り費用200万円を支払うことを承諾した。その際,?は,原告2に対し,
「魔が入る」から,直ちに上記費用を支払うように求め,同月27日,先祖供養の費用として200万円を支払わせた。なお,原告2は,16代までの先祖祭りと思っていたところ,200万円を支払った数日後に?から8代までの先祖祭りであると告げられた。そして,同年12月8日
,被告川口の主催により,原告2の1代から8代までの先祖祭りがカーサで行われ,原告2は,洋服代等25万6000円を支払った。

(キ) このように被告外山らは,先祖祭りの勧誘行為において,原告2を欺岡,脅迫し,先祖祭りの範囲という重要事項を告知せず,契約書や受領書を作成することなく現金で200万円を支払わせており,違法である。また,紫微斗鑑定及び家系図鑑定は,原告2に先祖祭り
を行わせるための勧誘手段にすぎず,先祖祭りの勧誘行為が違法なものである以上,紫微斗鑑定及び家系図鑑定も違法である。

(ク) 先祖祭り(9代から13代まで)の勧誘行為

被告外山は,8代までの先祖祭り終了後,原告2に対し,先祖供養は16代までしないと効果がないなどと述べた。また,被告外山は,平成13年10月11日,原告2に対し,「先祖供養は16代までしないと効果がない。」,「8代までの先祖供養が無駄になる。」,「残りの8代の
先祖が私の分はまだ供養してくれないかと怨みに思う。何もしなかったよりももっと悪いことになる。」,「お嬢さんや子孫がつつがなく幸せに暮らすためには先祖祭りが必要です。」等と述べた。原告2は,16代までの先祖祭りを受けないと家族が不幸になると畏
怖,誤信し,先祖祭り費用として200万円を支払うことを承諾した。その数日後,?は,被告外山の指示により,原告2に対し,今回の先祖祭りは9代から13代までであると告げた上,「魔が入る」などとして,直ちに支払うように求め,同月13日,原告2から200万円を受け取
った。そして,同年12月24日,原告2について,9代から13代までの先祖祭りが行われ,原告2は,洋服代14万円,先祖へのお小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,経費8000円の合計16万8000円を支払った。

このように,原告2は,16代までの先祖祭りの費用が200万円であると思っていたところ,承諾した数日後に?から13代までの先祖祭りの費用であると告げられたのであり,被告外山は,原告2を欺岡,脅迫し,先祖祭りの範囲という重要事項を告知せず,また,契約書や受
領書を作成することなく現金で200万円を支払わせており,違法である。

(ケ) 先祖祭り(14代)の勧誘行為

被告外山は,平成14年1月ころ,原告2に対し,先祖祭り1代を無料で行うと告げ,同年2月14日,原告2の14代の先祖祭りが行われ,原告2は,洋服代2万8000円,先祖へのお小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,経費8000円の合計5万6000円を支払わされた。原告2は,16代
までの先祖供養を行わなければ先祖の因縁が解けないと誤信させられた状態であり,被告外山は原告2のこのような状態を利用して1代分の先祖祭りを勧めたものであるから,14代の先祖祭りにつき上記洋服代等を支払わせたことは違法である。

(コ) 先祖祭り(15代,16代及び韓国1倍)の勧誘行為

?は,平成14年4月ころ,原告2に対し,先祖祭りが14代で止まっているので,「このままではあなたの運勢が駄目になってしまう。」,「私の紹介条件を貸してあげるので16代までやりましょう。15代,16代は私の条件でできる。そのかわり,韓国の従軍慰安婦なども供
養するための1倍のお祭りをしてください。」,「16代までやるにはあと280万円必要ですが,会長の特別な計らいで100万円でできるのです。」,「ここまで来てやらなかったらこれまでの努力が無駄になりもったいない。そればかりか,結?先祖供養が終わらず,先祖
の因縁でこれから先どんな不幸が待っているか分からない。」などと告げた。その結果,原告2は,ここで100万円を出し惜しみすると,これまでの先祖供養が無駄となり,家族が不幸になると考え,16代までの先祖祭りと韓国1倍の先祖祭りをすることを承諾した。?の
上記勧誘は,それまで被告外山が先祖祭りは16代までやらなければならないと原告2に説明していたことに照らすと,被告外山の指示に基づくものであることは明らかである。原告2は,それまでにも先祖祭りは16代までやらなければならず,そうしないと先祖の因縁
が解けないと畏怖,誤信させられており,その畏怖,誤信が増幅した。原告2は,同年5月16日,韓国1倍の先祖祭りの費用として96万7500円を支払わされた。そして,同年6月13日,原告2の15,16代及び韓国1倍の先祖祭りが行われ,原告2は,洋服代5万6000円,先祖へのお
小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,経費8000円の合計8万4000円を支払った。

被告外山は上記のとおり,原告2を欺岡,脅迫し,契約書や受領書を作成することなく,また,原告2の夫名義の口座から資金調達させる等して上記各金員を支払わせており,違法である。

(サ) 国家基準の先祖祭りの勧誘行為

被告3は,平成14年6月13日,上記の先祖祭りが始まる前に,原告2に対し,被告川口の伝言として,「180代までの先祖供養と韓国の先祖供養をして,国家基準をしなければ,本当の先祖供養にはなりません。」などと伝えた。?は,「お金があり,国家基準をやろうと思え
ばできるのにやらないなんて許されません。」,「費用は洋服代だけです。」などと述べた。原告2は,国家基準に達した人とそうでない人との間で先祖祭りの際に着ることが許される服装が違っている状況や,被告外山の「16代までやったらでこぼこの凹がなくなっ
て平らになるだけ。」などという言動により,原告2の畏怖,誤信状態が増幅され,国家基準に達成しなければ先祖の因縁が解けず,家族が不幸になってしまうと思いこまされた。その結果,原告2は国家基準の先祖祭りを受けることを承諾させられ,同年8月9日,被告3
に対し,国家基準の先祖供養の費用として652万7000円を支払わされた。同年9月7日,原告2の国家基準の先祖祭りが行われ,原告2は,先祖へのお小遣い1万円,被告川ロへのお礼1万円,経費7万円の合計9万円を支払った。このように被告らは,原告2を欺岡,脅迫し,契
約書や受領書を作成することなく,また,夫名義の口座から資金調達させて上記各金員を支払わせており,違法である。

(シ) 弥勒菩薩像の購入の勧誘行為

被告外山は,平成16年4月ころ,原告2に対し,「国家基準に達した人は運勢がよりいっそう上がるように大理石の弥勒菩薩像を買いなさい。」などと述べた。また,被告川口は,原告2に対し,「今までは過去の清算をしていたのです。ようやく先祖の作った穴ぼこを埋
め終わったところです。これからは,ために生きなさい。」などと述べた。

原告2は,国家基準になったにもかかわらず,運勢が上がらないと感じており,これ以上どうすればいいか悩んでいるところに,国家基準に達した者に限定して弥勒菩薩像の購入の勧誘を受け,その結果,原告2は,弥勒菩薩像を購入すれば運勢が上がると誤信し,弥勒菩
薩像を購入することを承諾させられ,その代金として,同月21日に100万円,同年7月8日に100万円の合計200万円を支払わされた。被告外山は,原告2を欺岡,脅迫し,契約書や受領書を作成することなく,また,夫名義の口座から資金調達させて200万円を支払わせており,
違法である。

(ス) 平成17年4月26日に,原告2の従兄弟が56才で死亡し,同月28日には原告2の実父が85才で死亡し,原告2は,ショックを受けていた。原告2がそのことを被告川口に伝えると,被告川口は,「亡くなった人の先祖祭りを49日前にしてあげると亡くなった人は霊界で
より高い位置にいける」等と述べ,実父及び従兄弟の先祖祭りを行うように勧め,原告2は,これを承諾させられた。同年6月4日,原告2の実父と従兄弟の先祖祭りが行われ,原告2は,お祭りの費用21万円,洋服代5800円,実父と従兄弟のお小遣い1万円,被告川口へのお
礼1万円,経費8000円の合計24万3800円を支払った。

(セ) 被告3は,原告2に,「家系図に間違いがあったので,見直しをする必要があります。家系図を再鑑定します。」等と述べて,再鑑定を承諾させ,平成17年6月9目,被告外山による家系図の再鑑定が行われ,原告2は,3万円を支払った。そして,被告3は,原告2に対
し,再鑑定の結果,「ご主人の祖母と叔父を再び供養しなければいけません。あなたの運勢が下がってしまいます。」と述べ,原告2に,再度の先祖祭りをすることを承諾させた。そして,同年7月3日,原告2の祖母及び叔父の先祖祭りが行われ,原告2は,洋服代3700円,
先祖へのお小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,経費8000円の合計3万1700円を支払った。

(ソ) 平成17年8月ころ,被告3は,原告2に対し,「天皇家に男子がいないのは,天皇家のお祭りをしていないからです。」,「国家基準に達したあなたが運勢をあげるためには,天皇家のお祭りをする必要があります。ために生きなさい。」等と述べ,原告2は,朱雀天
皇のお祭りをすることを承諾させられた。原告2は,同年9月7日,天皇家のお祭り費用として12万円を支払い,同年10月30日,天皇家の先祖祭りが行われた際に,お小遣い1万円,被告川口に対するお礼1万円,経費3万円の合計5万円を支払った。

ウ 被告外山らの原告3に対する具体的不法行為

(ア) 原告5は,平成13年12月,被告外山,被告4及び被告5と共謀の上,原告3を被告外山が講師を務める講演会に誘い出し,被告川口の無料の姓名判断を受けさせた。被告川口は,姓名判断の際に,原告3が,子供のことで悩んでいると告げると,先祖祭りを受けるこ
とを勧めた。

被告5は,原告5では原告3をうまく紫微斗鑑定に誘い込むことはできないと判断し,原告5に,被告4と被告5を原告3に紹介させた。被告4と被告5は,言葉巧みに被告外山の紫微斗鑑定を受けることを勧めた。なお,その際,被告4及び被告5は,原告3に対し,先
祖祭りのことやその費用が高額であることについては一切告げていない。原告3は,平成14年3月6日,原告5及び被告4に連れられて被告外山の紫微斗鑑定を受けた。鑑定の場には,原告5,被告4及び被告3が同席した。被告外山は,その際,原告3に水子がいること,
娘夫婦がうまくいっていないことについて悩んでいることを聞き出し,水子供養及び先祖祭りを受けることを強く勧めたが,先祖祭りに高額の費用がかかることについては説明しなかった。

(イ) 被告外山の紫微斗鑑定が終わった後,被告4は,原告5とともに,原告3を喫茶店に誘い出し,先祖祭りをするように説得した。その際,被告4は,「先祖の因縁を解放しない限り,先祖は霊界をさまよい歩くこととなり,原告3家は不幸になることはあっても,幸
福になることはない。」,「娘夫婦の仲が円満にいかないのも,息子が定職に就けないのも,みんな先祖が霊界でさまよい歩いている因縁の結果である。」,「200万円で原告3家の問題が解決し,娘さんや息子さんが幸せになれるというのであれば,決して高くない。
このまま不幸が続いてもよいのか。」などと述べ,水子と娘夫婦の仲が悪いことや息子が就職できないことを結びつけることを重ねて強調するとともに,200万円を支払って先祖祭りを受けない限り,問題が解決することはないと告げ,借金をしてでも先祖祭りをした方
がいい等と2時間以上にわたり説得した。不安になった原告3は同日,先祖祭りを行うことを承諾した。

原告3は,同年3月7日に21万円を原告5に,同月9日に179万円を被告4にそれぞれ支払った。

原告3は,同月9日,被告4から先祖供養をするためには家系図を作成する必要があるといわれ,同月30日,被告外山に3万円を支払った。

同年6月25日,原告3について,1代から8代までの先祖祭りがカーサにおいて行われ,原告3は,洋服代19万9000円,先祖への小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,お供え物代1万円,水菓子代として1万円の合計23万9000円を支払った。

(ウ) 被告5は,平成14年11月29日,先祖祭りが180代まであることを明らかにした上で,「せめて16代までは先祖祭りをするべきである。」,「16代までの先祖供養の費用が480万円かかる。」,「先祖供養をしてこの様々な因縁からご先祖様を救ってあげる必要がある
。そうしないと,あなたがた夫婦は別れることになる。娘さん夫婦も別れるのは必定である。」,「8代まで先祖祭りをしたので,それが無効になってしまう。200万円を無駄にすることになる。」等と述べ,3時間以上説得した。また,原告3は,平成14年11月17日に開か
れた被告外山の講演会において,「2003年までに国家基準を達成した人は,運勢が100年差がつく。」,「命がけでやりなさい。」と講演をするのを聞いていた上,同月27日に被告川口の月別鑑定を受けた際に,被告川口から「まだ国家基準を立てていないのであれば,早
く立ててください。」等と言われており,被告5の上記説得と併せて,16代までの先祖祭りを受けないと,娘夫婦と息子が不幸になると畏怖,誤信して,16代までの先祖祭りをすることを了承した。

原告3は,同年12月24日に300万円,同月27日に192万円(先祖祭りの残金180万円と義父の供養代12万円)を原告5に支払った。そして,平成15年1月22日,原告3について,9代から16代までの先祖祭りが行われ,原告3は,洋服代17万円,先祖への小遣い1万円,被告川口への
お礼1万円,お供え物代1万円,水菓子代5000円の合計20万5000円を支払った。

(エ) 被告5は,平成14年12月18日,原告3に対し,「風水鑑定を受けると気の流れが変わる。運をつかむことができる。」などと風水鑑定を受けることを勧めた。原告3は,被告らから先祖の因縁の話を既にされており,先祖の因縁を解放しないと,娘夫婦の問題や息
子の就職問題が解決しないと思いこまされていたところ,被告5は,原告3のその状態を利用して上記風水鑑定を勧めたものであって,その勧誘は違法なものである。そして,平成15年1月17日,原告3は,被告5に対し,風水鑑定料として16万円を支払った。

(オ) 前記のとおり,平成15年1月22日,原告3について,先祖祭りが行われたが,その際,被告外山が「(2月3日までに)国家基準を達成しなさい。これがラストチャンスです。」と述べ,被告川口も,「先祖供養は,国家基準まで達成しないと意味がない。」と強調した。
その直後,原告3は,被告5及び原告5から喫茶店に誘われ,被告5から,川口先生や外山先生がおっしゃった国家基準とは,180代までの先祖供養と,韓国の先祖供養のことです。」,「国家基準を達成すると,本当に先祖は霊界から解放され,救われる。」,「娘さん夫婦
も円満に行くようになる。息子さんもいい職業に就けることになる。」と説得され,国家基準をやることを承諾させられた。このように,原告3は,被告外山,被告川口及び被告5から,本来は国家基準の先祖祭りをする必要があることを告げられ,国家基準の先祖祭り
まで行わないと,娘夫婦の仲が悪い問題や息子が就職できない問題は解決しないと畏怖,誤信させられ,その畏怖,誤信に基づいて国家基準の先祖祭りを受けることとした。

原告3は,同月28日,原告5に対し,17代から180代までの先祖供養,韓国の先祖供養の費用として,合計634万6500円を支払わされた。

そして,同年2月13日,原告3について,韓国の先祖祭りがカーサにおいて行われ,原告3は,先祖への小遣い1万円,被告川ロへのお礼1万円,経費として5万40し00円の合計7万4000円を支払った。さらに,同月25日,原告3について,17代から180代までの先祖祭りが行われ,
原告3は,先祖への小遣い1万円,被告川口へのお礼として1万円,経費として12万円の合計14万円を支払った。

(カ) 被告5は,平成15年6月21日,「川口先生が購入してきてくれる韓国のいい印鑑がある。」,「気運があがる。」等と述べて,原告3に対して印鑑を購入するよう説得し,原告3は,せいぜい数万円だと思って夫婦の印鑑2セットを購入することにした。その後,原告
3は,被告5から,1セット34万円,2セット分で71万4000円と知らされ,驚いたがキャンセルは認められず,同年7月10日,被告5に71万4000円を支払った。被告らのグループが新世から継続的に印鑑を購入していること,被告川口の手相占いの終了直後に説得を受けてい
ることからすれば,被告5が被告川口と示し合わせた上で印鑑の購入を説得していることは明らかである。

(キ) 平成16年1月11日,原告3は,他の人の先祖祭りを手伝いに行ったが,その場で,被告外山や川口は,「弥勒菩薩を購入すれば必ず幸せになれる。」,「今回お薦めする弥勒菩薩は国家基準を達成した人だけである。」などと弥勒菩薩像及び絵画の購入を勧めた。そ
のお祭りが終わった後,被告3は,原告3に対し,30分以上にわたって弥勒菩薩像の購入を説得した。

そして,原告3は,弥勒菩薩像の代金として,同年2月3日,被告3に100万円を交付し,平成18年2月1日,経理担当の?名義の口座に振り込む方法により100万円を支払った。

国家基準の先祖祭りまでを行って先祖供養及び水子供養をしなければ,先祖の因縁から解放されず,娘夫婦の仲が悪い問題と息子が就職できない問題はよい方向に解決しないと畏怖・誤信させられている原告3に対して,被告外山,被告川口及び被告3が国家基準を達
成した人でなければ購入できないと告げてその購入を強く迫ることは,購入しなければ先祖が因縁から解放されず,子どもたちの問題は解決しないのではないかと畏怖・誤信させるものであり,違法な説得行為である。

(ク) 平成17年9月11日,他の人の先祖祭りの際,被告外山は,「天皇家に男子が産まれるためのお祭りを,みんながそれぞれ行う必要がある。」と述べ,被告川口も,「私たちが天皇祭りをやらなければなりません。」と告げた。これを受け,原告5は,原告3に対し,天
皇のお祭りをするように求め,原告3は,これを承諾し,同年10月2日,原告5に15万円を支払った。

(ケ) 平成18年6月ころ,他の人の先祖祭りを手伝ったところ,訴外?から,「原告3家の出生場所が分かった,原告3家の元についてお祭りをすれば,その分かえってくるから,原告3家のルーツのお祭りも行うように」といわれ,原告3は,これを承諾した。そして,原
告3は,そのお祭りの費用として,同年6月23日,前記?名義の口座に12万円を振り込み,同年7月2日,原告5に3万円を支払った。

工 被告外山らの原告4に対する具体的不法行為

(ア)  平成11年11月10日,原告4は,被告6から声をかけられ,なにか悩みごとがあるのであれば,被告外山の紫微斗鑑定を受けるように勧められた。原告4は,当時,次男の登校拒否問題で悩んでいたことから,次男について,被告外山の紫微斗鑑定を受け,被告外山に
対し費用として2万円を支払った。平成12年10月になって,被告6は,再び原告4に連絡を取り始め,原告4に対し,原告4自身が紫微斗鑑定を受けるように勧めた。原告4は,同月9日,被告外山の紫微斗鑑定を受け,被告外山に2万円を支払った。この鑑定の際,被告外山
は,被告6を介して,原告4に対し,「今あなたは原告4家を代表してここに来ています。今はもう原告4家は,あなたたち夫婦の代に新しいスタートが始まります。そのために先祖が応援しています。先祖供養をするように。」などと言ったほか,色情因縁,殺傷因縁,
財の因縁の話をした。そして,被告外山らは,原告4に対し,先祖供養をするためには家系図を作成する必要があると述べ,戸籍・除籍謄本を取り寄せるように指示した。

(イ) その後,同月16日,原告4は,被告外山から,「あなたの実家は男が立たない家系で,色情因縁がある。」,「先祖供養をして,悪い因縁を精算してあげなければなりません。」,「先ず3代で100万円,8代まで250万円,16代までで680万円かかります。」などと告げ
られた。

原告4は,戸籍・除籍謄本を取り寄せ,これらを被告6に送付していたところ,同年11月になり,被告6から原告4家の家系図ができたとの連絡があり,同月10日,被告外山の鑑定所に赴いた。その際,被告外山は,原告4に対し家系図を示しながら,被告6とともに,「こ
の180代の先祖祭りをしないと,あなたやあなたの子どもたちが大変なことになる。3代の祭りの費用として100万円かかる。本当は180代祭りをすべきだが,とりあえず100万円を出せば,3代の祭りができる。これは3日以内に納めてもらう必要がある。そうしないと魔
が入り,3代祭りの効果がなくなる。」,「お金を納めて先祖供養をしないと,原告4家は不幸になることはあっても幸福になることはない。お母さんが離婚し,長男が女性問題を起こして,次男が登校拒否になっているのは,みんな先祖が霊界でさまよい歩いている因縁
の結果である。100万円で原告4家の問題が解決し,息子さんたちが幸せになれるのであれば,決して高くない。このまま不幸が続いてもよいのか。」などと,2時間以上にわたって先祖祭りを行うように説得した。原告4は,先祖祭りをしなければ原告4家の者は本当
に不幸になってしまうのではないかと強い不安に陥り,3代までの先祖祭りを行うことを承諾した。同日,原告4は,100万円を郵便?から引き出し,同月11日,同金員を被告6に手渡した。そして,原告4の先祖祭り(1代から3代まで)は同月16日に行われ,原告4は,被告
外山らに対し,費用10万7000円(洋服代8万7000円,お小遣い1万円,お礼1万円)を支払った。

(ウ)  被告6は,平成13年1月20日,原告4に対し,「先祖供養は1代から8代までしないと効果がない。」と述べた上で,4代から8代までの先祖祭りの費用が150万円であることを告げ,上記の先祖祭りを行うように説得した。原告4がそのような高額の費用は出せない
というと,被告外山は,「先祖の因縁を解放しない限り,先祖は霊界をさまよい歩くこととなり,原告4家は不幸になることはあっても,幸福になることはない。長男の女性問題や次男の登校拒否問題も,みんな先祖が霊界でさまよい歩いている因縁の結果である。」な
どと説得した。このような説得が2時間以上も続き,原告4は,原告4家を守る役割を課せられた者として,上記先祖祭りの話を断ったら,原告4家は不幸になるばかりであると畏怖・誤信し,先祖祭りをすることを決め,同日ころ,被告外山に対し,先祖祭りの費用150万
円,洋服代14万円,お礼1万円,お小遣い1万円を支払った。

(エ)   原告4は,平成13年7月1日,夫と長男についての紫微斗鑑定を受け,被告外山に対し4万円を支払い,同月10日,長女についての紫微斗鑑定を受け,被告外山に対して2万円を支払った。

(オ)   原告4は,風水鑑定を受けることにし,平成13年9月7日,原告4家の風水鑑定を受け,被告外山に16万円を支払った。

(カ)  被告6から,「頑張っている原告4に恩恵として9代目のお祭りをしていただいたので,会長にお礼を言ってください。」と言われ,原告4は,平成14年2月25日,被告外山に対し,9代先祖祭りの費用及びお礼として4万8000円を支払った。これは,原告4が8代ま
での先祖祭りを終えた後,1年以上先祖祭りができずにいたことに対し,それ以降のお祭りを続けさせる方策として与えられたものであり,この後,被告6は,「早く上に進みましょう。」と継続的に勧誘した。

(キ)  被告6は,平成14年9月27日,原告4に対し,「日本人は,第二次世界大戦のとき,従軍慰安婦として,韓国人女性を強制連行した。その韓国人女性たちの水子たちが,霊界をさまよっている。」,「日本人として,水子の因縁を解放しない限り,水子は霊界をさまよ
い歩くこととなり,原告4家の先祖は,供養されないままで不幸になることはあっても,幸福になることはない。」などと説得し,原告4は,これに応じて韓国1倍の先祖供養の費用等として,102万円を支払い,そのお祭りをした。

原告4は,被告6から同様の説得を受け,同年11月6日,韓国供養「水子供養1倍」の費用等として104万円を支払い,平成14年12月11日,そのお祭りの際に,洋服代の一部として21万6000円を,同月26日,洋服代残金として20万円を,それぞれ被告6の口座に送金して支払っ
た。さらに,原告4は,平成15年2月13日,被告6の同様の説得により,「強制連行,従軍慰安婦,水子供養・2倍」のお祭りをすることとし,同日,費用150万円,お礼として1万円,小遣いとして1万円の合計152万円を支払った。

(ク)  原告4は,平成15年3月5日,被告6から,「本来,20代のお祭りをしないと,あなたやあなたの子どもたちが大変なことになる。20代のお祭りの費用として430万円かかる。また,洋服代として50万8000円,お礼として3万円,お小遣いとして2万円がかかる。本当は
180代のお祭りをするべきだが,とりあえず430万円出せば,20代までのお祭りをすることができる。これは3日以内に決めて納めてもらう必要がある。そうしないと魔が入り,20代祭りの効果がなくなる。」,「運勢をあげるためと先祖供養のためには必ず供養をしなけ
ればならない。このまま不幸が続いてもよいのか。」等と3時間にわたり繰り返し20代の先祖祭りを行うよう説得された。原告4は,20代の先祖祭りの話を断ったら,原告4家は不幸になるばかりであり,長男の女性問題も次男の登校拒否問題も解決しないこととなる
し,先祖祭りを行うことにより運勢が良くなり先祖も喜ぶと畏怖・誤信し,20代の先祖祭りをすることを決めた。原告4は,平成15年3月に先祖20代までのお祭りをし,被告6に対し,同年3月5日にお祭りの費用430万円,同月24日に洋服代の一部30万8000円,同月29日にお
礼として3万円,,お小遣いとして2万円の合計5万円,同月31日に洋服代の残金20万円を支払った。

(ケ)  原告4は,平成15年8月6日,被告外山の意を受けた被告3から,「本来,180代のお祭りをしないと,あなたやあなたの子どもたちが大変なことになる。180代の祭りの洋服代として448万円(2万8000円×160)かかる。また,お礼として1万円,お小遣いとして1万円
がかかる。448万円を出せば,180代の先祖祭りが完了できる。これは3日以内に決めて,納めてもらう必要がある。そうしないと魔が入り,180代祭りの効果がなくなる。」,「お母さんが離婚し,長男が女性問題を起こして,次男が登校拒否になっているのはみんな先祖
が霊界でさまよい歩いている因縁の結果である。」などと,3時間にわたり,繰り返し180代の先祖祭りを行うように説得された。原告4は,180代の先祖祭りの話を断ったら,原告4家は不幸となるばかりであり,長男の女性問題も次男の登校拒否問題も解決しないこと
になると畏怖・誤信し,また,被告外山から,平成15年は切替えの年である,平成15年中に国家基準になった人とそうでない人とでは運勢の差が大きく広がる,このときまでに国家基準にならないと,これまでにしてきた先祖祭りも効果がなくなり,子孫も100年先まで幸
せになれないなどということを言われ続け,これにより,平成15年中に国家基準にならなければ,これまでしてきた先祖祭りが無駄になり,子どもたちが不幸になるのではないかとの恐怖心に駆られたため,180代の先祖祭りを行うことを決意した。原告4は,同年8月に
180代までの先祖祭りをし,同月6日,その費用として448万円を支払った。原告4は,上記金員を,夫の生命保険の契約者貸付制度を利用し,あるいは,カード会社から貸付けを受けることにより工面した。

(コ)  ?・?・?・?らの先祖祭り等原告4は,知人ないしは親戚の?・?・?・?らの先祖祭り・紫微斗鑑定費用等を支払った。具体的には,平成15年5月26日に?の紫微斗鑑定費用2万円,同年6月26日に?の家系図作成費用3万円,同年8月10日に?ら3名の先祖供
養費用36万円,同年11月9日に?の先祖祭りを行うための旅行費用15万円(原告4は,被告3から,山口県にある佐々木小次郎の墓に行って供養しなければ?の先祖祭りができないと言われたため,?と2人で山口県まで日帰りで行ってきたものである。),同月13日に?の
先祖祭り(3代)の費用等102万円,同月27日に?他1名の紫微斗鑑定費用4万円,同月29日に?の先祖祭り(3代)の費用100万円,同年12月25日に?ら3名の紫微斗鑑定費用6万円,平成16年2月13日に?の家系図作成費用3万円,同年3月4日に?の紫微斗鑑定費用2万円,同年4月
19日に?の紫微斗鑑定・エネルギー鑑定費用3万6000円,同年5月4日に?の水子祭りの費用,お礼及びお小遣いとして14万円,同月14日に?の家系図作成費用3万円,同年7月5日に?家の風水鑑定費用16万円,平成17年1月25日に?家先祖祭り(3代)の費用等102万円,平成18
年1月24日に?先祖祭り(4,5代)の費用5万3000円をそれぞれ支払った。原告4は,被告外山から,国家基準になるような人たちは,周りに先祖祭りの費用や鑑定の費用を出せない人がいたら,これに代わってその費用を出さなければならないところ,これをしない人の家
運は決して良くならないと繰り返し言われたため,これをしなければ,原告4家の家運が衰退してしまうのではないかと畏怖して,上記各費用を支払ったものである。

(サ)  原告4は,平成15年9月15日に,被告外山の総合鑑定を受け,費用16万円を支払った。なお,総合鑑定は,国家基準となった者がいわば義務として受ける鑑定として位置づけられていたから,原告4も被告3から勧められた以上,受けざるを得なかったものである


(シ) 弥勒菩薩像の購入の勧誘行為

原告4は,弥勒菩薩像購入費として,平成16年2月2日に100万円を,平成17年11月28日に100万円を,それぞれ支払った。これは,原告4が,被告3から,被告外山が言うように,国家基準になった人は,弥勒菩薩像を購入するのがよいと言われたため,拒否することはできな
かったものである。

(ス) 天皇家の祭りの勧誘行為

原告4は,被告外山から,「天皇家に男子が生まれるために,皆がそれぞれお祭りを行う必要がある」と言われ,また,被告川ロから,「日本の天皇家を承継するために,私たちが天皇家の祭りをしなければならない。」と言われたため,そのための費用として,平成17年8
月31日にお祭り費用等として16万円を支払った。

オ 被告外山らの原告5に対する具体的不法行為

(ア)  原告5は,平成12年5月22日に東京駅東口のバス停でバスを待っていたときに,被告5と偶然知り合い,被告5と昼食をとることになり,その際,原告5の息子2人が30代であるのにまだ結婚相手が見つからないで困っているなどと悩みを話した。

被告外山は,被告5に対して原告5を紫微斗鑑定に勧誘するように指示した。被告5は,平成12年6月6日,原告5を呼び出した上,「東京駅での出会いがご先祖様による因縁からだ」,「長男の結婚が悩みなのだから,長男と夫について運勢を上げるためにも紫微斗鑑定
をした方がいい。」などと,半日間,再三にわたり紫微斗鑑定を受けるように説得した。原告5は,紫微斗鑑定を受けなければ長男と次男が結婚できず,原告5家は家が絶えて不幸になると畏怖,誤信し,被告外山の紫微斗鑑定を受けることとした。

(イ) 原告5は,平成12年8月2日,原告5本人とその夫及び長男について,被告外山の紫微斗鑑定を受け,鑑定料6万円を支払った。被告外山は,その際,原告5に対し,「長男は,結婚運はあるが,結婚する時期を逸している。作為的に(結婚する)時期を作りましょう。
それには家系図を作ってご先祖様を祭るお祭りをしたほうがいい。独身のまま死んだ人がいるから結婚できないのだ。まず,原告5さんとご主人のご両親のお祭りをしたらどうか。必要経費しか掛からないから,どんなものか見てみたら。」と申し向け,詳細について
は被告5に聞くようにと言った。紫微斗鑑定後,被告5は,原告5に対し,「とりあえず,夫婦各々の両親4人の供養をしてみたらどうか。実費しか必要ないので。」と原告5に申し向け,低額でお祭りが受けられるかのように欺岡して,原告5をして先祖祭りへ誘い込ん
で行った。

(ウ)  被告5は,原告5の長男が入院した際に付き添ったり退院の際には迎えに行くなど,親身になって世話をするようになっていたところ,同月4日,原告5に対し,風水鑑定を受けるよう勧誘した。そして,原告5は,風水鑑定を受けなければ長男及び次男を不幸か
ら救う運勢作りができないと畏怖・誤信し,風水鑑定を受けることを決意し,同日,被告5に対し,風水鑑定費用として16万円を支払った。原告5は,同年9月12日,被告川口による風水鑑定を受けた。

(エ)  被告5は,平成12年10月7日,原告5に対し,次男の紫微斗鑑定も受けなければ次男は結婚できないなどと申し向け,原告5にその旨誤信させた。その結果,原告5は,次男についても紫微斗鑑定を受け,被告外山に2万円を支払った。被告5はこのときも紫微斗鑑
定に付き添ったため,原告5は,自分の意志ではその場から逃れられない状況であった。

(オ)  原告5は,被告外山から,先祖祭りをするにはその前提として家系図を作成する必要があると言われ,平成12年11月1日,家系図作成費用として3万円を被告外山に支払った。

被告外山は,原告5に対し,原告5夫婦の両親のお祭りを行うことを強く勧めた。原告5は,既に,それまでの被告外山及び被告5の言動により,このままでは息子たちが結婚できず,原告5家が絶えてしまうと畏怖・誤信しており,また,長男が入院したことから,お祭り
をしなければさらに原告5家に不幸が続くと一層畏怖・誤信し,お祭りをすることを了承し,同月10日,2万7000円を支払った。

(カ)  被告5は,平成12年12月19日,原告5に対して,16代までの先祖祭りをするように強く勧めた。また,原告5は,平成13年の春ころ,被告川口の姓名判断を受けたが,その際,原告5の先祖祭りが4人で途絶えていることについて被告川口が被告5を叱責,罵倒する
現場を目撃したことにより,原告5は,先祖祭りを拒絶し続けると,原告5家全体の運勢が下がり不幸になる上,被告5がどんな叱責をうけるかわからないと思うようになった。さらに,平成13年6月7日,原告5は,?と被告5から,先祖祭りを16代までするように説得さ
れた。同日,原告5は?から,被告外山が紫微斗鑑定を一時的にフリーズすると言っていた旨を伝えられ,このままでは原告5家を救うことができないから,今先祖祭りをしなければならないという気持ちになった。また,被告5は,「会長はあなたのことを鈍行ではな
く新幹線で行く人だと言っている。一気に16代のお祭りをやった方がいい。お祭りは風水よりも効果がある。」と告げた。このような状況において,原告5は,先祖祭りをしなければ,原告5家全体の運勢が下がり不幸になる上,被告5がどんな叱責をうけるか分から
ないと畏怖,誤信して,先祖祭りを継続することを承諾した。そして,原告5は,平成13年6月23日に行われた16代までの先祖祭りの費用として,同年4月17日に300万円,同年6月18日に380万円,洋服代,先祖への小遣い等として同月23日に64万5000円(合計744万5000円)を
被告外山に支払った。

(キ) 平成13年9月19日,被告外山は,原告5夫婦の両親4名の写真供養の名目で,原告5に1万円を支払わせた。写真供養も,原告5家全体の運勢が下がり,不幸にならないようにするためのものと原告5を畏怖,誤信せしめた上で行ったものである。

(ク) 被告5は,同年10月18日,原告5に対して,17代から180代までの先祖祭り及び韓国3倍の先祖祭りを行うよう,強い説得,勧誘をした。

被告5は,同月25日にも,原告5を強く説得し,原告5は,既に16代までのお祭りを行っており,今後も被告外山及び被告川口の指示するお祭りを実行しなければ,これまでの行為が無駄になる上,さらに不幸になると畏怖・誤信し,韓国3倍の先祖祭りを行うことを決意
した。

また,原告5は,被告5から配布された,従軍慰安婦や強制連行に関する冊子を読むように指示された。その上で,被告外山,被告川口及び被告5は,原告5に対し,朝鮮に関係するものとして,645名分の供養をする必要があり,このお祭りをすることもすべて原告5家の
運勢作りの一環であると強く説得し、これによって,このお祭りをしなければ,長男及び次男は不幸となり、原告5家もさらなる不幸が続き,ひいては原告5家が絶えると原告5を畏怖・誤信せしめ,お祭りに必要な費用として,同年11月19日に290万2500円,同月29日
に13万7000円の合計303万9500円を支払わせた。

(ケ) 被告5は,エネルギー鑑定について,「自分のことも家族のことも良く分かるようになる。」と説得した。それを聞いて原告5は,自分のことや家族のことがわからなければ原告5家全体の運勢が下がってしまい,不幸になると畏怖・誤信し,エネルギー鑑定を受
けることを決意し,平成13年12月6日,家族4人のエネルギー鑑定料として6万4000円を支払った。

(コ) 原告5は,被告5から,「17代から180代までのお祭りをやらなければ意味がない。これをすると国家基準となる。」などと強く説得を受けていたが,費用が高額になると考えたため,なんとか拒絶していた。原告5は,被告5から洋服代と諸雑費だけなので,それ
ほどかからない。」と説得され,被告外山から「180代までのお祭りを達成しなければ意味がない。」と言われることにより,先祖祭りをしないと原告5家にさらなる不幸が続き,原告5家は絶えると畏怖,誤信していたため,'17代から116代の先祖祭りをすることを了
承せざるを得なかった。平成14年1月14日に17代から116代のお祭りが行われたが,原告5は,同年2月4日に被告5から180代までのお祭りを行うように説得され,お祭りを継続して行わなければ原告5家の不幸が続き,原告5家が絶えると畏怖,誤信していたため,117代
から180代までのお祭りをすることを了承した。これを受けて,同月25日に原告5についての117代から180代までの先祖祭りが行われた。原告5は,同日,17代から180代の先祖祭り費用として,490万9000円を支払った。

(サ) 被告3は,平成15年8月20日,原告5に対し,「総合鑑定の必要がある。この総合鑑定は国家基準に達した人のみ受けられる。」と告げ,原告5をして,この国家基準に達した者は総合鑑定を受けなければならないと畏怖・誤信させ,長男と次男の2人分として32万
円を支払わせた。

(シ) 被告外山は,平成15年の下半期から,ラインの責任者を集めた会合で,「ラインの上が良くならないと下も良くならない。風水では弥勒菩薩を家の中心に置いて家の東西南北にそれぞれ絵を置くと,家の運勢が良くなる。弥勒菩薩像は国家基準を達成した人にだ
けお勧めしている。」などと,弥勒菩薩像の購入を強く説得した。原告5は,被告外山の言うことを受け入れなければ,運勢も変わらず,息子たちも結婚できず,原告5家が不幸になると畏怖・誤信していたことから,被告外山から「購入代金は半額でいいから。」と強
く購入を勧められたことにより,牛の絵画,青龍,弥勒菩薩像を購入することを決意した。原告5は,購入代金として,平成16年1月26日に絵画代金の半額120万円,弥勒菩薩像代金の半額100万円を支払った。残金について,当初は「あとの半額はいつでもお金ができたと
きでいいです。」と言われていたが,その後,急に被告外山に残金の支払を強要され,原告5は,絵画代金として同年2月10日に60万円,同月20日に60万円を,弥勒菩薩像残金として平成18年1月31日に40万円,同年6月28日

に60万円を支払った。

その後,原告5は,被告3から,「ラインの国家基準になった人に勧めてください。」と言われ,弥勒菩薩像の第三者への販売を強制された。そして,原告5が原告4,原告3及び原告2に弥勒菩薩像の購入を勧めた結果,3人とも購入することとなった。

(ス) 原告5の長男が見合いをしたが結婚には至らず,原告5は,被告川口から,「長男は結婚に対する意欲が欠けている。」と強く言われていた。原告5は,3か月に1回受けていた被告川口のカード鑑定において,「まだ見落としている家族があるかもしれないから,
家系図の見直しが必要だ。それを行えば,長男の結婚する意欲が高まる。」と言われ,再度家系図を作成して見直しをしなければ,長男は結婚できず,不幸が取り除けないと畏怖・誤信した。そして,見直した家系図をもとに,平成17年1月25日にお祭りを行い,その必要
経費として11万8500円を支払った。

(セ) 原告5は,平成17年10月30日,被告外山から「天皇に男子が生まれるためのお祭りを,みんながそれぞれ行う必要がある。」と言われ,また,被告川口からも「日本の天皇家を承継するために,私たちが天皇祭りをやらなければなりません。」と言われたため,これ
も原告5家の運勢作りの一環であると畏怖・誤信し,被告外山や被告川口の指示を拒むことができず,やむなく了承し,16万円を被告外山に支払った。

(ソ〉原告5の実兄が亡くなったときに,被告5から「四十九日前に供養をしないと天国へ行けない。」と言われたため,これも原告5家の運勢作りの一環であると畏怖・誤信していた原告5は,平成17年11月6日に実兄の供養をすることを承諾し,同日,洋服代と必要経
費として17万円を支払った。

(6) 被告統一協会の使用者責任

被告外山ら及び被告川口は,原告らに対し違法な勧誘行為を行っているところ,これらの行為は,以下のとおり,被告統一協会の信者である被告外山,被告川口,被告3,被告5,被告4及び被告6が被告統一協会の資金集めのために行った,組織的な欺岡,脅迫行為に基づ
くものであり,被告統一協会は原告らの損害について使用者責任を負う。

ア 被告統一協会は,日本人信者に対し,先祖の三大因縁話(財の因縁,色情因縁,殺傷因縁)を用いた脅迫,強制連行,従軍慰安婦などの過去の加害事例を繰り返し示して先祖解怨への参加,その費用の支払を強要するが,被告外山及び被告川口も同様に,先祖の三大因縁話
を用いた脅迫,強制連行,従軍慰安婦などの過去の被害事例を繰り返し示して,先祖祭りへの参加及びその費用の支払を強要してきた。

そして,被告統一協会は,信者たちから献金を収奪するための手段として,1990年代後半から,韓国京幾道に所在する清平(チョンピョン)における修練会を利用してきた。被告統一協会は,信者らに対し,清平修練会に参加し,所定の費用を支払って先祖解怨などを行わな
ければ,悪霊を分立することができず,先祖が霊界において悪霊に苦しめられるとともに,信者本人らも病気などに苦しむことになると脅迫して,先祖解怨式への参加を強要し,信者から多額の金員を収奪している。

被告外山及び被告川口の実施した先祖祭りは,被告統一協会による先祖解怨にならったものであり,この点でも,今回の原告らの被害が被告統一協会主導によるものであることが明らかである。

なお,被告外山らは,先祖祭りは,清平での先祖解怨に先んじて始めたものであると主張するが,原告らの先祖祭りによる被害はいずれの清平での先祖解怨が開始された1997年(平成9年)以降の被害であり,被告外山はそれ以前の先祖祭りの実施について立証できていな
い。また,仮に,被告外山による先祖祭りが平成9年以前から行われていたとしても,その欺岡,脅迫の方法は,被告統一協会信者が平成9年のはるか前から行ってきた霊感商法における,先祖因縁を用いた欺岡,脅迫と共通のものであって,清平での先祖解怨はこれらと同
じ基礎を持つものであり,その類似性は明らかである。

イ 被告外山及び被告川口は,被告統一協会に対して巨額の献金をしている。また,有限会社新世(以下「新世」という。)は,勤務実態のない100人以上の被告統一協会信者に給与名目で年間数千万円を振り込み,被告統一協会に資金を流していたが,このために新世に
自らの名義の銀行口座を提供していた信者の中に,被告4,被告5及び被告3が含まれている。これらの事実からも,被告外山,被告川口,被告3,被告5,被告4及び被告6が被告統一協会の熱心な信者であることが明らかである。そして,被告外山及び被告川口ととも
に本件加害行為を行っていたのは,ほとんどすべて被告統一協会信者であることからも,本件加害行為が被告統一協会の資金集めのための活動であることが裏付けられる。さらに,被告外山らが,本件加害行為によって獲得した莫大な資金の使途に関して,非常識でかつ
矛盾した回答しかしていないことは,それらの資金が被告統一協会に交付されていることの証左である。

ウ 被告外山に紫微斗鑑定の方法を伝授したのが,被告統一協会信者である陳である。陳は,被告統一協会信者であることを隠し,被告統一協会の資金集めをするために,紫微斗推命なる占いを用いること及び多数の被告統一協会信者にこの占いの開業を指南し,被告統
一協会の資金集めをさせることを考え出し,この占いの開業のノウハウを記したパーソナルコンピューター用ソフトを開発し,さらにこの占いの開業のノウハウを講義したビデオテープを制作し,平成5年ころからその販売を行うようになった。陳は,日本命名学協会を
名乗り,被告統一協会の機関紙である中和新聞(以下「中和新聞」という。)に紫微斗推命の広告を多数回掲載した。中和新聞に掲載する広告は,すべて被告統一協会信者によるものであり,かつ被告統一協会により公認された活動のもの以外には考えられない以上,陳
の紫微斗鑑定が,被告統一協会の公認であったことは明らかである。また,被告外山の紫微斗鑑定が被告統一協会公認のものであることは,被告統一協会信者が被告統一協会信者に対して被告外山の紫微斗鑑定を勧誘することが多いことからも明らかである。

工 平成21年3月25日,当時の被告統一協会会長であった徳野英治は,「これまで教会員が信徒会等の活動の一環として献金を奨励・勧誘する際に,家系図等を用い,先祖の因縁ないし先祖解放等を理由に献金の必要性を説くようなことが一部行われてきたようです。」
とあるのは,被告外山らによる紫微斗鑑定,先祖祭り等の名目による資金獲得活動をも指すことが明らかである。

(7) 損害について

ア 原告1の損害

(ア) 先祖祭り費用等1834万4500円

(ただし,被告外山,被告川口,被告3及び被告統一協会は全額,被告1及び被告2は1527万8500円の限度で,それぞれ賠償の責任を負う。)

(イ) 慰謝料 183万円

(被告外山,被告川口及び被告統一協会のみが賠償の責任を負う。)

(ウ) 弁護士費用 201万円

(被告外山,被告川口及び被告統一協会のみが賠償の責任を負う。)

イ 原告2の損害

(ア) 先祖祭り費用等 1515万7500円

(ただし,被告外山,被告川口及び被告統一協会は全額,被告3は1507万7500円の限度で,それぞれ賠償の責任を負う。)

(イ)慰謝料 151万円

(被告外山,被告川口及び被告統一協会のみが賠償の責任を負う。)

(ウ)弁護士費用 166万円

(被告外山,被告川口及び被告統一協会のみが賠償の責任を負う。)

ウ 原告3の損害

(ア)先祖祭り費用等1712万8500円

(ただし,被告外山,被告川口及び被告統一協会は全額,被告4は226万9000円の限度で,被告5は1255万9500円の限度で,被告3は200万円の限度で,それぞれ賠償の責任を負う。)

(イ)慰謝料170万円

(被告外山,被告川口及び被告統一協会のみが賠償の責任を負う。)

(ウ)弁護士費用188万円

(被告外山,被告川口及び被告統一協会のみが賠償の責任を負う。)

工 原告4の損害

(ア)先祖祭り費用等2289万8000円

(ただし,被告外山,被告川口及び被告統一協会は全額,被告6は1781万5000円の限度で,被告3は513万9000円の限度で,それぞれ賠償の責任を負う。)

(イ)慰謝料228万円

(被告外山,被告川口及び被告統一協会のみが賠償の責任を負う。)

(ウ)弁護士費用251万円

(被告外山,被告川口及び被告統一協会のみが賠償の責任を負う。)

オ 原告5の損害

(ア)先祖祭り費用等2085万9000円

(ただし,被告外山,被告川口,被告5及び被告統一協会は全額,被告3は472万円の限度で,それぞれ賠償の責任を負う。)

(イ)慰謝料208万円

(被告外山,被告川口及び被告統一協会のみが賠償の責任を負う。)

(ウ)弁護士費用229万円

(被告外山,被告川口及び被告統一協会のみが賠償の責任を負う。)

(8) よって,原告は,被告外山らに対しては不法行為に基づき,被告統一協会に対しては使用者責任に基づいて,別紙請求の趣旨記載の損害及び遅延損害金の支払を求める。

2 請求原因に対する認否

(1)  請求原因に対する被告外山らの認否

ア 請求原因(1)ないし(3)は認める。

イ 請求原因(4)アないしウは否認ないし争う。ただし,被告外山が講演会,紫微斗鑑定,エネルギー鑑定,風水鑑定,家系図鑑定,総合鑑定,天皇家の祭りを行っていたこと,被告川口が先祖祭りを主催していたこと,被告外山及び被告川口が弥勒菩薩像の購入を勧めたこ
とは認める。

請求原因(4)エないしキについては,原告らが被告外山らに対して当該金銭を支払ったことについては認め,被告らの勧誘行為が違法であるとの主張は争う。

被告外山は,占い師である父から,四柱推命,気学推命,人相学,易学などを学び,さらに,陳から紫微斗推命を学んだことから,個人で近代易学協会を設立し,同協会の会長として,占い師を業としている者である。被告外山の占いは,紫微斗鑑定(鑑定料2万円),家系図鑑定
(鑑定料3方円),風水鑑定(鑑定料16万円),エネルギー鑑定(鑑定料1万6000円),総合鑑定(鑑定料16万円)などがある。被告外山は,占いを希望した相談者に対し,常に相談者の幸せを願って占っているのである。

また,鑑定料も妥当な金額であることから,被告外山の占いは,正当な業務行為であり決して違法なものではない。また,先祖祭りとは,韓国で古くから行われている先祖を供養する祭りで,先祖3代,5代,8代,16代,180代と段階があり,先祖を供養することにより,先祖に
感謝の気持ちが湧き,その結果,開運上効果があるというものである。日本では,被告川口が独自に考えて主催していた。そもそも,先祖供養というものは,個人の気持ちの問題であり,たとえ先祖祭りに要する費用が高額であったとしても,先祖祭りを受ける者が納得し
た上で進んで受けたのであれば,決して違法とはいい得ないものである。原告らは,自ら希望して,鑑定や先祖祭りを受け,喜んで他の人たちを紹介したり,他の人たちの先祖祭りを手伝っていたことが明らかである。

ウ 請求原因(5),(6)は否認ないし争う。

(2)  請求原因に対する被告統一協会の認否

請求原因(1)は不知。請求原因(2)ア前段は認め,後段は否認する。請求原因

(2)イ,ウ,(3)及び(4)は不知。

請求原因(5),(6)は否認ないし争う。

そもそも,被告外山らが紫微斗鑑定等への勧誘を通して原告らに対し被告統一協会の教義を伝えたり伝道につなげたという事実は全くなく,被告外山らの行為と被告統一協会の宗教活動との間には何らの接点も認めることはできない。

また,原告らは,中和新聞に紫微斗推命の広告が掲載されていることを根拠に,紫微斗推命ないし先祖祭りが被告統一協会の下部組織であると主張しているが,被告統一協会は同広告の掲載には一切関与していない。そもそも,中和新聞には様々な企業等が広告を掲載し
ているのであって,それら広告掲載企業等はすべて被告統一協会の下部組織とするのは,非常識な論理の飛躍であることは明らかである。

さらに,原告らは,原告5及び原告3が購入した印鑑が新世のものであったことを理由に,被告統一協会との関連を主張しているが,新世は,社員が被告統一協会の信仰を持っているというだけで,被告統一協会の指揮監督下にあるものではない。しかも,原告5及び原告
3が購入した印鑑は,「ゆきだるまファミリー」の代表である被告川口が売ったものであって,たまたま仕入先が新世であったものにすぎず,新世においては同原告らに販売勧誘したこともなければ,一面識すらもない。
理 由
1 事実関係

当事者間に争いがない事実及び本件証拠等(各認定事実の末尾に掲記する。)

を総合すれば,以下の事実が認められる。

(1)  被告外山らの活動について

ア 被告外山は紫微斗鑑定を始めとする各種鑑定を行っており,被告川口は先祖祭りを主催していたものである。被告外山は,平成4年ころに被告川口の先祖祭りを受けた。そして,被告外山らの間には,被告外山を中心とする以下の組織体制が確立していた(甲 B2,17,18,21,37,38,42,45,46,53,54(以上につきすべて枝番号を含む。),原告5本人,被告3本人,被告外山本人,被告2本人,被告4本人)。

(ア)  組織形態について

被告外山は,被告外山の紫微斗鑑定を受けた者のうちから,東京の代表者(以下「東京代表」という。)を定めた上で,各地区を班に分け,班を更にラインに細分化した。東京代表及び班長を選任する権限は被告外山にあり,東京代表は班長と兼務することがあった。そして,被告外山が東京代表に対し指示事項を出した場合には,代表者から班長,各班長の監督するラインへと報告伝達することが基本になっていた。ラインにおいては,紫微斗鑑定を紹介した者が,その紹介を受けて入会した人の「親」となり,紹介を受けて入会した者(い わゆる「子」)にとっては「親」の言うことは絶対的であるとされていた。また,「子」は「親」に勧誘されたように,他の者を講演会や紫微斗鑑定等に勧誘することとなっていたが,その際,「親」や,「親」の「親」が「子」のサポートをし,責任を持つこととなって いた。

また,紫微斗鑑定等の申込みについては,被鑑定者ではなく,班長等が副会長(被告外山の父)に申し込むこととなっており,班長等が被告外山に対し,鑑定の日程,相談内容等を業務連絡書に記入する形で報告していた。また,各種鑑定に関する連絡は,班長や東京代表を 通してされることとなっていた。なお,班長会議などを除いては,班長が被告外山にいきなり連絡をとることはできず,何かあったときには東京代表に報告書を出すこととなっていた。

(イ)  被告外山への報告システム

東京代表は,毎朝9時に被告外山に電話し,各班長に伝えるべきことを聞いたり, 各班長から被告外山への質問事項の回答を求めたりした上,班長からの報告書をまとめて被告外山に報告することとなっていた。また,各班の班長は,被告外山に近況報告を記載した文書 をファックスで送信することとなっていた。被告外山は,このように東京代表及び各班の班長から報告を受けることによって班やラインの動静を把握していた。

(ウ)  ノルマシステム

被告川口は,班長に対し,講演会に動員する人黎のノルマ(1か月に5人)を課し,被告外山は,班長に対し,国家基準達成人数のノルマを課していた。

被告外山,被告3及び被告6は,その本人尋問において,班長にノルマを課していたことはないと供述するが,かかる供述は,証拠(甲B45,51)に照らして採用できない。

(エ)  被告外山は,ラインの構成員らに対し,講演会に参加者(以下「ゲスト」という。)を集めるために「動員」,「声かけ」(甲B49の18等)などによる勧誘行為をさせており,講演会の場で紫微斗鑑定の申込書を配布するなどして宣伝活動を行っていた。また,被告外 山は,講演会に参加した者が紫微斗鑑定を受ける方向に誘導するように構成員らに指示していた。

被告外山は,初めて紫微斗鑑定を受ける者の場合は,原則としてその者に紹介した者に立ち会わせていた(被告6本人,被告2本人,被告1本人)。

被告外山は,紫微斗鑑定を行った後に,先祖祭りを勧めるかどうかを決定する権限を持っており,被告外山が先祖祭りを勧める前に他の者が先祖祭りを勧めることはなかった。被告外山は,紫微斗鑑定に同席した者に対し,原則として紫微斗鑑定を受けた直後に被鑑定者 に対して先祖祭りの詳しい説明及び勧誘をさせることにしており,その日に都合がつかない場合にも,日を改めて被鑑定者に対し先祖祭りの説明及び勧誘をする機会を設けた上で,紫微斗鑑定後の被鑑定者の反応を被告外山に報告させるというシステムを構築していた (被告5本人,被告2本人,被告4本人)。

なお,被告外山は紫微斗鑑定で直ちに先祖祭りを勧めない場合でも,風水鑑定や家系図鑑定を経て先祖祭りを勧めることもあったところ,その際にも被告外山が先祖祭りを勧めたことを契機にラインの構成員らが先祖祭りを勧誘することとなっていた。

(オ) 被告外山は,平成14年9月ころの講演会で,「皆さんをお金持ちにして差し上げます」,「国家基準まで行った人はゲストのお祭り代金の20パーセントを差し上げます」,「達していない人は10パーセントです」と述べ,リベートがあることを売り文句として,先 祖祭りを行うことを推奨していた(被告外山本人)。

イ 先祖祭りについて

(ア)  先祖祭りの参加者について

先祖祭りの参加者は,先祖祭りを行う者,先祖祭りの手伝いをするラインの構成員ら,被告川口であった。被告外山は,先祖祭りに出席することが原則となっていたが,用事がある場合には欠席することもあった。遅くとも平成17年ころには,先祖祭りの手伝いをする者 は,先祖祭りの手順等が決まれば被告外山に連絡することとなっていた。(甲B28の1,被告外山本人,弁論の全趣旨)

(イ)  先祖祭り費用等について

先祖祭りの費用を決めていたのは被告川口であった。

1代から16代までの先祖祭りについて,何人くらい先祖を供養するかは,人によって違いがあった。先祖祭りに使用する洋服代の計算は,被告川口が家系図に丸をつけ,証人1が丸の数を数えて計算しており,お供えの費用についても,証人1が計算しており,最初に立て 替えた分の支払を受けるという形で清算していた。(証人1,被告2本人)

先祖祭りの費用は,先祖祭りを行う者が,紫微斗鑑定等の各種鑑定の紹介を受けた者(「親」)に手渡し又は送金し,「親」が班長に手渡し又は送金し,班長以上の地位にある者が被告外山又は被告川口に手渡すことが基本的な流れとなっていた。被告外山も,遠方にいる 者に対しては,先祖祭りの費用は,銀行振込みではなく宅急便で送ることを指示していた。

先祖祭りに使用する洋服は,韓国で洋服の工場を経営している被告川口の夫に発注することとなっていた。洋服代は,被告川口にそのまま渡すことになっていたが,被告川口が日本にいない場合には,被告外山に渡すこととなっていた。(甲B60の18,62,63,証人1,原告 5本人,被告外山本人,被告4本人,被告2本人)

なお,被告外山は,その本人尋問において,被告川口から,銀行振込みではなく宅急便で送るように指示を受けていたし,受け取ったお金はそのまま被告川口に渡していたと供述する。しかし,被告外山代理人弁護士が本訴提起前に原告ら代理人に対して送付した平成18 年12月22日付け通知書(甲B80の2。以下「本件報告書」という。)において,「先祖祭りの方法は,@,まず相談者が何代までの先祖祭りをするか決める。A,何代かが決まれば外山陽子はその先祖の数を調べ,その数だけの白い衣装上下及び靴下(一式,1名につき男性 2000円,女性1500円。先祖数が男性1000名なら200万円,女性1000名なら150万円)を,川口千代子が経営している「ゆきだるまファミリー」(現在は川口千代子病気療養のため川口千代子の夫及び長男が営業している)に発注する。B,「ゆきだるまファミリー」は白い布 を購入し韓国の業者に依頼して衣装などに仕立てる。C,外山陽子は,相談者から受領した金と引き換えに衣装などを受け取る。D,外山陽子はその衣装などを祭壇に供え,祈祷した後,その衣装などは全て焼却する。というものである。」,「先祖祭りの際,お礼などを 受け取っているが,お礼は手伝ってくれた川口千代子への謝礼1万円,小遣いは韓国の恵まれない人のための役所などへの寄付(主に奨学金),経費は相談者が希望した物を祭壇に供えたり焼却処分したりするための実費である。」との記載がある。本件報告書は,本訴提 起前に原告ら代理人1らに送付したものであり,被告外山が先祖祭りに関して主体的に活動していたとの被告外山に不利な事情を記載した箇所については信用性は極めて高いものであるということができる。他方,被告外山は,その本人尋問において,原告ら代理人らに送付する前に本件報告書の内容を確認したことは認めつつも真実ではないと供述するが,本件報告書の内容が真実でないことの理由として「ちゃんと確認していなかった」という曖昧な供述にとどまっており,被告外山の上記供述を採用することはできない。よって, 被告外山は,先祖祭りの費用を受け取る立場にあったことが認められ,洋服代については被告川口の夫に送っていた可能性は否定できないとしても,その他の費用についてまで被告川口やその夫にそのまま送っていたと認めることはできない。

(ウ) 先祖祭りに参加する者が着用する衣装は,白いTシャツに白いスカートであることが基本とされていたが,国家基準を達成した者は,被告外山からバーバリーやシャネルなどのブランドのリボンの提供を受け,それを白い木綿の服に縫いつけたものを着ることが許 されていた(甲G11の1ないし4,原告5本人)。

(エ) 先祖祭りを行った者を紹介した者に対しては,先祖祭りを行った者に対してケアをする目的で,ケア代という形でお金が支払われることがあった(甲B46,原告5本人,被告3本人)。

ウ 平成16年以降の状況

(ア)  被告外山は,当時東京代表と班長を兼務していた原告5に対し,以下の趣旨の発言をした(甲B44,45)。なお,被告外山は,その本人尋問において,下記の各発言はしていないと供述するが,「会長の言葉」と書かれた書面(甲B44,45)は,原告5が東京代表であった きに被告外山に毎朝電話をかけ,各班長に伝達するために取っていたメモであり,信用性は極めて高いといえるから,被告外山の上記供述を採用することはできない。

a 平成16年3月1日

「3月から9月まで重要な時なので救いたい人がいればリストをあげ条件をたてて責任者をとおして上にあげていく。」,「5人(班長)が会長と先生と1体化してやっていく。一日でも休むともったいない。」

b 平成16年3月2日

「風水,東西南北に絵を置くことによって雑霊界をおさめて高い霊界を作る。揃えると家の中がすっきりする。弥勒菩薩でお祈りすると雑念が入らない。弥勒菩薩がないと霊つうしない。自分がまず高まっていかない事には人を救えない。救わなければならない人が
待っている。」

c 平成16年3月14日

「9月30日迄に12名立てる。(新規ゲスト)

その意味は12とおり愛することによって地上のすべての人を愛したことになる。完成。正しくやっていく。心情で祈っていく。人が力で出来ることではない。心で神様と1つになる。12名を国家基準にしてあげたいと意識する。あとは会長が神様にお願いする。」

(イ) 原告5は,平成16年ころ,被告外山及び被告川口の指示により,構成員自身が費用を支払えない場合には新たに人を紹介すれば鑑定や先祖祭りを受けられるようなノルマシステム(以下「紹介条件」という。)を作った(甲B47)。

(ウ) 原告5は,平成16年3月7日から平成17年12月27日までの間,東京代表あるいは班長として,被告外山に対し,各班長からの報告や構成員の動静を報告していた。その報告書の中に,原告5を含め,本件組織の構成員は,講演会に新規参加者を動員するために声かけを していたこと,講演会に参加した者(ゲスト)に後日会う機会を設け,紫微斗鑑定を受けるように誘導していたこと,ゲストが紫微斗鑑定を受けた後は家系図鑑定等に誘導していたこと等の記載がある。(甲B42及び43(枝番号も含む。))

(エ) 平成16年8月19日から同年12月15日までの間に,被告3は,50回にわたり,当時東京代表であった原告5に対し,被告外山に対する報告書を送付していた(甲B49の1ないし52)。被告3は,同報告書の中で,「?の借り入れの件は,労金から昨日OKがきたので,あと足り ない分を明日,会いますので話し合います。」,「あと430名の話しをする予定です。」(甲B49の2),「滋賀の出張に会長が行かれないので,講演会の時にかわりにお話をするように…と川口先生からお電話がありました。また会長によく伺いながら準備していきますの でよろしくお願いいたします。」(甲B49の3),「具体的にローンの実行がはじまったら,?のお祭りに対しての借り入れの手続に入れる予定。」(甲B49の5),「今日の夕方,?,?とお会いし,お祭りのお金を預かります。ケアー代をひいてお届けするよう伺いましたの でそのようにいたします。連絡してお届けする…という事でよろしいでしょうか?」(甲B49の8),「?とは鑑定後,お祭りの事をいろいろ話しました。とても喜んでおられました。1名のお祭りの代金を今夜,7〜8時の間で受け取る予定です。?,?の分とあわせて?に お渡しいたします。さっそくお祭りの申し込みをいたします。先祖のおまつりをやっていくにはどのようにしたらよいか…ともおっしゃっていましたので,1名のお祭りが終わったら,またお話ししていこうと思います。会長がおっしゃったように次は風水をやれるよ うに…と考えています。」(甲B49の10),「昨夜,川ロ先生にカード鑑定をやっていただきました 本当に感謝いたします 外山会長にお会いしていなかったら夫も私も短命であったと伺いました。今日も健康で歩めることも感謝な事なのに甘い考えであった事を深く 反省いたします。総括の?に対しても支えるどころか重荷を負わせている現実,本当に申し訳ありません。」(甲B49の15),「昨日のカード鑑定での報告ですが,?はやはり風水をやった方が良いとの事で,早くできるようよく話し合いながらいきます(中略)?は,外山 会長のところにこなければ大変だった一つ一つの事が,(たとえば結婚の事など)勝利したかたちで実っていっているとおっしゃっていただいてました。」(甲B49の16),「?の紫微斗の鑑定をよろしくお願いいたします。?が伺いたい事は,“自分を良く知りたい。今 の生活このままでいいのか。。仕事の事などです。」,「?ですが,13名から3代を紹介条件であがろうとがんばっていて(紫5件,風水1件)をできました。4代から8代までを何とかお金をためてやりたい・・・という事で計画をたてたりしていましたが,今回お母さんが 出して下さり,5代分を納めます」(甲B49の17),「? 10/3の講演会に?を動員予定。(中略)(?も講演会に参加。声かけも意識しています)」,「? 10/3講演会1人返事まちです。」,「? 10/3講演会に声かけしています。?も声かけしたい方がいるので連絡をとっ ています。」「被告3 10/3講演会に?という男性を動員。奥さんも一緒に…と思ったのですが,仕事の事が今は一番の悩みとの事。奥さんとも,よく交流していきます。」,「10/7鑑定を予定している?に連絡を入れ交流します。自分が直接かかわる方に細やかに情 をかけて,接することが足りてないので,そこは本当に努力してきます。」(甲B49の18),「昨日は,?の鑑定ありがとうございました。鑑定が終ってからすぐお約束があるとの事で帰られ,ゆっくりお話しはできてないのですが,次にお会いする約束はしました。お金が かかる事に対しては気にされていましたのでよく情をつくしていこうと思います。よく話しをし,交流して信頼関係を築いていきたいと思ってます。」(甲B49の23),「原告5さんと,もっとよくわかってお誘いできる為にいろいろな勉強会を一緒にしましょうか…と 話しています。そのようにうこいてよろしいでしょうか?」(甲B49の26),「昨日は?の風水の鑑定ありがとうございました。そこまで運勢的にきびしいとは思っておらず少々がっかりしましたが,すぐに切り替え今年中に国家基準のお祭りをし家をうつれるよう努力 します…との事です。」(甲B49の27),「?の件ですが,今日か明日あたり銀行より,ローンが組めるかどうかの返答がくる予定です。」,「原告5さんと以前から,"ラインの方がもっとよく理解して人にお伝えしていきたい…"と思っているところがあり,勉強会をした いと話していました。なかなかお会いできない原告3さんのご都合にあわせ,10/28あたりを希望しているとの事。原告5さんのお宅でいつも集まるのだけど,体の調子があまりよくないので,被告3の自宅でお願いしたい…ということですが,そのようにうこいてよろ しいでしょうか?私たちも?の事もあるので,もっと原告5さんとよく交流していきたいし,また何かお役にたてる事があればやっていきたいと考えています。」(甲B49の29),「昨日は遅くまで?の鑑定ありがとうございました。鑑定が終ってから少しお会いしました 。こんなに長く自分の気持ちを聞いていただいて,申し訳なかった。。。と言ってました。」,「昨日もさっそく?本人もどのようにしたらよいか…と言っていましたので,銀行からの借り入れなど調べて,話し合う事にしました。Uを使っているとの事なので,今日, さっそく資料をとりに行き調べて早急にうごきます。」,「夕方,?とお話しした時に,?の事も話しました。とても気になるけど私も直接連絡する事もむずかしいので?と一緒に3人で一度お会いしてお話ししたい…と思っていますがよろしいでしょうか?(中略)?も 8代までのお祭りをさせてあげたいと思っています。どのようにしたらよいか…一度お会いし,また報告いたします。」(甲B49の31),「昨日は予約の件でご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。変更の内容がありましたら副会長にきちんと伝わるようしていきま す」(甲B49の33),お祭りについて,「?もやるのだったら早いうちにとりくみたい…と前向きです。Vが取りひき銀行なので,そこの借り入れの資料を渡し,手続きに入るようにします。」(甲B49の35),「?のゲストの鑑定料の事は本当に申し訳ありませんでした。私 のゲストに対する責任心情と愛情の足りなさのゆえだと思います。会長にご迷惑をかけてしまい本当に申し訳ありません。足りなかった1人分の鑑定料を?にお預けしたいと思いますがよろしいでしょうか。」,「?家の件ですが,?のご主人様がうこいて下さってい るとの事で,WというところがVより融資を出してくれるかもしれないとの事のようです」(甲B49の42),「?昨日,Wに行き住宅ローンの為の面接を受けました。これから審査に入るとの事です」(甲B49の45),「昨日?よりケアー代をいただきました。早速?にもお 渡しいたします。」(甲B49の47),「?(?)「昨日,銀行に行き借り入れの手続きをしてきました。初めての事ですので,本人もホッとしたようです」」(甲B49の50),「夕方,?と?とお会いする予定にしています。お祭りの為に銀行での手続きをすすめているところで す。」(甲B49の52)等と報告している。

(オ) 平成16年10月10日に?が原告5に宛てた報告書には,「?:昨日は,?にお会いしました。なかなか紫微斗につながりませんが,意識していきたいと思います。」との記載がある(甲B53の5)。

(カ) 平成17年11月12日に?が被告川口の指示に基づき各班長に送付したカード鑑定内容のメモには,「3ヶ月で3名は講演会にお連れすると良い。」との記載がある(甲B51)。

(キ) 平成17年,証人1は,被告川口の指示,発言内容を書き取ったメモを班長に送付していた。そのメモには,「会長にカード鑑定の時言われた事をFAXします。」,「来る人より,来ない人が問題です。来ない人にte1をかける,手紙を書く」,「国家基準の終った人も 放っておかず愛をかける」,「ケアー代訪問の時にお菓子を持ってゆく,その時外山会長からといってつなげて下さい。(会長さんにどうつながるかよく考えて)」,「リベートを,あげるかあげないかを決めるのは,会長と,社長(先生)です。これからは,救いの為にする のでリベートは気にしないで下さい。」,「紫微斗の鑑定書の2ページの上7行位を読であげる」等の記載がある。(甲B28の2,45,弁論の全趣旨)

なお,被告外山は,その本人尋問において,上記指示は被告川口が勝手にしたものであり被告外山はリベートをあげるかあげないかを決めるのには関与していないと供述する。しかし,本件報告書には,「外山陽子は,相談者から受け取った金のうち,15〜20%を,紹介して くれた人にお礼として差し上げている。」との記載があり,既に述べたとおり,本件報告書のうち被告外山と先祖祭りに関連する部分については信用性が極めて高いこと,前記認定事実(1,(1),ア,(オ))のとおり,被告外山は講演会において先祖祭りをゲストに紹介し た者に対しては,ゲストが先祖祭りを行った場合にはリベートがあることを明らかにしていたことから,被告外山が先祖祭りを紹介した者に対しリベートを払っていたことが認定でき,これと反する被告外山の上記供述は採用することができない。

(ク) 平成18年7月15日,?はメールで,「?が紹介された?が国家基準を目指しています。お二人は国家基準を完了後結婚される予定です。先日,8代のお祭りをされて,22日に430の3倍を予定しています。会長より早く国家基準をやって結婚すると良い,16代までの紹 介条件は皆で援助すると良いと言っていただきました。」と,被告外山の発言を伝えた(甲B60の19)。

(ケ) 平成18年1月16日,被告川口は,くも膜下出血で倒れ,その後,右片麻痺,左目失明,高次脳機能障害を患っている(乙C1,弁論の全趣旨)。

被告川口が倒れた後,被告外山は先祖祭りを主催して,その費用を受け取っていた(被告外山本人)。

なお,被告外山は,その本人尋問で,被告川口の夫と息子から頼まれて先祖祭りを主催していたのであり,費用についてはそのまま被告川口の夫に渡していたと供述する。しかし,被告川口が倒れた後は被告川口は先祖祭りを主催していないのであるから,先祖祭りの対 価としての先祖祭り費用を被告川口に支払うのはいささか不自然であること,先祖祭りに使用した洋服代のみならず先祖祭り費用全額を被告川口の夫に支払ったという被告外山の供述も抽象的なものにとどまることからすれば,被告外山の上記供述を採用することは できない。

(2)  原告1関係

ア 原告1は,被告1とは化粧品の販売関係の知り合いであり,平成14年10月末ころ,一緒に食事をすることになり,子育ても終わったので,そろそろ何か仕事をしようと考えているとの話をした。すると,被告1は,「会長は,門外不出といわれている紫微斗推命の鑑定 をしていて,…とても良く当たると評判で,人気があるから…私が連絡してあげる」と被告外山の紫微斗鑑定を受けるように勧めた。原告1は,価格も2万円であったところから,これを受けることにした。その後,同年11月7日,被告1と被告2が原告1を訪ね,被告2は ,原告1に対し,「会長は,適職以外にもたくさん話をしてくれるから,話を全部覚えるのは難しい。あなたが覚えきれなかった話や難しい話を私たちが説明してあげるので,その為にメモをする必要がある。」として,原告の紫微斗鑑定に被告2,被告1及び被告3が立 ち会うことを伝え,さらに,紫微斗鑑定に加えて,その人が持っているエネルギー指数から学習能力や会話能力などを鑑定するエネルギー鑑定を受けるように勧めた。(甲C7,原告1本人,被告1本人)。

イ 原告1は,平成14年11月9日,被告外山の紫微斗鑑定及びエネルギー鑑定を受けた。その際,被告2,被告1及び被告3が同席し,被告外山の話に相づちを打ったりしていた。(甲C7,原告1本人,被告1本人,弁論の全趣旨)

被告外山は,その際,原告1に対し,適職を告げるとともに,「運勢は,まあ,いいので,何か聞きたいことはないですか」と尋ねた。それに対し,原告1は,被告外山に対し,離婚をしようと思っていることを伝えるとともに,離婚した後にその適職でやっていけるかどうか を尋ねた。被告外山は,それに対し,先祖の背景や因縁(殺傷因縁,色情因縁,財の因縁)があるので,それを読み解くために家系図鑑定を受けるように強く勧め,被告1及び被告2に除籍の取り寄せ方などを教えるように指示した。原告1は,同日,紫微斗鑑定及びエネル ギー鑑定費用として,被告外山に対して3万6000円を支払った。原告1は,被告1の指示に従って,除籍謄本などを取り寄せる作業をしていたが,面倒になって中断していると,被告1から2回にわたって手紙が来たため,除籍謄本を全て取り寄せた。(甲C7,原告1本人)

ウ 原告1は,平成14年12月17日,被告外山の家系図鑑定を受け,同日,その費用3万円を支払った。その際も,被告2,被告1及び被告3が同席した。被告外山は,原告1の家系図を見て,原告1に対し,ゼロ歳や小さいころに亡くなっている家系が多く,養子につながっている状態で,先祖の因縁が深すぎる,先祖が源氏の家系でいろいろな人たちを殺傷していて背景が大きすぎる,このままでは先祖の因縁により子どもたちは不幸になる,それを避けるために,先祖祭りをするほかに方法はないと告げた。また,被告外山は原告1に対し,同 月24日の原告1の誕生日の前に先祖祭りを行わないと大変なことになるので,早く先祖祭りを行うように告げた。被告外山は,先祖祭りの費用について,原告1に対し,8代がひと区切りであり8代までのお祭りを行えば先祖因縁は全部解いたことになること,3代までが 100万円,4代から8代までが150万円であるが8代まで一気に行うと200万円であり50万円分安くなっていること,原告1は背景が大きいので気に8代まで行った方がいい旨を伝えた。原告1は,子どもを幸せにするために先祖祭りをしなければならないと考え,50万円安く してもらえることから一気に8代まで祭りをするととし,その旨を被告外山に伝えた。被告外山は,原告1に対し,悪い先祖がお祭りをやめさせようとしてしまう(魔が入る)ので,3日以内には先祖祭りを行わないと行けないと伝え,それを受け,原告1は,同月18日,お金 を受け取りに来た被告2に対し,8代までの先祖祭り費用として200万円を手渡した。同月22日,被告1は,お祭りの打合せのため,原告1を呼び出し,お祭りで使う名札の作り方,先祖への思いを書いた「霊界通信」の作り方,お祭りのやり方,料理の準備,白い服が必要で あることなどを説明し,30万円程度の費用を当日持参するように述べた。

平成14年12月24日,原告1についての先祖祭り(8代まで)がカーサで行われ,その祭りの最初に,被告川口が10分くらい,被告外山が30分くらい話しをした後,原告1らが霊界通信を読み上げ,絵の贈呈式,先祖に料理を食べさせる儀式をし,先祖祭りは終わった。そして, 原告1は,同日,被告外山らに対し,33万9000円(洋服代26万4000円,先祖への小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,経費5万5000円)を支払った。なお,被告1は,原告1を紹介したことにより,ケア代として10万円を被告2から受け取った。(甲C2,4,7,原告1本人,被告2 本人,被告1本人,弁論の全趣旨)

工 原告1は,被告1及び被告2から,再三にわたって風水鑑定の勧誘を受けたので,平成15年1月21日に被告外山の風水鑑定を受け,同日,その費用として被告外山に16万円を支払った。その場には,被告1,被告2及び被告3が立ち会った。そして,その際,原告1が被 告外山に対して,離婚して家を買う予定であることを伝えたところ,被告外山は,原告1に対し貯金金額を尋ね,原告1が4100万円の貯金がある旨を答えたところ,原告1に対し,先祖祭りは8代で終わりではなく180代まである,家を買う前に180代までの先祖祭りをしな ければならない,先に家を買うと不幸になる,「家を買うことと子供を救うこととどちらが大事なのか」,180代までの先祖祭りを行うには1200万円の費用がかかる,先祖祭りが終わったら被告外山の古くからのつきあいであるXに頼んでいい物件を探させると述べた( なお,原告1は,現在に至るまでXから家を購入していない。)。このような説得を1時間にわたって受け,不安になった原告1が,同日午後2時30分ころに180代までの先祖祭りを行う意向を伝えたところ,被告外山は,「魔が入るからすぐに動かなければいけない」と述 べ,被告3も1日の違いが先祖の動きに影響するなどとすぐに貯金を払い戻しに行くように求め,原告1は,銀行の開いている同日午後3時までに間に合うように,被告2の車で原告1の自宅に向かい,印鑑と通帳を取って銀行に走ったが3時に間に合わず,郵便?で定額貯 金1041万4000円の払戻しを受け,さらにYのATMから約160万円を引き出し,さらに自宅からも現金を持ち出し,合計1251万8500円を被告2に手渡した。被告2は,被告外山に渡すと言って,上記金員を受け取り,その後,被告3に上記金員を手渡した。(甲C3ないし5,7,原 告1本人,被告2本人,被告1本人,弁論の全趣旨)

なお,被告外山は,その本人尋問において,風水鑑定の際に原告1の貯金金額を聞いた覚えがないと供述するが,被告2がその本人尋問において,被告外山が原告1に対し貯金金額を尋ね原告1が回答したこと及びその金額が想像を超えるものであったことに驚いたと供 述しており,被告2の上記供述部分は信用できることからすれば,これに反する被告外山の上記供述部分は信用できない。また,被告外山は,その本人尋問において,「3日以内にしなければ魔が入る」という話をしていないと供述し,被告外山,被告2及び被告1は,原告 1が自ら望んで180代までの先祖祭りを行ったと主張し,それに沿う供述をするが,上記認定のとおり原告1が,風水鑑定の日に初めて180代の先祖祭りの話を聞いたにもかかわらず,その日のうちに定額貯金の払戻手続をしてまで被告2及び被告1に1251万8500円を手 渡していること,並びに被告2及び被告1が被告外山及び被告3の指示により原告が金融機関で上記金員を引き出す際に同行していることからすれば,原告1が単純に先祖祭りに魅力を覚え自らの意思で180代まで行うことを決めたというのは極めて不自然であり,被 告外山らが原告1に対して不安を煽って早期に決断するように求めたこと以外に動機があるとは考え難いから,これに反する被告外山の上記供述部分は信用できない。よって,被告外山,被告2及び被告1の上記主張及び供述は採用することができない。

オ 平成15年1月22日,被告1は,原告1に電話し,「日本人は韓国人に悪いことをしているので皆,因縁をかぶっている。謝罪することによって因縁が取り払われる。」として,「強制連行」,「従軍慰安婦」,「従軍慰安婦の水子」の供養をするように求め,原告1は, これにも応じた。同年2月2日,カーサにおいて,原告1のための韓国先祖祭りが行われ,原告1は,同日,被告外山らに対し,先祖へのお小遣いとして1万円,被告川口へのお礼として1万円,経費として3万円を支払った。

また,同年3月4日,カーサにおいて,原告1について9代から180代までの先祖祭りが行われ,原告1は,同日,被告外山らに対し,14万5000円(先祖へのお小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,経費12万5000円)を支払った。(甲C7,弁論の全趣旨)力被告3は,平成15年7月28 日,原告1に対し,国家基準に達したのだから総合鑑定を受けるように勧め,予約日まで指定した。そこで,原告1は,指定された同年8月13日,被告外山の総合鑑定を受け,鑑定料16万円を支払った。(甲C7,弁論の全趣旨)

キ 平成15年11月ころ,原告1は,他の人が国家基準になるために養子のお祭りが必要であるとされていることを知り,被告3に確認したところ,被告外山に呼ばれた。そして,被告外山は,同年12月3日,原告1に対し,「養子家の5代から16代までのお祭りをやるのを忘 れていた。お祭りをしなければこれまでのお祭りの意味がなくなってしまいます。」と告げ,原告1に,養子家5代から16代までの先祖祭りをする決意をさせた。同月6日,カーサにおいて,原告1につき,養子家5代から16代までの先祖祭りが行われ,原告1は被告外山ら に対し,10万4000円(洋服代8万4000円,お礼1万円,お小遣い1万円)を支払った。(甲C7,弁論の全趣旨)

ク 平成16年2月ころ,原告1は,被告川口から東京における先祖祭りの総括者に任命された(原告1本人)。

原告1が先祖祭りの総括者に任命されてから,被告外山は原告1に午前9時に電話して指示を出したり,原告1から直接報告を受けていた(甲B46,被告外山本人)。

ケ 平成16年2月以降,被告外山及び被告川口は,「2004年から風水の時代に入りました。四方に絵を置いて,その中央に弥勒像を置くと気の流れが変わります。」,「東に青龍,西に黄色のバラ,南に赤富士,北に虎の絵を置きなさい。」,「弥勒像は200万円,絵は1枚120 万円です。」,「弥勒像は韓国から輸送されてくるものでなかなかありません。早めに購入してください。」,「本来ならば死んでいるはずなのに命を助けてもらった上に,国家基準にまでさせてもらったのだから,他の人たちに運勢を与えるべきだ。」そのためには 弥勒像を持つ必要があるなどと述べ,購入を強く勧められた。原告1は,さらに大金を払うことに躊躇し,被告3に相談したところ,被告3は,原告1に対し,「川口先生に言われたのなら買わなくては駄目です。」,「統括をやっている人が弥勒像を持っていなくては人 に運勢をあげられません」などと説得した。(甲C7,原告1本人,弁論の全趣旨)

コ 原告1は,平成16年3月30日,弥勒菩薩像を200万円で購入した(甲C6,原告1本人)。

サ 原告1は,?が平成16年2月4日までに先祖祭りをすることができるように,500万円を貸し付けた(甲C17,原告1本人)。また,原告1は,同年1月又は2月ころ,被告3に依頼され,先祖祭りの費用として,当時は面識のなかった?に対し450万円を貸し付けた(原告1本 人,被告3本人)。さらに,原告1は,平成16年1月20日,被告3の依頼により,?に対し100万円を貸し付けた(甲C18,原告1本人)。さらに,原告1は,被告3から被告1に対し先祖祭りの費用を貸すように依頼されたため,平成16年5月25日,被告1に対し100万円を貸し付 けた(甲C16,原告1本人,被告3本人)。

シ 平成16年5月ころ,被告外山は,原告1の弟のエネルギー鑑定の際,「弟の運勢をあげるためには弟のためのお祭りを何かやらなくてはいけない。」,「35歳を過ぎて結婚できないのは実家の養子が多く,元々跡継ぎができない家系だからである。長男である弟を結 婚させたければ養子に入った家の祭りをしないと先祖が納得しない。」,「母方の残りの四家のお祭りをやりなさい。」,「本来,養子家は16代までのお祭りで良いけれども,あなたの家系図を見ると背景が大きい家系は180代までのお祭りをしなければいけません。」 ,「普通はやらないのだけれども弟のことを考えるとお祭りをした方がいい。」等と述べたため,原告1はこれを受け,養子家4家16代等の先祖祭りを行うことを決意した。その後,被告3が養子家180代までの費用として680万円を請求してきたことで,原告1は,これを 疑問に思い,被告外山に報告書をFAXしたところ,被告外山は,洋服代だけでよいと連絡してきた。同年7月11日,カーサで,原告1について養子家4家16代,1家180代の先祖祭りが行われた。原告1は,その費用として,被告らに対し,80万2000円(洋服代75万5000円,経費2万 7000円,被告川口へのお礼1万円,先祖へのお小遣い1万円)を支払った。(甲C7,弁論の全趣旨)

(3) 原告2関係

ア 原告2は,平成11年10月ころ,職場の同僚であった?に勧誘され,紫微斗鑑定を受けることとした。原告2は,当時,引越をしたばかりで,娘の下着,体操着,水着等が盗まれたり,夜中に無言電話があったり,原告2自身が交通事故に遭ったり,職場でトラブルがあった りするなど,ストレスが溜まっていたため,紫微斗鑑定を受けることにした。

平成11年10月25日,?は,原告2に紫微斗鑑定を受けさせるために,原告2とともに被告外山の自宅を訪れた。被告外山は,原告2に対し,「私はものすごい強運の持ち主なので,このように成功したのです。私の言うようにやれば,必ずうまくいきます。ただし自分勝手 にやってはいけません。やり方があるのです。それは,あなたの先祖を供養することです。」,「世の中には,お金で苦労をしたり,健康を害したり,家庭や仕事,異性関係が上手くいかない人がたくさんいます。このような人たちは,その人自身が悪いのではないのです 。先祖の因縁が,今,生きている子孫である私たちに影響を及ぼしているのです。」,「この問題を解決するには自分一人ではどうしようもありません。先祖の因縁を解いてあげないといつまでも問は解決しないのです。」,「先祖供養をしなければ,あなたの子どもの 周りで起こっている問題も解決しません。先祖の因縁があなたの子どもを不幸にしようとしているのです。」,「先祖を喜ばせる方法があります。それは,お祭りをして先祖の供養をしてあげることです。」,「先祖供養をすればお子さんの問題も必ず解決します。」 ,「先祖を供養するためには,お祭りをすることが必要である。そのためにはまず家系図を作成する必要があるので,戸籍謄本や除籍謄本を取り寄せなさい。」などと述べた。同日,原告2は,被告外山に対し,紫微斗鑑定の費用として2万円を支払った。(甲D1,14,原告 2本人,弁論の全趣旨)

イ ?は,原告2に対し,「子供の運勢も見てもらわなければ,家族の運勢のことは分からない。」,「やはり一番気になるのは自分のことより子供のことですよね。」などと述べ,原告2の子どもの紫微斗鑑定をするように促した。平成12年3月30日,原告2は,その子 どもの紫微斗鑑定を受けた。その際,被告外山は,「先祖の因縁があなたの娘にも悪い影響を与えています。先祖因縁を解かなくてはあなたの娘まで不幸になってしまいます。子どものためにも先祖因縁を解きなさい。」,「男の子がいないと家が断絶してしまいます 。運勢的に正しく生きていないからです。」,「男子が生まれないのは先祖に問題があるのですが,幸いなことに養子という制度があります。先祖の因縁を解けば,先祖が喜んで運勢が上がり,良い婿養子を迎えることができ,未来永劫子々孫々まで栄えるでしょう。」 ,「とにかくまずは家系図を取りなさい。家系図を見ればどの先祖に問題があるか分かるから,先祖の因縁を解くために必要です。」などと述べた。原告2は,同日,被告外山に対し,紫微斗鑑定の費用として6万円を支払った。原告2は,その話を信じて家系図鑑定を受 けることとし,戸籍謄本や除籍謄本と取り寄せた。(甲D2の1ないし3,甲D14,原告2本人,弁論の全趣旨)

ウ 被告外山は,平成12年5月13日,家系図鑑定のために,原告2を鑑定所である樹林館に呼び出した。鑑定を受ける部屋には,?及び被告3が同席した。被告外山は,原告2の家系図を示しながら,「水子の供養をしなければあなたの運勢は上がりません。」,「16代ま でのお祭りをすればとても良い運勢が来ます。宿命は変えられないけれど,運勢は変えられます。良い運勢に切り替えるためのお祭りにはそれなりの費用がかかります。」,「ただ,水子の供養と先祖の供養は一緒にできないので,まず水子の供養を先にして,特に気になる36歳で亡くなった方と16歳で亡くなった方を供養します。1人12万円で,3人まで一緒に供養できますが,3人の場合は21万円になります。」と述べた。原告2は,被告外山に対し,家系図鑑定料3万円を支払った。そして,原告2は,被告外山の勧めに従って水子供養 のための先祖祭りをすることにし,平成12年5月16日,被告3の口座に水子供養費用21万円を振り込んだ。同年6月11日,原告2につき水子供養のための先祖祭りが行われ,原告2は,3万3500円(先祖へのお小遣い1万円,被告川口のお礼1万円,洋服代4500円,経費9000円)を 支払った。(甲D4,14,弁論め全趣旨)

工 平成12年11月ころ,被告外山は,原告2に対し,「家の風水鑑定も非常に大事です。運勢を変えるには,あな為の家も風水鑑定しなければなりません。」,「風水鑑定をしなければ,娘さんの周りで起きた事件がまた起きますよ。」と述べて風水鑑定を強く勧め,原告 2は,平成12年11月17日,被告外山の風水鑑定を受けたが,これには,被告川口,被告3,?及び?が同席した。被告川口は,原告2の家に入るなり,針が体中に突き刺すみたいだと言ったり,子ども部屋に侍の霊がいる,家の北東に欠けている部分があるので,ここに塩をま くと良いと言ったりした。原告2は,同月16日,被告外山に対し,風水鑑定費用として16万円を支払った(甲D14,原告2本人,弁論の全趣旨)。

オ その後,原告2は,被告川口の姓名判断を受けたが,その際,原告2の夫の生年月日を見て,命にかかわるような病気になるから,紫微斗鑑定を受けないといけないと言われ,夫の紫微斗鑑定を受けることとした。被告外山は,平成12年11月25日,原告2に対し,?の立 ち会いで,原告2の夫の紫微斗鑑定を行うとともに,「水子供養は終わったから今度は先祖供養をしないと駄目です。水子の供養はやって当たり前なのです。」「前にも言ったけれども,先祖供養をして先祖の因縁を解かなければあなただけでなく,子どもに悪い影響 が出ます。」,「あなたや子どもの周りで起こっている問題は,先祖の因縁によって起きているのです。」,「あなたや家族の運勢を変えるには先祖祭りをしなければなりません。」,「やりますね。」などと述べ,原告2に先祖祭りをすることを承諾させ,「詳しいや り方や費用は?さんから聞いてください。」と述べた。原告2は,同日,被告外山に対し,紫微斗鑑定費用2万円を支払った。(甲D8,14,原告2本人,弁論の全趣旨)

原告2は,同日,?から,何代までやるか聞かされないまま,先祖祭りの費用が200万円であると聞かされた。原告2が絶句したところ,?は,原告2に対し,「あなたやるっていいましたよね」,「そう言った言葉は,天も聞いてます,先生もみんな聞いてます。言ったこと をたがえては駄目」と説得され,先祖祭りをする決意をした。原告2は,同月27日,子供の学費等にためていた預貯金を払い戻し,?に200万円を支払った。その数日後に,?から,普通は3代までの先祖祭りだが,被告外山が特に8代まで先祖祭りをすると言っていた旨を 伝えられた。(甲D14,原告2本人)

力 平成12年12月8日,原告2について,1代から8代までの先祖祭りがカーサで行われた。原告2は,同日,被告外山らに対し,洋服代等25万6000円を支払った。被告外山は,原告2の先祖祭り(1代から8代まで)終了後,原告2に,「先祖祭りは16代までしないと効果がない 。」,「16代までの先祖供養をしなさい。そうでないと8代までの先祖供養が無駄になって,運勢が下がります。」,「できるだけ早く次のお祭りをやりなさい。」などと述べた。(甲D14,弁論の全趣旨)

キ 平成13年10月11日,被告外山は,原告2の夫の再度の紫微斗鑑定を行った際,「16代までの先祖供養をしなさい。そうでないと8代までの先祖供養が無意味になってしまう。」,「お嬢さんや子孫がつつがなく幸せに暮らすためには先祖祭りが必要です。」と述べた 。そこで,原告2は,1年近くかかって200万円程度の貯蓄もできたことから,先祖祭りを行う決意をし,平成13年10月13日,被告外山らに対し,9代から13代までの先祖祭りの費用として200万円を支払った。平成13年12月24日,原告2の先祖祭り(9代から13代まで)がカー サで行われ,同日,原告2は,被告外山らに対し,16万8000円(洋服代14万円,先祖へのお小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,経費8000円)一を支払った。(甲D14,原告2本人,弁論の全趣旨)

なお,被告外山は,「16代までの先祖祭りをするとより運勢が上がるかもしれないですよ」と言ったのであり,「16代までしないと効果がない」とか「そうでないと8代までの先祖供養が無駄にな」るなどと言ったことはないと主張し,これに沿う供述をする。しかし,8 代までの先祖祭りを行ってから1年経ってようやく先祖祭り費用200万円を調達することができるような原告2の収入状況に鑑みると,被告外山から単に「より運勢が上がるかもしれない」という程度の勧誘を受けただけでさらに200万円も支出するとは到底考えられ ない。原告2は,被告外山から,16代までの先祖祭りを行わないと8代までの先祖供養が無駄になると断定的に言われ,それを信じたからこそ200万円を貯蓄したと考えるのが自然であるから,被告外山の上記主張及び供述は採用できない。

ク 平成14年1月ころ,被告外山及び被告川口は,原告2に対し,先祖祭り1代分を無料で行うと述べた。同年2月14日,原告2の14代の先祖祭りがカーサで行われ,原告2は,被告外山らに対し,5万6000円(洋服代2万8000円,先祖へのお小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円 ,経費8000円)を支払った。(甲D14,弁論の全趣旨)

ケ 平成14年4月ころ,?は,原告2に対し,「このままでは,あなたの運勢が駄目になってしまう。私の紹介条件を貸してあげるので16代までやりましょう。」と述べ,15代と16代の先祖祭りを?の紹介条件で行うことと引換えに,韓国の従軍慰安婦などを供養するため の韓国1倍のお祭りをすることを求め,その費用として本当は280万円かかるが,100万円でよいと説明した。原告2は,韓国1倍のお祭りを行うことを決め,同年5月16日,原告2の夫名義の口座から被告3の口座に96万7500円を振り込む方法で支払った。同年6月13日,原 告2の先祖祭り(15代,16代)及び韓国1倍の先祖祭りがカーサで行われた。その際,原告2は,被告外山らに対し,8万4000円(洋服代5万6000円,先祖へのお小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,経費8000円)を支払った。(甲D10,14,原告2本人,弁論の全趣旨)

コ 平成14年6月13日の上記先祖祭りの前に,被告3は,原告2に対し,被告川口からの伝言として,「180代までの先祖供養と韓国の先祖供養をして,国家基準をしなければ,本当の先祖供養にはなりません。」と伝え,?も執拗に勧めた。また,被告川口も,お祭りをやっ たからと言って安心しているととんでもないことになる,悪いことは突然来るなどと述べ,さらにお祭りをやっていく必要性を説いた。そこで,佐藤は,国家基準を達成しなければならないと考えるようになり,同年8月9日,原告2は,被告3に対し,韓国の先祖供養費用 193万5000円及び180代までの先祖供養費用459万2000円の合計額652万7000円を支払った(なお,この費用の一部200万円は原告2の夫の口座から引き出したものである。)。そして,同年9月7日,原告2の国家基準の先祖祭りが行われ,原告2は,被告外山らに対し,9万円( 先祖へのお小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,経費7万円)を支払った。(甲D11,12,14,原告2本人,弁論の全趣旨)

サ 平成16年4月ころ,被告外山及び被告川口は,原告2に対し,「国家基準に達した人は運勢がよりいっそう上がるように大理石の弥勒菩薩像を買いなさい。」,「これからは,ために生きなさい。」等と弥勒菩薩像の購入を勧めた。そこで,原告2は,これを購入する ことを決意し,被告3に対し,弥勒菩薩像の代金として,同月21日に100万円(原告2の夫の口座から引き出したもの),同年7月8日に100万円(うち60万円は原告2の夫の口座から引き出したもの)を支払った。(甲D13の1,甲D14,原告2本人,弁論の全趣旨)

シ 平成17年4月26日に原告2の従兄弟が56才で亡くなり,同月28日に原告2の実父が亡くなったが,それを聞いた被告川口は,原告2に対し,「亡くなった人の先祖祭りを49日前にしてあげると亡くなった人は霊界でより高い位置にいける」等と上記2名の先祖祭りを するように勧めた。そこで,同年6月4日,原告2は,実父と従兄弟の供養をするお祭りをし,被告外山らに対し,24万3800円(お祭り代金21万円,洋服代5800円,実父と従兄弟のお小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,経費8000円)を支払った。(甲D14,弁論の全趣旨)

ス 被告3は,原告2に対し,家系図に間違いがあったので見直しをする必要があると述べ,再鑑定することを承諾させた。原告2は,平成17年6月9日,被告外山に対し,家系図再鑑定料3万円を支払った。そして,被告3は,家系図再鑑定の結果,平成12年に他界した原告 2の夫の祖母と叔父を再び供養しなければならないと述べ,原告2に再度先祖祭りをすることを承諾させた。同年7月3日,原告2の夫の祖母と叔父についてのお祭りが行われ,原告2は,被告外山らに対し,3万1700円(洋服代3700円,お小遣い1万円,お礼1万円,経費8000 円)を支払った。(甲D14,弁論の全趣旨)

セ 被告3は,平成17年8月ころ,原告2に対し,「天皇家に男子がいないのは,天皇家のお祭りをしていないからです。」,「国家基準に達したあなたが運勢をあげるためには,天皇家のお祭りをする必要があります。ために生きなさい。」等と天皇家のお祭りをするよ うに勧め,朱雀天皇のお祭りをすることを承諾させた。原告2は,同年9月7日,被告外山らに対し,天皇家のお祭りの費用として12万円を支払った。同年10月30日,原告2についての天皇家の先祖祭りが行われ,原告2は,被告外山らに対し,5万円(お小遣い1万円,お礼1万 円,経費3万円)を支払った。(甲D14,弁論の全趣旨)

なお,被告外山は,天皇家のお祭りは被告外山が考えたものではないと主張するが,本件報告書(甲B80の2)において,天皇家のお祭りに関して,「これも先祖祭りの一種で,雅子妃殿下の男子出産が問題になっていたことから,これを憂えた外山陽子が,天皇家の先祖祭り を考え,180代の先祖祭り及び韓国3倍を行った相談者に対してのみ勧めたものである。」との記載があり,この信用性が高いことは既に述べたとおりであるから,これに反する被告外山の上記供述は採用できない。

(4) 原告3関係

ア 平成13年12月及び平成14年2月23日,原告3は,原告5に誘われて被告外山の講演会に参加し,2回目に参加した際,被告川口による無料の姓名判断を受けたところ,被告川口から,先祖祭りをすると良い,紫微斗鑑定をうけてはどうかと述べ,その後,被告4及び被告5 も,悩み事が解決するなどとして紫微斗鑑定を受けるように勧めた。そこで,原告3は,これを承諾し,同年3月6日,原告5,被告4及び被告3の立ち会いで被告外山の紫微斗鑑定を受けた。被告外山は,その際,原告3に水子がいることを確認すると,「それじゃあ供養を しなくっちゃ。」,「娘さんご夫婦がうまくいかずに問題が起きているのも,水子を供養しないからです。」,「水子の供養と先祖供養が絶対に必要です。」,「(寺ではなく)こちらでやった方がいいと思います。」,「先祖供養のやり方は,紹介者である原告5さんか らよく聞きなさい。」等と述べた。(甲E21,弁論の全趣旨)

イ 被告外山の紫微斗鑑定を受けた後,原告3は,原告5に誘われて,被告4とともに喫茶店に入った。そこで,被告4は,原告3に対し,水子供養のために,200万円かかる1代から8代の先祖供養をした方がいいと勧めた。金額が高いので,原告3が断ると,被告4は,先祖 祭りをして先祖の因縁を解放しないと,家系が断絶したり,娘夫婦が離婚したり,息子が就職できない等,原告3が不幸になると告げた。原告3が200万円を用意できないと言って再度断ると,被告4は,借金をしてでもした方がいい等,2時間にわたり原告3の説得を続け た。そして,家族に不幸があってはいけないと思い始めた原告3が先祖祭りをすることを承諾すると,被告4は,魔がさすので3日以内に200万円を支払うように求めた。原告3は,それを受けて,同月7日に原告5に21万円を,同月9日に被告4に借金をして調達した179万 円を,それぞれ支払った。(甲E6,21,原告3本人,弁論の全趣旨)

なお,被告4は,その本人尋問において,原告3家は不幸になることはあっても幸せになることはない旨を原告3に対して説明したことはないと供述する。原告3に対し先祖祭りの具体的な説明をしたのは被告4であること及び原告3は被告4から説明を受けて3日以 内に200万円を支払っていることには争いがなく,原告3が先祖祭りの方法についての説明を受けたというだけで,200万円もの大金を借金をしてまで先祖祭りに投じることを3日以内に決断したというのは不自然であるから,被告4の上記供述は採用できない。

ウ 原告3は,同月9日,被告4から,先祖供養をするためには家系図を作成する必要があると言われたため,被告4に除籍謄本等の取り方を教えてもらい,同月30日,被告外山に対し家系図作成費用として3万円を支払った(甲E29,被告4本人,弁論の全趣旨)。

工 平成14年6月25日,原告3について,先祖祭り(1代から8代まで)がカーサにおいて行われた。原告3は,同日,洋服代等として,被告外山らに対し,23万9000円(洋服代19万9000円,先祖への小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,供え物代1万円,水菓子代1万円)を支払っ た。(甲E21,被告4本人,弁論の全趣旨)

オ 平成14年11月17日,原告3は,被告外山の講演会に出席した。被告外山は,その講演会において,「2003年までに国家基準を達成した人は,運勢で10年差がつく。」,「出来る限り真剣にやった方がいい。」,「やるかやらないかで差がつく。」と述べた(甲E21,弁論 の全趣旨)。

力 平成14年11月29日,被告5は,原告3を田端駅付近のデニーズに呼び出し,先祖祭りは180代まであるが,16代まで行えば霊界が納得すること,16代までの先祖祭り費用は480万円であること,16代までやらないと8代までの先祖祭りが無効になること,亡くなった先祖 が霊界に行って苦しんでいること,先祖の因縁を解放しないと救われないこと,先祖の中の水子が恨んでいること,先祖の中に色情因縁がある者がいること,平成14年中に先祖祭りを行うべきであることを,3時間以上にもわたり執拗に説得した。そこで,原告3は,子供 達が不幸にならないようにと考え,これを承諾し,同年12月24日に300万円を,同月27日に192万円(養父の供養代12万円を含む。)を,原告5に対して支払った。そして,平成15年1月22日,原告3について,9代から16代までの先祖祭りが行われ,原告3は,洋服代17万円,先 祖への小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,お供え物代1万円,水菓子代5000円の合計20万5000円を支払った。(甲E9,21,原告3本人,弁論の全趣旨)

なお,被告5は,その本人尋問において,原告3に対し16代までしないと8代までが無効になるという話をしたことがないと供述するが,被告5が原告3に対する説得の際に用いた書面(甲E9)からすれば,被告5が原告3に対し執拗に16代までの先祖祭りを勧めていたこ とが容易に推認できるし,前記認定の他の原告に対する説得内容に照らしても,被告5の上記供述の信用性は著しく乏しいといわざるを得ない。よって,被告5の上記供述を採用することはできない。

キ 被告5は,平成14年12月18日,原告3に対し,「風水鑑定を受けると気の流れが変わる。運をつかむことができる。」などと風水鑑定を受けるように勧めた。そして,平成15年1月17日,原告3は,被告5に対し,風水鑑定費用として16万円を支払い,被告外山による風 水鑑定を受けた(甲E21,弁論の全趣旨)。

ク 前記のとおり,平成15年1月22日,原告3について,9代から16代までの先祖祭りが行われたが,その際,被告外山及び被告川口は,先祖祭りが平成15年2月3日までしかできないこと,国家基準を立てて先祖祭りをして先祖を救うべきであることを参加者に強調した。こ のお祭りの後,被告5は,原告3を喫茶店に誘い,同人に対し,国家基準とは,180代までの先祖供養と韓国の先祖供養のことであり,国家基準の先祖祭り費用は640万円であるが,子どもたちの幸せはお金にはi換えられないし,今まで払ったお金が無駄になるので,借金し てでも国家基準の先祖祭りを行った方がいいと説得した。また,同日,被告5は原告3に対し,「国家基準1代〜16代 17代〜180代 430名×3倍 洋服代200015001000」,「価値がある物にお金を出す。正しく使えば正しく入る様になる。」,「最初のうちに国家基準を たてた方が良い」等と書いた書面をFAXで送付した。原告3は,この説得を受け入れ,夫名義の貯金を解約したり,簡易保険を担保に借り入れしたりして資金を調達し,同月28日,原告5と被告5に対し,634万6500円(17代から180代の先祖祭り費用,韓国の先祖祭り費用) を支払った。同年2月13日,原告3について,韓国の先祖祭りがカーサにおいて行われた。原告3は,同日,被告外山らに対し,7万4000円(先祖へ の小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,経費5万4000円)を支払った。また,同月25日,原告3について,先祖祭り(17代から 180代)がカーサにおいて行われた。原告3は,同日,被告外山らに対し,14万円(先祖への小遣い1万円,被告川口へのお礼1万円,経費12万円)を支払った。(甲E13,甲E15の1,2,甲E16,17,21,原告3本人,弁論の全趣旨)

ケ 被告5は,平成15年6月21日,「川口先生が購入してきてくれる韓国のいい印鑑がある。」,「気運があがる。」等と述べて,原告3に対して印鑑を購入するよう説得し,原告3は,せいぜい数万円だと思って夫婦の印鑑2セットを購入することにした。その後,被告5 から合計71万4000円と知らされたが,キャンセルはできず,原告3は,同年7月10日,被告5に71万4000円を支払った。(甲E18,21,弁論の全趣旨)

コ 平成16年1月11日,他の人の先祖祭りにおいて,被告外山及び被告川口は,原告3を含む参加者に対し,「弥勒菩薩を購入すれば必ず幸せになれる。」,「今回お薦めする弥勒菩薩は国家基準を満たした人だけである。」,「東西南北にそれぞれ絵を置くと,風水学で とてもよくなる。」と強調し,弥勒菩薩像及び絵画の購入を勧めた。その祭りの後,被告3は,原告3に対し,「弥勒菩薩だけでも十分効果がある。」,「国家基準を達成した人でなければ購入できないのです。」などと述べ,購入するように説得した。原告3は,その説得に応じ,弥勒菩薩像の代金として,同年2月3日に被告3に対し100万円を交付し,平成18年2月1日に会計担当の?(当時の東京代表)名義の口座に100万円振り込んだ。(甲E21,弁論の全趣旨)

サ 平成17年9月11日,被告外山及び被告川口は,原告3が同席していた先祖祭りの場において,天皇家に男子が生まれるためのお祭りをすることを勧めた。原告3は,これをすることとし,同年10月2日,用明天皇のお祭りを行い,その費用として,15万円を支払った。(甲 E21,弁論の全趣旨)

シ 平成18年6月ころ,訴外?から,「原告3家の出生場所が分かった。原告3家の元についてお祭りをすれば,その分かえってくるから,原告3家のルーツのお祭りも行うように」と言われ,原告3は,同月23日,原告3家のルーツのお祭り費用として,前記?名義の口座 に12万円を振り込む方法で支払い,同年7月2日,経費3万円を支払った(甲E21,弁論の全趣旨)。

(5) 原告4関係

ア 原告4は,平成11年11月10日,被告6に勧められ,当時登校拒否をしていた原告4の次男について,被告外山の紫微斗鑑定を受けた。原告4は,紫微斗鑑定の費用として,被告外山に対し,2万円を支払った。(甲F5の1,原告4本人)。

イ 原告4は,平成12年10月9日,被告6に勧められ,原告4自身について,被告外山の紫微斗鑑定を受け,2万円を支払った。原告4は,その鑑定の際に,被告外山から家系図を作成するように言われたため,除籍謄本などを取り寄せて,家系図を作成した。被告外山は,同 月16日,原告4の実家に色情因縁があること,先祖の因縁を解消しないと子どもたちが不幸になることを告げ,先祖祭り費用は3代で100万円,8代で200万円,16代までで680万円であるところ,3代だけでも先祖祭りを行うように勧めた。さらに,同年11月に原告4の家系図 ができたとの連絡があり,原告4は,同月11日,被告外山の鑑定所に赴いたところ,被告外山は,原告4の家系図を示しながら,被告6とともに,原告4に対し,「この180代の先祖祭りをしないとあなたやあなたの子どもたちが大変なことになる。」,「本当は180代祭りを すべきだが,とりあえず100万円を出せば,3代の祭りができる。」,100万円は魔が入ってはいけないので3日以内に納めた方がいいと説得し,原告4は,これに応じて先祖祭りをする決意をし,3代までの先祖祭り費用として,同月11日,被告6に100万円を支払った。そして,原告4は,1代から3代までの先祖祭りをカーサで行い,その費用等として,被告外山らに対し,同月16日,10万7000円を支払った。なお,被告6は,原告4が先祖祭りをした際にケア代を被告川口から提供された。(甲F1,8,原告4本人,被告外山本人,被告6本人,弁論の 全趣旨)

ウ 被告6は,平成13年1月20日,原告4に対し,「運勢を上げるためには,少しでも上にあげるように,お祭りをしなければいけません。先祖を祭ることにより,あなたのこれからの後祖が良くなっていきます。先祖供養は1代から8代までしないと効果がない。先祖供養 を1代から8代まですると,費用として150万円かかる。」,「3日以内に支払わないと魔が入り,先祖供養の効果がなくなる。」等と述べ,8代までの先祖祭りを行うように説得した。原告4がそのような高額の費用は出せないというと,被告外山は,原告4に対し,「先祖 の因縁を解放しない限り,先祖は霊界をさまよい歩くこととなり,原告4家は不幸になることはあっても,幸福になることはない。」等と述べ,8代までの先祖祭りを行うことを強く勧めた。このような説得が2時間以上も続き,原告4は,8代までの先祖祭りを行うことを 決意し,同日ころ,被告外山に対し,166万円(4代から8代までの先祖祭りの費用150万円,洋服代14万円,お礼1万円,お小遣い1万円)を支払った。原告4は,後日,8代までの先祖祭りを行った。(甲F8,原告4本人,弁論の全趣旨)

工 原告4は,平成13年7月1日,夫及び長男についての紫微斗鑑定を受け,被告外山に費用4万円を支払った。また,原告4は,同月10日,原告4の長女についての紫微斗鑑定費用として2万円を支払った。(甲F8,弁論の全趣旨)

オ 原告4は,次男が登校拒否状態にあり悩んでいたところ,被告外山に次男の部屋の場所がよくないと言われたため,被告外山の風水鑑定を受けることを決め,同年9月7日,被告外山に対し,原告4家の風水鑑定費用として16万円を支払った(甲F2,8,原告4本人,弁論の 全趣旨)。

力 被告6は,平成14年ころ,原告4に電話をかけ,「外山会長から恩恵として9代目のお祭りをもらいましたので,会長さんにお礼を言ってください。」と言った。これを受け,平成14年2月25日,原告4についての先祖祭り(9代)が行われ,原告4は,被告外山らに対し,4 万8000円(洋服代2万8000円,お礼1万円,お小遣い1万円)を支払った。(甲F8,原告4本人,被告6本人,弁論の全趣旨)

キ 原告4は,平成14年9月27日,被告6から,「日本人は,第二次世界大戦のとき,従軍慰安婦として,韓国人女性を強制連行した。その韓国人女性たちの水子たちが,霊界をさまよっている。」,「日本人として,水子の因縁を解放しない限り,水子は霊界をさまよい歩く こととなり,原告4家の先祖は,供養されないままで不幸になることはあっても,幸福になること'はない。」,原告4にも水子がいるので,「その水子を供養しないと子供も浮かばれない。」などと説得し,原告4は,これを承諾した。そして,原告4は,被告6に対し,平 成14年11月6日,韓国供養「水子供養・1倍」の費用として100万円を支払った。また,原告4は,被告外山及び被告川口から,韓国のお祭りをする者は,京都の耳塚,鼻塚,豊国神社に行くように言われていたため,平成14年11月6日,日帰りで,旅費4万円を支出して京都に赴 いた。原告4は,同年12月11日,韓国1倍の先祖供養の洋服代の一部として21万6000円を,同月26日に洋服代の残金として20万円を,それぞれ被告6に対し支払った。さらに,原告4は,平成15年2月13日,被告6に対し,「強制連行,従軍慰安婦,水子供養・2倍」のお祭りの 費用等として152万円(お祭り費用150万円,お礼1万円,お小遣い1万円)を支払った。(甲F7,8,原告4本人,弁論の全趣旨)。

ク 原告4は,被告外山らから,2003年は切替えの年であるから,この間に国家基準にならないと子どもたちが100年先まで幸せになれないというようなことを告げられ,国家基準に達するように勧められた。平成15年3月5日,被告6から,「本来,20代のお祭りをしない と,あなたやあなたの子供たちが大変なことになる。」と3時間にわたって20代までの先祖祭りをおこなうよう説得され,その費用は430万円であることを告げられた。原告4は,これを承諾し,同日,被告6に対し,20代の先祖祭り費用430万円を,同月24日,洋服代の一部 として30万8000円を,同月29日,お礼として3万円,お小遣いとして2万円を,同月31日,洋服代の残金20万円をそれぞれ支払った。(甲F7,8,原告4本人,弁論の全趣旨),

ケ 被告外山や被告川口は,原告4に対し,「為に生きる」ように,「人のために何かをやってあげれば功労を積むことになり,自分の先祖もよくなり,運勢も上がっていく」と盛んに言うようになり,原告4は,平成15年5月26日,?の紫微斗鑑定費用2万円を被告外山に 対して支払った。(甲F8,原告4本人,弁論の全趣旨)。

ついで,同年6月26日,原告4は,被告外山に対し,?の家系図作成費用として3万円を支払った(甲F8,原告4本人,弁論の全趣旨)。

コ 被告3は,平成15年8月6日,原告4に対し,「本来,180代の祭りをしないと,あなたやあなたの子供たちが大変なことになる。」,「先祖の因縁を解放しない限り,先祖は霊界をさまよい歩くこととなり,原告4家は不幸になることはあっても,幸福になることはない 。」などと180代の先祖祭りをするように3時間にわたって説得し・180代までのお祭りの費用としては,洋服代448万円(2万8000円×160),お礼1万円,お小遣い1万円がかかることを告げた。そして,原告4は,180代の先祖祭りをすることを決意し,同日,被告3に対 し,180代のお祭りの費用(洋服代)として448万(ノ)円を,同月10日,お礼として1万円,お小遣いとして1万円を,それぞれ支払った。原告4は,原告4の夫の生命保険の契約者貸付けの制度を利用し,また,原告4のカード会社から貸付けを受ける方法により上記金員を捻 出した。(甲F8,原告4本人,弁論の全趣旨)

サ 原告4は,同年8月10日,?ら3名の家系図で供養する3名分の費用として,被告外山に対し36万円を支払った(甲F8,原告4本人,弁論の全趣旨)。

シ 原告4は,平成15年9月15日,被告3に勧められ,被告外山の総合鑑定を受け,被告外山に対し,その費用として16万円を支払った(甲F6の1ないし4,甲F8,弁論の全趣旨)。

ス 原告4は,平成15年11月9日,被告3から,山口県にある佐々木小次郎の墓にお参りしてこなければ,?の先祖祭りができないと言われ,?とともに日帰りで墓参りに行き,旅費15万円を支出し,ついで,同月13日,被告3に対し,?の3代祭り費用102万円(お祭り費用100 万円,お礼1万円,お小遣い1万円)を支払った。

原告4は,同月27日,被告外山に対し,?及び?の紫微斗鑑定費用として4万円を支払った。

原告4は,同月29日,?の3代祭りの費用として,被告3に対し100万円を支払った。

原告4は,同年12月25日,?ら3名の紫微斗鑑定費用として,被告外山に対し6万円を支払った。

原告4は,平成16年2月13日,?の家系図作成費用として,被告外山に対し3万円を支払った。

原告4は,同年3月4日,甥である?の紫微斗鑑定費用2万円を被告外山に対し支払った。また,同年4月19日,原告4は,甥である?の紫微斗鑑定及びエネルギー鑑定の費用として,3万6000円を被告外山に対し支払った。

原告4は,同年5月4日,被告外山に対し,?の水子祭りの費用等として14万円を支払った。

原告4は,同年5月14日,?の家系図作成費用として3万円を被告外山に支払った。

?は,同年7月5日,被告外山から?家の風水鑑定を行うことを勧められた。これを受けて,原告4は,風水鑑定費用16万円を被告外山に対し支払った。

原告4は,平成17年1月25日,?家の3代祭りの費用102万円(お祭り費用100万円,お礼1万円,お小遣い1万円)を被告外山に対し支払った。なお,お祭りを行う前に,原告4の姉である?は,被告外山から,長男の女性問題について,「母親の愛が影から救ってあげなくてはい けません。そのために先祖の清算をして息子を救っていくことです。」と言われていた。

原告4は,被告外山から「?の4・5代恩恵としてあげます。」と言われたため,平成18年1月24日,?の4・5代先祖祭りの費用として,5万3000円(洋服 代2万8000円,お礼1万円,お小遣い1万円,お祭り費用5000円)を支払った。(甲F8,原告4本人,弁論の全趣旨)

セ 原告4は,平成16年2月2日,被告3から,国家基準になった人は弥勒菩薩像を購入したほうがよいと勧められ,代金の一部として100万円を支払った。また,原告4は,平成17年11月28日,原告5に対し,弥勒菩薩像の残代金100万円を支払った。(甲F8,原告4本人,弁論
の全趣旨)

ソ 原告4は,平成17年8月31日,原告5,被告外山及び被告川口から,「天皇家に男子が生まれるために,皆がそれぞれお祭りを行う必要がある」などと天皇家のお祭りをするように勧められ,被告外山に対し16万円(お祭り費用12万円,お礼1万円,お小遣い1万円)を支払 った(甲F8,原告4本人,弁論の全趣旨)。

(6) 原告5関係

ア 原告5は,平成12年5月22日,東京駅東ロバス停付近でバスを待っているときに,被告5と出会った。原告5は,その日,被告5とその母とともに食事をした際,被告5に対し,長男が34歳,次男が32歳であるにもかかわらず結婚していないことについて悩んでいるとい う話をし,住所と電話番号の交換をした上で,被告5と別れた。その後,被告5が原告5のもとに電話をかけてきたため,原告5は,同年6月2日,被告5と東京駅で会い,被告5から紫微斗の鑑定書を見せられ,被告5がこれで運勢作りをしていることを聞かされた上で,「 運勢作りは女性がするものよ」,「あなたは原告5家の中心だからあなたが運勢作りをした方がいい」等と告げられ,半日にわたり紫微斗鑑定を受けるよう説得を受けた。その後も,被告5は原告5に対し連霜をとり,結婚前に亡くなった先祖がいるから息子も結婚で きないので,先祖の因縁を取り除かないといけないという話をした。(甲G9,原告5本人)

イ 平成12年8月2日,被告5は,紫微斗鑑定の会場である「樹林館」に原告5を連れて行き,被告外山に引き合わせた。被告外山は,原告5に対し,原告5の息子たちが結婚できないのは結婚運がないからではなく,時機を逸しただけなので,結婚運を作為的に作っていく べきであるとして,先祖祭りを勧めた。原告5は,同日,被告外山に対し,原告5夫妻及び原告5の長男についての紫微斗鑑定費用として6万円を支払った。なお,鑑定の場には,被告5に加えて,被告3が同席していた。(甲G1の1ないし3,甲G9,原告5本人,弁論の全趣旨)

ウ 被告5は,同月4日,原告5に対し,運勢づくりは総合的なものだから風水鑑定をやった方がよい,被告5自身もやったが,家の気の流れがよくなって家の中がすっきりした等と述べ,風水鑑定を受けるように勧め,原告5は,同日,これを承諾し,被告5に対し,風水鑑 定費用として16万円を支払った。被告外山及び被告川口は,同年9月19日,原告5宅に赴き,風水鑑定を行った。被告5及び被告4も同席し,家の中心に金の画鋲を天井に打ち付けて,家の周りに塩をまいた。(甲G2,原告5本人,弁論の全趣旨)

工 同年10月7日,被告外山は,原告5に対し,次男についての紫微斗鑑定を受けることを勧めた。原告5は,被告5の立ち会いで,これを受け,被告外山に対し,紫微斗鑑定費用として2万円を支払った。(甲G9,原告5本人,弁論の全趣旨)また,被告外山は,原告5に対し, 先祖供養をするためには家系図を作る必要があるので戸籍謄本を取るように指示し,除籍謄本の取り寄せ方などを指示し,詳細は被告5の指示を受けるように言った。原告5は,同年11月1日,家系図作成費用として,被告外山に対し3万円を支払った。(甲G4の1及び2,甲 G9,原告5本人,弁論の全趣旨)

オ 被告外山は,原告5に対し,「試しに先祖供養を一度に4人やったらどうか。洋服代・材料費で済むので,そんなに費用はかからないから。」と言い,原告5夫妻の両親の先祖供養を行うことを勧めた。また,被告5も原告5に対し,「先祖供養により,地獄で苦しん でいるご先祖様が救われて,上に行くことができる。供養に感謝して,ご先祖様が今の問題を解決してくれる。とりあえず4人供養してみたらどうか。」と述べた。原告5は,これを受け,先祖供養をすることを決め,平成12年11月10日,2万7000円を被告外山らに対し支 払った。(甲G9,原告5本人,弁論の全趣旨)

力 平成13年春ころ,原告5は,被告川口の姓名診断を受けた。その際,被告川口は被告5に対して,原告5の先祖が地獄で苦しんでいるのになぜ4人で途絶えているのかを詰問し,被告5が涙ぐむ場面があった(甲G9,原告5本人)。平成13年6月7日,被告5及びその友人 である?は,原告5に対し,16代までの先祖祭りをするように説得し,?は,被告外山が紫微斗鑑定を一時的にフリーズすると告げ,原告5は,不安や焦りを覚えるようになった。また,被告5は,原告5に対し,「会長はあなたのことを鈍行ではなく新幹線で行く人だと言 っている。一気に16代の先祖供養をした方がいい。先祖供養は紫微斗鑑定や風水鑑定よりも運勢作りとしては効果がある。」と述べた(甲G9,弁論の全趣旨)。

原告5は,1代から16代までの先祖供養をすることを決め,平成13年4月17日に先祖供養費用の一部として300万円,同年6月18日に380万円,同月23日に諸雑費として64万5000円を被告5に対し支払った。そして,同日,原告5について,1代から16代までの先祖祭りが行われ た。(甲G9,原告5本人,弁論の全趣旨)。

キ 原告5は,被告5から従軍慰安婦や強制連行に関する冊子を読むように言われ,ついて,韓国3倍のお祭り(強制連行,従軍慰安婦,従軍慰安婦の水子をそれぞれ645名お祭りするもの)を行うように強く説得され,韓国のお祭りを行うことを決め,そのための洋服代等と して,平成13年11月19日に290万2500円,同月29日に13万7000円の合計303万9500円を被告外山らに支払った。(甲G9,原告5本人,弁論の全趣旨)

ク 原告5は,被告5から,180代までの先祖祭りをしないと意味がない,これをすると国家基準となると強く説得されたたため,平成14年1月14日,17代から116代までの供養を行い,また,同年2月25日に117代から180代までの供養を行い,同日,これらの費用として,490万 9000円を支払った(甲G9,原告5本人,弁論の全趣旨)。

ケ 原告5は,平成15年8月20日,被告3に勧められ,被告外山の総合鑑定を受けた。原告5は,長男及び次男の2人についての総合鑑定の費用として32万円を被告外山に支払った。(甲G9,弁論の全趣旨)

コ 原告5は,国家基準を達成した後も,抱えている問題が解決しなかったので,被告外山に相談した。そうすると,被告外山は,原告5の先祖の中に武士の方がおり,戦等で多くの人を殺していることから,因縁が深い(背景が大きい)のが原因であると言った上で,周り の因縁の人を救い,他家に功労を積むとよいと述べ,具体的には原告5の親戚や友人をを被告外山のところに連れてくるように勧めた。(原告5本人)

また,被告外山及び被告川口は,先祖祭りのあいさつの際に,平成15年から16年にかけて霊界が変わるので貧乏人と金持ちの中間層がいなくなること,国家基準に達していない人は早く達しなければならないこと,親戚,知人,通りすがりの人にまで声をかけてここにつな げてほしいこと,入会させた人たちには後で感謝されること等の発言をしていた(原告5本人)。

そこで,原告5は,平成15年12月29日,被告外山や被告3の求めに応じ,榊原洋子を国家基準にするために,住友生命保険を担保に400万円を借り入れ,被告3 に対して支払った(甲B65ないし67,69,70,原告5本人)。

サ 原告5は,被告外山から,ラインのトップを集めた席上で,「ラインの上が良くならないと下も良くならない。風水では弥勒菩薩像を家に置いて家の東西南北にそれぞれ絵を置くと,家の運勢が良くなる。弥勒菩薩は国家基準を達成した人だけにお勧めしている。
」と告げられた。原告5は,これを受けて,青龍・牛の絵画,弥勒菩薩像を購入した。また,原告5は,被告3から,「ラインの国家基準になった人に勧めてください。」と言われたため,勧誘を行った結果,原告4,原告3及び原告2が弥勒菩薩像を購入した。(甲G7の1及 び2,甲G9,弁論の全趣旨)

原告5は,平成16年1月26日に絵画代金の半額120万円,弥勒菩薩像代金の100万円を被告外山らに支払い,さらに,絵画残代金として同年2月10日に60万円,同月20日に60万円を,弥勒菩薩像残代金として平成18年1月31日に40万円,同年6月28日に60万円を支払った。(甲G9, 弁論の全趣旨)

シ 原告5は,被告川口のカード鑑定を受けたところ,長男の見合がうまくいかなかったことについて,「まだ見落としている家族があるかも知れないから,家系図の見直しが必要だ。」と言われ,平成17年1月25日,見直した家系図に基づいて,先祖祭りを行い,費用として11万8500円を支払った。(甲G9,弁論の全趣旨)

ス 原告5は,平成17年10月30日,被告外山及び被告川口から天皇家のお祭りをするように勧められたため,天皇のお祭り費用として,被告外山に対し16万円を支払った(甲G9,弁論の全趣旨)。

セ 原告5は,原告5の実兄が亡くなった際,「四十九日前に供養をしないと天国へ行けない。」と言われたため,実兄の供養をすることとした。原告5は,平成17年11月6日,供養費用として17万円を被告外山らに支払った(甲G9,弁論の全趣旨)。


2 被告外山の不法行為責任について

(1)  被告外山の活動と被告川口の活動との関係

前記1(1)認走の事実によれば,被告外山が紫微斗鑑定を受けた者を対象に講演会や紫微斗鑑定を勧誘するための組織体制(以下「本件組織」という。)を構築していたこと,本件組織は被告外山が先祖祭りを勧めた者に対しては先祖祭りの説明,勧誘をすることも目的と していたこと,本件組織の構成員は,下のラインの者は班長に,班長は東京代表に,講演会,紫微斗鑑定,先祖祭り等の勧誘状況を報告していたことが認められ,これらの事実からすれば,被告外山は,高額な先祖祭り費用を取得する目的で,講演会等で紫微斗鑑定の効果や さほど費用が高くないことを宣伝し,ラインの構成員らにもノルマを課して紫微斗鑑定を受けるように勧誘することを指示し,紫微斗鑑定を受ける者を多数確保しようとしていたことは明らかである。

なお,被告外山は,先祖祭りの主催者は被告川ロであり,被告外山は先祖祭りの決定権限を持たないと主張及びこれに沿う供述をし,証人1及び被告6もこれに沿う供述をするが,被告外山は平成14年ころに講演会において「国家基準まで行った人はゲストのお祭り代金 の20パーセントを差し上げます」と自ら先祖祭りを推奨する話をしていること(前記認定事実1,(1),ア,囲),東京代表及び各班長が被告外山に対し報告している文書には講演会や紫微斗鑑定のみならず先祖祭りの勧誘状況が記載されτいること(前記認定事実1,(1),ウ ),被告外山は各班長に対し国家基準達成者の目標数を提示していること(前記認定事実1,(1),ウ,(ア),c),被告外山は,先祖祭りを相談者に勧め,何代の先祖祭りをするかが決まると,その先祖の数を調べ,その数だけの白い衣装上下及び靴下を被告川口が経営する雪だ るまファミリーに発注し,相談者から先祖祭りの洋服代を受領するなど,先祖祭りを行うに当たって大きな役割を果たしていたこと(被告外山の代理人作成の甲B80の2),被告外山が「恩恵」という形で先祖祭り費用をサービスする権限を持っていたこと(前記認定事実 1,(5),カ),被告外山は基本的には先祖祭りに出席し,説教を行ったり先祖祭りを行う者に自費で購入した絵画を贈呈したりしていたこと(甲B80の2),被告川口が日本にいない場合等には先祖祭り費用全部を被告外山が受け取っていたこと(前記認定事実1,(1),イ, (イ)),被告川口が病に倒れた後は被告外山が先祖祭りを主催していたこと(前記認定事実1,(1),ウ,(ケ))からすれば,被告外山も被告川口が病に倒れる前から先祖祭りを主催又はそれに準じる権限を有していたことは明らかである。よって,これに反する被告外山, 証人1及び被告6の上記主張ないし供述を採用することはできない。

また,被告川口は姓名判断,カード鑑定,先祖祭りを主催していた者であるが,姓名判断において被告外山の紫微斗鑑定を受けることを勧めていたこと(前記認定事実1,(3),オ),各班長は被告川口がカード鑑定の際に言ったことを被告外山に報告することを義務づけられ ていたこと(前記認定事実1,(1),ウ,),被告川口は被告外山の風水鑑定において実際に現地に赴く際に同席し,子ども部屋に侍の霊がいる等と被鑑定者の不安を煽る発言をしていたこと(前記認定事実1,(3),エ),被告川口が被告3に対し被告外山の代わりに講演会で話をするように指示していたこと(甲B49の3),被告外山の行う鑑定の中には先祖祭りを受けたことを前提とする総合鑑定があることからすれば,被告外山と被告川口とは,互いの行為を利用補充することで,一体として本件組織を形成し運営していたということができ, 紫微斗鑑定,ひいては先祖祭りを勧誘することについて,明示ないし黙示的に共謀をしていたことは明らかである。

(2) 被告外山の上記勧誘行為の違法性について

前記認定事実のとおり,被告3らを含む本件組織の構成員は,講演会等において紫微斗鑑定について勧誘する際に,先祖祭りの存在及びそれにかかる費用の説明を一切していないこと,本件組織の構成員は,被告外山が紫微斗鑑定等の際に先祖祭りを勧めることを契機と して先祖祭りへの勧誘行為を行っていたこと,被告外山は,先祖祭りを勧める際,最初はせいぜい8代までの先祖祭りを勧めており(このことは,原告らだけでなく,後述するとおり,被告3らが行った先祖祭りも最初はせいぜい8代までのものであったことからしても明ら かである。),費用についても8代までのものに関する説明しかしておらず(本件組織の構成員に代わりに説明させる場合も同様である。),先祖祭りを受けることを決めた者に対しては,「魔が入る」などとして,3日以内に費用の支払をすることを促し,熟慮期間を与えないようにしていたこと,被告外山は,先祖祭りを一部でも終えた者に対しては,自ら又は本件組織の構成員を通じて,先祖祭りは180代まであることとその費用の金額を初めて明かし,180代までの先祖祭りを行わなければ既に行った先祖祭りが無駄になり運勢が下がる とか,平成15年までに国家基準を達成した者としていない者とでは100年分の差がつく等と告げ,先祖祭りを実施した者の不安,焦り等を誘発した上で,180代までの先祖祭りを行うように誘導していたこと,被告外山は本件組織の構成員に対し,費用が足りずにお祭りが できないという者に対しては,金融機関からの借入れに協力するように指示し,また,本件組織の構成員に対し,お祭りが途中で中断している者に連絡をとるように指示し,さらにそのような者に対して恩恵という形で1代ないし数代のお祭りを無料で行うというサービ スを行うなど,お祭りをする者の気持ちが先祖祭りから離れないように,様々な手段を講じていたこと,180代までの先祖祭りを終えた者に対しても,韓国3倍のお祭りをしないと国家基準には到達しないとしてこれを勧めたり,国家基準を達成した者に対しては,他人の 為に奉仕しなければ運勢が下がるなどと説明し,弥勒菩薩像や絵画の購入を勧めたり,各種鑑定や先祖祭りをする費用がない者に対し費用を貸し付けることを求めたり,もっと勧誘活動に勤しむように指示したりしていたことからすれば,結?,本件組織の活動は,悩み を有する者らに対し,その悩みに乗じて,まずはさほど費用が高額ではない紫微斗鑑定等各種鑑定を受けさせ,先祖の因縁等の話をして不安を煽り,先祖祭りの全体像を伝えることなく一部行わせ,それによってますます不安や焦りを誘発させ,一種のマインドコントロ ールの状態にして,180代までの先祖祭り,国家基準,弥勒菩薩像や絵画の購入,他者への施しを勧誘し,継続的に繰り返し金銭を支出させ,また,さらなる第三者の勧誘行為へと誘引し,新たな被害者を生み出すという極めて悪質なものであうたといわざるを得ない。

他方,被告外山は,被告外山の各種鑑定は,その鑑定料が妥当な金額であるから正当業務行為であると主張するが,既に述べたとおり被告外山の各種鑑定は先祖祭りを勧誘する手段としての重要な意義を有するものであり,先祖祭りと一連一体のものであるといえるから ,先祖祭りと各種鑑定と切り離して考えることは相当ではなく,各種鑑定の鑑定料がさほど法外な金額でないことはそれらが正当業務行為であることの十分な根拠にはならない。また,被告外山は,先祖祭りの費用が高額であっても,それを受ける者が納得した上で進ん 受けたのであれば違法ではないと主張するが,これを正当化するための「納得」というためには,全ての情報が正しく伝えられ,何の圧力や威迫がない状態で,自由な意思により判断されたことが必要があるが,前記認定のとおり,被告外山らによる勧誘は,原告らの悩み,弱みに乗じて,その不安や畏怖を煽り,家族に不幸が及ぶのではないかとの気持ちを利用して,一種のマインドコントロールの状態におき,先祖祭りを行う決断をさせたものであって,著しく高額な先祖祭りの費用を支出させることを正当化する事情は見出せない。

原告らは主婦であったりパートの薬剤師であるなど,その収入状況からすれば1300万円は極めて高額な負担であり,その夫名義の口座からお金を引き出したり,金融機関から借入れをしてまで先祖祭りを行っており,余剰資産をっぎ込んだものではなく,原告らが正常な判断能力を有する状態にあったのであれば,到底これに応じたはずはないから,被告外山を始めとする本件組織の構成員が先祖の因縁等の話を持ち出しいたずらに不安を煽ることによって原告らが自由な意思によって判断できないような精神状態にしていたことは明らかである。そして,先祖祭り及びその勧誘を含む本件組織の一連の行為全体が社会的に相当な範囲を逸脱した違法なものであり,そのシステムを構築し,中心となって活動を行っている被告外山が不法行為責任を負うことは明らかであるから,被告外山の主張は理由がない。

(3) 原告1に対する不法行為責任について

原告1は,被告外山が,本件組織を用いて原告1に対し各種鑑定(紫微斗鑑定,家系図鑑定,風水鑑定,総合鑑定),先祖祭り及び弥勒菩薩像の購入を勧めたことにつき違法性があるから,これらの勧誘行為によって原告1が被告外山らに支払った金額相当額の支払を求める旨を主張する。

前記認定事実(1,(2))のとおり,原告1は,先祖祭りの存在を知らされることなく紫微斗鑑定を受け,そこで被告外山から家系図鑑定を勧められたところ,家系図鑑定において,先祖の因縁が深すぎて,このままでは子どもたちが不幸になるかもしれない等と言われて8代までの先祖祭りを勧められ,その後,180代の先祖祭り,韓国の先祖祭り,弥勒菩薩像の購入等を勧誘され,これらのいずれにも応じるに至っていることからすれば,原告1は,上記(2)で述べたとおりの被告外山の各種鑑定から先祖祭りへと誘引する一連の違法行為の被害を受けていることは明らかである。よって,被告外山は,原告1に対し,紫微斗鑑定及びエネルギー鑑定費用(3万6000円),家系図鑑定費用(3万円),8代までの先祖祭り費用等233万9000円(費用200万円,洋服代等33万9000円),風水鑑定費用(16万円),9代から180代までの先 祖祭り費用等(費用1251万8500円,経費等14万5000円),韓国の先祖祭り経費等(5万円),総合鑑定費用(16万円),養子家の先祖祭り経費等(経費10万4000円,洋服代等80万2000円),弥勒菩薩像代金(200万円)の合計額1834万4500円について支払う義務を負うから,原告1の上記主張には理由がある。

(4) 原告2に対する不法行為責任について

原告2は,被告外山が,本件組織を用いて各種鑑定(紫微斗鑑定,家系図鑑定,風水鑑定),先祖祭り及び弥勒菩薩像の購入を勧めたことにつき違法性があると主張する。

前記認定事実(1,(3))のとおり,原告2は,先祖祭りの存在を知らされることなく紫微斗鑑定を受け,被告外山から先祖の因縁があるとして家系図鑑定を勧められ,家系図鑑定の際及び原告の夫の紫微斗鑑定の際に,先祖の因縁を解かないと子どもに悪い影響を与えるな
どと不安を煽られた上で先祖祭りを勧められ,その後,国家基準の先祖祭り,弥勒菩薩像の購入等を勧められ,これらのいずれにも応じるに至っていることからすれば,原告2は,上記(2)で述べたとおり,被告外山の各種鑑定から先祖祭りへと誘引する一連の違法行為の
被害を受けていることは明らかである。よって,被告外山は,原告2に対し,紫微斗鑑定費用(本人分,夫分,子ども3人分を併せて10万円),家系図鑑定費用(3万円),水子供養費用等(費角21万円,洋服代等3万3500円),風水鑑定費用(16万円),8代までの先祖祭り費用等(費用
200万円,洋服代25万6000円),9代から13代までの先祖祭り費用等(費用200万円,洋服代等16万8000円),14代の先祖祭りの洋服代等(5万6000円),韓国1倍の先祖祭り費用等(費用96万7500円,洋服代等8万4000円),15代から180代までの先祖祭り費用(459万2000円),韓国の先
祖祭り費用(193万5000円),国家基準の先祖祭りの経費(9万円),弥勒菩薩像代金(200万円),実父と従兄弟の供養葺用(24万3800円),家系図再鑑定費用(3万円),原告2の夫の祖母と叔父のお祭り費用(3万1700円),天皇のお祭り費用等(費用12万円,経費等5万円)の合計額1515万7500円について支払う義務を負うから,原告2の上記主張には理由がある。

(5) 原告3に対する不法行為責任について

原告3は,被告外山が本件組織を用いて各種鑑定(家系図鑑定,風水鑑定),先祖祭り,弥勒菩薩像の購入及び印鑑の購入を勧めたことにつき違法性があるから,これらの勧誘行為によって原告3が被告外山らに支払った金額相当額の支払を求める旨を主張する。

前記認定事実(1,(4))のとおり,原告3は,先祖祭りの存在を知らされることなく紫微斗鑑定を受け,その際に被告外山から水子供養のために200万円の先祖祭りをした方がいいと勧められ,被告4から先祖祭りをしないと家系が断絶する等不幸になると言われたため8代
までの先祖祭りを行ったが,その後16代までの先祖祭りを行わなければ8代までの先祖祭りが無効になる等と16代までの先祖祭りを勧められ,16代までの先祖祭りを行った後は子どもたちのために国家基準の先祖祭りを行うべきであるとして国家基準の先祖祭りを勧め
,さらに弥勒菩薩像の購入等を勧められ,原告3がいずれにも応じるに至っていることからすれば,原告3は,上記(2)で述べたとおりの被告外山の各種鑑定から先祖祭りへと誘引する一連の違法行為の被害を受けていることは明らかである。

以上より,被告外山は,原告3に対し,8代までの先祖祭り費用等(費用200万円,洋服代等23万9000円),家系図作成費用3万円,9代から16代までの先祖祭り費用等(費用480万円,洋服代等20万5000円),養父の供養代12万円,風水鑑定費用16万円,17代から180代までの先祖祭 り費用等(費用634万6500円,経費等14万円),韓国先祖祭り経費等7万4000円,印鑑代金71万4000円,弥勒菩薩像代金(200万円),天皇家お祭り費用15万円,原告3家のルーツのお祭り費用等(費用12万円,経費3万円)の合計額1712万8500円について支払う義務を負うから,原告3の上記主張には理由がある。

(6) 原告4に対する不法行為責任について

ア 原告4は,被告外山が各種鑑定(紫微斗鑑定,風水鑑定,家系図鑑定,総合鑑定),先祖祭り,供養の前提としての旅行及び弥勒菩薩像の購入を勧めたことにつき違法性があるから,これらの勧誘行為によって原告4が被告外山らに支払った金額相当額の支払を求める旨
を主張する。前記認定事実(1,(5))のとおり,原告4は,先祖祭りの存在を知らされることなく紫微斗鑑定を受け,その際に被告外山から先祖の因縁を解消しないと子どもたちが不幸になる等として3代までの先祖祭りを勧められ,原告4が3代までの先祖祭りを行った後
,先祖祭りは8代までしないと意味がないなどと8代までの先祖祭りを勧め,さらに,20代の先祖祭り,国家基準の先祖祭りを勧められ,さらに弥勒菩薩像の購入や,他の者の紫微斗鑑定等の費用の支払等を求められ,これらのいずれにも応じていることからすれば,原告4 は,上記(2)で述べたとおりの被告外山の各種鑑定から先祖祭りへと誘引する一連の違法行為の被害を受けていることは明らかである。よって,被告外山は,原告4に対し,紫微斗鑑定費用(本人分,夫分,子ども3人分併せて10万円),3代までの先祖祭り費用等(費用100万円,洋服代等10万7000円),4代から8代までの先祖祭り費用等(費用150万円,洋服代等16万円),風水鑑定費用16万円,9代の洋服代等(4万8000円),韓国供養費用等(水子供養及び1倍。費用104万円,洋服代41万6000円),韓国供養費用(2倍。152万円),9代から20代までの先祖 祭り費用等(費用430万円,洋服代等50万8000円,お礼5万円),?の紫微斗鑑定費用(2万円),?の家系図作成費用3'万円,21代から180代までの先祖祭り費用448万円,?ら3名供養費用(36万円),総合鑑定費用16万円,旅行代金15万円,?の先祖祭り費用等102万円,?及び?の紫微斗鑑定費用4万円,?の3代までの先祖祭り費用100万円,?ら3名の紫微斗鑑定費用6万円,?の家系図作成費用3万円,?の水子祭りの費用14万円,?の紫微斗鑑定費用2万円,?の紫微斗鑑定費用及びエネルギー鑑定費用(3万6000円),?の家系図作成費用(3万円),?家の風水鑑定費用(16万円),?家の先祖祭り費用(102万円),?の先祖祭り費用(5万3000円),弥勒菩薩像代金200万円,天皇家のお祭りの費用等16万円の合計額2187万8000円を支払う義務を負うから,この点に関する原告4の主張には理由がある。

イ なお,原告4は,被告6から平成14年9月27日,韓国の先祖供養(強制連行,従軍慰安婦,水子供養1倍)をするように勧められ,同日,費用として102万円を支払った旨を主張し,これに沿う証拠(甲F8)がある。しかし,原告1や原告3のように180代までの先祖祭りと一緒に費用が支払われた場合には多額となるが,韓国3倍祭りを別に行った原告2や原告5の場合には,小遣い,お礼,お供え代を除けば,洋服代として290万2500円(強制連行は,男子645名×2000円。従軍慰安婦は,女子645名×1500円。水子は645名×1500円)を支払ったのみであることは前記認定のとおりであるところ,前記認定事実によれば,原告4は,韓国3倍のお祭りの費用(お礼,お小遣い分は除く。)として,平成14年11月6日に100万円を,同年12月11日に21万6000円を,同月26日に20万円を,平成15年2月13日に150万円を支払っており, れらの総額は291万6000円となることからすれば,韓国3倍祭りのためにこれに加えて102万円を支払う必要があったとは容易に認め難いから,原告4の上記主張及び甲第F8号証の陳述部分には,何らかの錯誤がある可能性が否定できず,これを直ちに採用することはできない。

(7) 原告5に対する不法行為責任について

原告5は,被告外山が各種鑑定,先祖祭り及び弥勒菩薩像の購入を勧めたことにつき違法性があるから,これらの勧誘行為によって原告5が被告外山らに支払った金額相当額の支払を求める旨を主張する。

前記認定事実(1,(6))のとおり,原告5は,先祖祭りの存在について知らされることなく紫微斗鑑定を受け,その際に被告外山から先祖祭りを勧められ,原告5夫妻の両親の先祖祭りを行ったが,その後被告川口から原告5の先祖が地獄で苦しんでいる等と告げられ,さらに被告外山から16代までの先祖祭りを行うように勧められ,さらに国家基準の先祖祭り,総合鑑定,弥勒菩薩像等の購入等を勧められ,そのいずれにも応じていることからすれば,原告5は,上記(2)で述べたとおりの被告外山の各種鑑定から先祖祭りへと誘引する一連の違法行為の被害を受けていることが認められる。よって,被告外山は,原告5に対し,紫微斗鑑定費用(原告5夫妻及び子ども2入併せて8万円),風水鑑定費用16万円,家系図作成費用3万円,原告5夫妻の両親の先祖供養2万7000円,16代までの先祖祭り費用等(費用680万円,諸雑費64万5000円),韓国の先祖祭り費用303万9500円,17代から180代までの先祖祭り費用490万9000円,総合鑑定費用32万円,絵画代金240万円,弥勒菩薩像代金200万円,家系図見直し費用11万8500円,天皇のお祭り費用16万円,原告5の実兄の供養費用17万円の合計額2085万9000円を支払う義務を負い,この点に関する原告5の主張には理由がある。

3 被告川口の不法行為責任について

被告川口が被告外山と共謀し,先祖祭りの勧誘行為を行っていたことは既に述べたとおりであり,社会的に相当な範囲を逸脱した違法なものであるから,被告外山が責任を負う限度で被告川口も被告外山と共同して不法行為責任を負う。

4 被告3の不法行為責任について

(1) 被告3と被告外山及び被告川口の関係について

被告3本人尋問の結果によれば,被告3は,平成5年に被告外山の紫微斗鑑定を受け,その後,家系図鑑定,風水鑑定,エネルギー鑑定等を受けたこと,平成9年ころから被告外山の手伝いをするようになったこと,被告外山から報酬を受けたことはないこと,平成8年に被告外山に勧められて先祖祭りをしたこと,平成13年の夏ころに180代の先祖祭りを終えたこと,先祖祭りの費用として1300万円ほどを支出したこと,平成9年ころから先祖祭りの手伝いをするようになり,平均すると週に1回ほど手伝っていたこと,被告外山の紫微斗鑑定を12から13人に勧めたこと,そのうち10人ほどが被告外山に勧められ先祖祭りを行ったことがそれぞれ認められる。

被告3は,原告2が鑑定について質問した際に説明したり,被告外山の許可を得た上で他の構成員を自宅に呼んで紫微斗鑑定の説明をしたり,被告外山及び被告川口の依頼を受けて講演会で鑑定の説明をしたりするなど(甲B49の3,被告3本人),紫微斗鑑定及び先祖祭りについて熟知しており,被告外山及び被告川口からの信頼を相当程度得ていたということができる。また,被告3は,家系図を作成する前提としての除籍謄本の取り方の説明も行っていた(甲B49の13,甲B49の51,被告3本人)上,金融機関からお金を借り入れてまで先祖祭りを行おうとする者に対し,積極的に協力をしていた。また,前認定のとおり,先祖祭りの費用は,先祖祭りをした者から受け取った者(多くは「親」に該当する者)が被告3に手渡し又は送金し,被告3が被告外山又は被告川口にお金を手渡すという流れになっていたものである。

上記のとおり,被告3は,被告外山及び被告川口からの格別な信頼を得ており,紫微斗鑑定や先祖祭りの勧誘に関して重要な役割を担っていたことは明らかである。

(2) 原告1に対する責任について

原告1は,被告3について,各種鑑定(紫微斗鑑定,家系図鑑定,風水鑑定,総合鑑定)の勧誘,先祖祭りの勧誘及び弥勒菩薩像購入の勧誘がそれぞれ不法行為であると主張する。

前記認定事実のとおり,被告3は,平成14年11月9日に原告1に関する紫微斗鑑定に同席し,その後の家系図鑑定にも同席したものであるが,被告3自身も既に180代までの先祖祭りを終えており,原告1が被告外山から先祖祭りを行うことを勧められ,最終的には国家基準に至るまでの先祖祭りをさせられ,1300万円以上の支出を強いられる可能性についても認識していたものである。それにもかかわらず,このまま鑑定を受け続けるといずれは国家基準を達成するまで1300万円以上の支出を強いられる可能性があることを原告1に説明することなく,立ち会い,ときには被告外山の説明に相づちを打ったりしたたものであり,これは被告外山の違法行為を蓄助したものといえ,不法行為に該当する。また,被告3は,自ら総合鑑定を勧めたり,養子家に係る先祖供養の必要性を質問した原告1を被告外山にっないだりした上,原告1宅の風水鑑定に同席した上,その場で被告外山が原告1に対し180代までの先祖祭りを勧め,原告1が先祖祭りをすることを承諾した際,被告外山とともに「魔が入る」から当日中に1251万8500円を支払うよう求め,被告2及び被告1を同行させ,被告2が原告1から受け取った上記金銭の支払を受けたものであり,被告外山と違法行為を積極的に共同して行ったものであるから,被告3の上記各行為は違法であり,被告外山及び被告川口と共同して不法行為責任を負う。よって,被告3は,原告1に対し,紫微斗鑑定及びエネルギー鑑定費用(3万6000円),家系図鑑定費用(3万円),8代までの先祖祭り費用等233万9000円(費用200万円,洋服代等33万9000円),風水鑑定費用(16万円),9代から180代までの先祖祭り費用及び韓国の先祖祭りの費用1251万8500円,そのための洋服代14万5000円及び5万円の合計額1527万8500円について支払う義務を負う。

(3) 原告2に対する責任について

原告2は,家系図鑑定以降,被告3は被告外山らと共謀して原告2に対し不法行為を行ったと主張するので,この点について検討する。

被告外山の原告2に対する勧誘行為等一連の行為が不法行為に該当することについては既に述べたとおりである。そして,前記認定事実のとおり,被告3は,原告2の家系図鑑定の際に同席していた上,原告2から水子供養費用21万円の振込みを受け,原告2宅の風水鑑定に同席し,原告2から韓国の先祖供養費用及び180代までの先祖供養費用の支払を受け,弥勒菩薩像の費用の支払を受け,原告2に対し家系図の再鑑定の必要性を告げ,原告2の夫の祖母と叔父について供養するように勧め,天皇家のお祭りを勧めたものである。被告3は,原告2の家系図鑑定に同席した平成12年の時点では,既に自らも先祖祭りを行っていた上,先祖祭りの手伝いを始めて3年が経過しており,原告2が被告外山から先祖祭りを行うことを勧められた場合には,国家基準に至るまで1300万円以上の支出を余儀なくされる可能性についても認識していた。それにもかかわらず,家系図鑑定の際に,このまま鑑定を受け続けるといずれは国家基準を達成するまで1300万円以上の支出を強いられる可能性があることを原告2に説明せず,その後も,被告外山の違法行為を蓄助する行為を行っていることからすれば,被告3の上記行為も違法であるといわざるを得ない。よって,被告3は,原告2に対し,家系図鑑定費用(3万円),水子供養費用等(費用21万円,洋服代等3万3500円),風水鑑定費用(16万円),8代までの先祖祭り費用等(費用200万円,洋服代25万6000 円),9代から13代までの先祖祭り費用等(費用200万円,洋服代等16万8000円),14代の洋服代等(5万6000円),韓国1倍の先祖祭り費用等(費用96万7500円,洋服代等8万4000円),15代から180代までの先祖祭り費用(459万2000円),韓国の先祖祭り費用(193万5000円),国家基準の経費(9万円),弥勒菩薩像代金(200万円),家系図再鑑定費用(3万円),原告2の夫の祖母と叔父のお祭り費用(3万1700円),天皇のお祭り費用等(費用12万円,経費等5万円)の合計額1481万3700円について支払う義務を負う。

他方,原告2は,被告川口の姓名診断の際に原告2の夫についての紫微斗鑑定を受けるように勧められ,?を通じてそれを申し込んだのであり,被告3が勧誘したことはないし,本人の他に家族の紫微斗鑑定を勧めることが通常であるとまでいうことはできないから,原告2の夫についての紫微斗鑑定費用と被告3の上記不法行為との間には相当因果関係はない。また,被告3が原告2に対し,その実父と従兄弟の供養を行うことを勧め,あるいは何らかの関与をしたと認めるに足りる証拠はないし,その供養を勧めることが通常であるとまでいうことはできないから,原告2の実父と従兄弟の供養のために支出した費用と被告3の上記不法行為との問に相当因果関係があるということはできない。

よって,原告2の夫についての紫微斗鑑定費用及び原告2の実父と従兄弟の供養のために支出した費用以外の部分に関しては,原告2の上記主張には理由がある。

(4) 原告3に対する責任について

原告3は,被告3が原告3に対し弥勒菩薩像の購入を勧めたことが不法行為を構成すると主張する。

前記認定事実のとおり,被告3は,原告3に対し弥勒菩薩像の購入を勧めたものであるが,これが被告外山の違法行為の一環であり,被告3は被告外山及び被告川口と共同して上記違法行為を行っていることは明らかである。よって,被告3は原告3に対し,200万円について支払う義務を負う。

(5) 原告4に対する責任について

原告4は,被告3が,?の家系図作成費用3万円,?ら3名供養費用(36万円),?及び?の紫微斗鑑定費用4万円,?ら3名の紫微斗鑑定費用6万円,?の家系図作成費用3万円,?の紫微斗鑑定費用及びエネルギー鑑定費用(3万6000円),?の家系図作成費用(3万円),?家の風水鑑定費用(16万円),?家の先祖祭り費用(102万円)及び?の先祖祭り費用(5万3000円)を原告4に支払わせたこと,弥勒菩薩像の購入(200万円)を勧めたこと及び天皇のお祭り(16万円)を勧めたことがそれぞれ不法行為を構成すると主張する。

前記認定事実のとおり,被告3は,?の3代までの先祖祭り費用100万円を原告4から受け取っており(1,(5),ス),また,原告4に対して弥勒菩薩像の購入を勧めている(1,(5),セ)ことから,これらについては被告外山及び被告川口と共同で不法行為を行ったということができる。

他方,被告3が,?の家系図作成費用3万円,?ら3名供養費用(36万円),?及び?の紫微斗鑑定費用4万円,?ら3名の紫微斗鑑定費用6万円,?の家系図作成費用3万円,?の紫微斗鑑定費用及びエネルギー鑑定費用(3万6000円),?の家系図作成費用(3万円),?家の風水鑑定費用(16万円),?家の先祖祭り費用(102万円),?の先祖祭り費用(5万3000円)を原告4に支払わせたと認めるに足りる証拠はないし,天皇家のお祭りを勧めたと認めるに足りる証拠はないから,この点に関する原告4の主張には理由がない。

以上より,被告3は,原告4に対して300万円を支払う義務を負い,この限度で原告4の上記主張には理由がある。

(6) 原告5に対する責任について

原告5は,被告3が原告5に対し総合鑑定を勧めた行為,弥勒菩薩像及び絵画の購入を勧めた行為がそれぞれ不法行為に該当すると主張する。

前記認定事実のとおり,被告3は,原告5に対し総合鑑定を勧め,また,弥勒菩薩像及び絵画の購入を勧めたものであるが,これが被告外山の違法行為の一環であり,被告3が被告外山及び被告川口と共同で上記違法行為を行っていることは明らかである。

よって,被告3は,原告5に対し,総合鑑定費用32万円,絵画代金240万円,弥勒菩薩像代金200万円の合計472万円について支払う義務を負うから,原告5の上記主張には理由がある。


5 被告5の不法行為責任について

(1)  原告3に対する責任について

前記認定事実のとおり,被告5は,平成14年11月ころ,既に8代までの先祖祭りを終えていた原告3に対し,16代までの先祖祭りを行わないと8代までの先祖祭りが無効になるとか,先祖の因縁を解放しないと救われない等,16代までの先祖祭りを行うように執拗に勧め,先祖祭り費用及び洋服代を支出させたものであるが,この勧誘行為は,その方法自体が原告3の不安をいたずらに煽るものであり,被告外山の一連の違法行為に積極的に加担していたことは明らかであるから,違法である。

また,被告5は,原告3が16代までの先祖祭りを終えると,今度は国家基準を達成するように強く勧め,先祖祭り費用及び洋服代を支出させたものであるが,これはその当日,原告3が被告外山及び被告5から平成15年2月3日までしか先祖祭りを行うことができないと告げられていたことと相まって,原告3の焦りや不安を著しく増大させるものであり,被告外山の一連の違法行為に積極的に加担していたことは明らかであるから,社会的に相当であるとはいえず違法である。さらに,被告5は,平成15年6月21日,原告3に社会通念上適正な価格といえない高額な印鑑の購入を強く勧め,その価格を説明しないまま,これを購入させたことも違法である。

よって,被告5は原告3に対し,9代から16代までの先祖祭り費用等(費用480万円,洋服代等20万5000円),養父の供養代12万円,風水鑑定費用16万円,17代から180代までの先祖祭り費用等(費用634万6500円,経費等14万円),韓国先祖祭り経費等7万4000円,印鑑代金71万4000円の合計額1255万9500円について支払う義務を負う。

(2) 原告5に対する責任について

被告5の本人尋問の結果によれば,被告5は,平成8年ころ,紹介を受けて被告外山の紫微斗鑑定を受けたこと,先祖祭りを平成9年ころから始め,平成15年ないし16年に180代までの先祖祭りを終えたこと,合計で1300万円程度の費用を支出したこと,平成11年ころには先祖祭りの手伝いをするようになったことが認められる。そうすると,被告5は,平成12年6月ころ,国家基準を達成するには1300万円以上の費用がかかることを認識していたというべきであり,また,原告5が被告外山から先祖祭りを勧められる可能性があること及び国家基準の先祖祭りまで至る可能性があることにっいて認識した上で,そのことについては告げないまま,原告5に対して被告外山の紫微斗鑑定を受けることを勧め,その際,被告5は,原告5の悩みは息子らが未婚であることだと知りながら,原告の息子が結婚するためには先祖の因縁を取り除かねばならないなどと述べ,さらに,原告5に対し先祖祭りを積極的に勧めたものである。このような被告5の勧誘行為は,それ自体が原告5の弱みにつけ込むものであり,被告外山の一連の違法行為に積極的に加担していたことは明らかであるから,社会的に相当であるとはいえず違法である・そして,原告5夫妻及び子ども2人についての紫微斗鑑定費用(8万円),風水鑑定費用(16万円),家系図作成費用(3万円),原告5夫妻の両親の先祖供養費用(2万7000円),16代までの先祖祭り費用(744万5000円(諸雑費も含む。)及び),韓国の先祖祭り費用(303万9500円),17代から180代までの先祖祭り費用(490万9000円。以上合計1569万0500円)と被告5の上記不法行為との間には相当因果関係がある。

他方,原告5は,被告5に対して,絵画代金(240万円),弥勒菩薩像代金(200万円),天皇のお祭り費用(16万円),総合鑑定費用(32万円),家系図見直し費用(11万8500円),原告5の実兄の供養費用(17万円)についても支払を求めるものであるが,被告5が原告5に対して絵画及び弥勒菩薩の購入,天皇のお祭り,総合鑑定,家系図見直し及び原告5の実兄の供養を勧めたと認めるに足りる証拠及び事情はないから,原告5の上記主張を採用することはできない。

6 被告4の不法行為責任について

原告3は,被告4が原告3に対し8代までの先祖祭りを勧めたこと及び原告3に対し家系図作成を勧めたことが不法行為に該当すると主張するので,この点について検討する。

被告4の本人尋問の結果によれば,被告4は,平成7年に被告外山の紫微斗鑑定を受け,その際に被告外山から先祖祭りを行うことを勧められたこと,平成8年ころに親戚,家族など10人ほどの先祖祭りを行ったこと,最終的には1300万円ほど支出した上で,平成14年ころに180代の先祖祭りを終えたことが認められる。そうすると,被告4が原告3に対し先祖祭りの説明をしたのは平成14年3月6日であり,当時被告4は先祖祭りが180代まであること及び180代までの先祖祭り費用は1000万円以上になることを認識していたにもかかわらず,原告3にその旨を説明していない。その上,被告4は,原告3に対し,先祖祭りを行わなければ原告3家が不幸になることを示唆した上で先祖祭りを2時間にわたり強く説得し,熟慮期間を与えないまま原告3に8代までの先祖祭りを行うことを承諾させ,魔がさすと言って3日以内に費用を支払うように求めたものである。

被告4の上記勧誘行為は,いたずらに原告3を畏怖させるものであるし,原告3が先祖祭りを行うかどうかを判断するに当たって重要な事項を故意に説明しないものであり,また,家系図の作成を勧めたことは,さらに先祖祭りを勧めるに向けての布石となるものであるから,被告4が被告外山の一連の違法行為に積極的に加担していたことは明らかであるので,被告外山及び被告川口と共同して不法行為責任を負う。よって,被告4は,原告3に対し,8代までの先祖祭り費用等(費用200万円,洋服代等23万9000円)及び家系図作成費用3万円の合計226万9000円について支払う義務を負うから,原告3の上記主張には理由がある。

7 被告6の不法行為責任について

原告4は,被告6が原告4に対し紫微斗鑑定等を勧めたこと及び?の先祖祭り費用等を代わりに支払わせたことが違法であるから,紫微斗鑑定費用,先祖祭り費用等,風水鑑定費用,?らの代わりに被告外山らに支払った先祖祭り費用等(旅行代金15万円も含む。),弥勒菩薩像代金,天皇祭り費用等相当額の支払を求める。

被告6本人尋問の結果によれば,被告6は,平成7年ころ,証人1の紹介で被告外山の紫微斗鑑定を受け,その半年後に3代までの先祖祭り(費用は100万円)を行ったこと,平成16年に180代までの先祖祭りを終了し,総額1300万円を支出したことが認められる。そうすると,被告6は,遅くとも原告4自身の紫微斗鑑定を行うことを勧めた平成12年10月には,先祖祭りが180代まであること,国家基準を達成するためには韓国の先祖祭りも行わなければならないこと及びその総額が1000万円を超えることを認識していたにもかかわらず,それを原告4に告知しなかったし,先祖祭りについて説明した際にも,先祖祭りは16代にとどまらず180代まであること及び国家基準を達成するためには韓国の先祖祭りも行う必要があることを説明しなかった上,「魔が入る」などとして原告4に熟慮期間を与えなかったものである。これらを併せ考えると,被告6が被告外山の一連の違法行為に積極的に加担していたことは明らかであり,被告外山及び被告川口と共同して不法行為責任を負う。そして,紫微斗鑑定費用(本人及び次男分併せて4万円),3代までの先祖祭り費用等(100万円,洋服代等10万7000円),4代から8代までの先祖祭り費用等(費用150万円,洋服代等16万円),9代の洋服代等(4万8000円),韓国供養費用(水子供養及び1倍。費用104万円,洋服代41万6000円),韓国供養費用(2倍。152万円),9代から20代までの先祖祭り費用等(費用430万円,洋服代等50万8000円,お礼5万円),21代から180代までの先祖祭り費用448万円の合計額1516万9000円を支払う義務を負うから,この点に関する原告4の主張には理由がある。

他方,原告4は,被告6の行為によって,?の紫微斗鑑定費用(2万円)及び?の先祖祭り費用(102万円)を支出したとして,これらの支払を被告6に対して求めるが,被告6が原告4に対してこれらの費用を代わりに支払うように勧めたことを認定するに足る証拠及び事情は存しないから,原告4の上記主張には理由がない。また,平成14年9月27日付けの韓国の先祖供養の費用等の102万円の支出が認められないことは前記のとおりである。さらに,被告6が原告4に対して山ロへの旅行を勧めたと認めるに足りる証拠及び事情は存しないから,平成15年11月9日付けの旅行代金15万円についての原告4の主張には理由がないし,被告6が原告4に対して総合鑑定を勧めたと認めるに足りる証拠及び事情は存しないから,この点に関する原告4の主張にも理由がない。

8 被告2の不法行為責任について

原告1は,被告2が紫微斗鑑定等を勧めた行為が違法であるとして,被告2に対し,紫微斗鑑定・エネルギー鑑定費用(3万6000円),家系図鑑定費用(3万円),8代までの先祖祭り費用等(費用200万円,洋服代33万9000円),風水鑑定費用16万円,180代までの先祖祭り費用等( 費用1251万8500円,経費等14万5000円),韓国の先祖祭り経費等5万円の支払を求める旨主張するので,この点について検討する。

被告2本人の尋問の結果によれば,被告2は,被告外山の紫微斗鑑定を受けた際に先祖祭りを勧められたこと,平成9又は10年ころに5代の先祖祭りを行い,平成12ないし14年ころに16代までの先祖祭りを行ったこと,8代までは自分の費用で先祖祭りを行ったが,9代から16代までの先祖祭りについては,洋服代のみの支出で済んだこと,被告2が先祖祭りに要した費用は約300万円であることが認められる。そして,前認定のとおり,被告2は,平成14年11月ころ,原告1に対し,紫微斗鑑定及びエネルギー鑑定を勧めているが,この時点においては既に自ら先祖祭り費用として約300万円を支出しており,原告1が紫微斗鑑定等を受けることによって被告外山から多額の支出を伴う先祖祭りを勧められる可能性があること,先祖祭り費用として300万円はかかることを認識していたにもかかわらず,先祖祭りのことについては原告1には何も説明しなかったことが認められ,また,「魔が入る」として先祖祭り費用につき早期の支払を求める被告外山及び被告3の指示により,原告1の先祖祭り費用(8代までの費用として200万円)については自宅まで取りに行っていることからすれば,被告2が原告1に対し,先祖祭りに関して何ら説明することなく紫微斗鑑定を勧誘し,先祖祭りを行うかどうかについて熟慮する期間を与えずに費用を受け取った行為は,被告外山の一連の違法勧誘行為の一環となるものであり,違法であるし,その後風水鑑定を勧めている行為は,さらなる先祖祭り勧誘の布石となるものであるから,一連の違法勧誘行為として違法である。よって,被告2は,原告1に対し,紫微斗鑑定・エネルギー鑑定費用(3万6000円),家系図鑑定費用(3万円),先祖祭り費用等(費用200万円,洋服代33万9000円),風水鑑定費用16万円を支払う義務を負う。

また,被告2は,国家基準のお祭り費用について,「魔が入る」として先祖祭り費用につき早期の支払を求める被告外山及び被告3の指示により,原告1を金融機関まで連れて行った上で1251万8500円を預かっている。なお,被告2が原告1に対し,積極的に先祖祭りを勧誘するなどの行為を行っていないことから,被告外山の一連の不法行為に積極的に加担していたとまで評価することはできないが,被告2の上記行為は,原告1が先祖祭りを行うかどうかについて熟慮する機会を喪失させ,結果として被告外山の違法行為の一環の実行を補助し容易にさせたものであることは明らかである。また,被告2は,その本人尋問において,「魔が入る」ため早急に費用の支払を求めるという被告外山及び被告3のやり方について,霊的なものであるから通常の常識とは外れるものだと認識していたと供述しており,被告外山の上記指示が社会通念を逸脱する違法性があることについて十分に認識できたと認められる。よって,被告2の上記行為は,被告外山の一連の不法行為を幕助したものであり,違法であるといわざるを得ないから,被告2は原告1に対し,国家基準の先祖祭り費用として受け取った1251万8500円を支払う義務を負う。また,先祖への小遣い,お礼その他の経費は,事前に支払う経費とは別に支払うのが先祖祭りにおいては通例であったから(原告らについての前記認定事実),韓国の先祖祭りの経費5万円,180代までの先祖祭り経費等14万5000円についても,被告2はさらにそれらの経費等が必要となることを予測していたと認めるのが相当であるから,被告2は,それらについても責任を負うべきである。

したがって,被告2が原告1に対し責任を負うべき金額は,1527万8500円となる。

9 被告1の不法行為責任について

原告1は,被告1が原告1に対し紫微斗鑑定等を勧めた行為が違法であるとして,被告2に対し紫微斗鑑定・エネルギー鑑定費用(3万6000円),家系図鑑定費用(3万円),先祖祭り費用等(費用200万円,洋服代33方9000円),風水鑑定費用16万円,180代までの先祖祭り費用等
(費用1251万8500円,経費等14万5000円),韓国の先祖祭り経費等5万円の支払を求める旨主張するので,この点について検討する。

被告1本人の尋問結果によれば,被告1が原告1に対し紫微斗鑑定を勧めたこと,原告1に関する紫微斗鑑定,家系図鑑定及び風水鑑定の際に同席したこと,被告外山及び被告3の指示により原告1が国家基準の先祖祭り費用1251万8500円を金融機関等から引き出す際
に同行したこと,原告1に対し韓国祭りをするように勧めたこと,原告1に紫微斗鑑定を勧めた際には,被告1は3代までの先祖祭りを終えており,借金をして100万円を支出していたことがそれぞれ認められる。そして,被告1の関与の仕方は必ずしも積極的なものでは
なく,重要な役割を担っていたとも言い難い。

しかし,被告1は,原告1に対し紫微斗鑑定を勧める際に,3代までではあるが既に先祖祭りを経験しており,被告外山が,先祖祭りの前提となる家系図鑑定をしたときに,原告1に対し,8代まで一気に行うと200万円であると説明した際にも同席し,その後,当該先祖祭り
のための名札の作り方や霊界通信の作り方などを原告1に指導したというのであるから,被告外山の一連の違法行為を蓄助していたといわざるを得ず,原告1の損害のうち紫微斗鑑定等費用3万6000円,家系図鑑定費用3万円,先祖祭り費用200万円及び洋服代33万9000円
について,被告外山及び被告川口と共同して不法行為責任を負う。

また,被告1は,原告1に対し再三にわたって風水鑑定を勧めているところ,風水鑑定は,さらなる先祖祭り勧誘の布石となるものとして,被告外山の違法行為の一環であり違法であるから,被告1は,原告1に対し,風水鑑定費用16万円を支払う義務も負う。

さらに,被告1は,原告1が国家基準の先祖祭りを行うことを決めた際に,被告外山及び被告3からの指示を受け,被告2とともに原告1を金融機関に連れて行き,1251万8500円もの費用を受け取ったものであるところ,原告1が先祖祭りを行うかどうかを判断するに当たっての熟慮期間をもてないようにすることに荷担した以上,被告外山の違法行為を蓄助しているといわざるを得ない。なお,被告1はその本人尋問において,原告1が金融機関に行く際に同行したことは認めつつも,引き出した金額については知らなかったと供述するが,被告外山が原告1に対して国家基準の先祖祭りを勧誘した場に同席していたことからすれば,被告1の上記供述はにわかには信じがたいし,少なくとも国家基準の先祖祭り費用であるということは認識していたのであり,相当高額であることは認識できたものである。よって,被告1は,原告1が国家基準の先祖祭り費用として1251万8500円及び洋服代等19万5000円を支出したことについて,被告外山の一連の違法行為を報助したものであるから,被告外山及び被告川口と共同して不法行為責任を負う。

10 被告統一協会の使用者責任について

(1)ア 原告らは,被告外山及び被告川口の実施した先祖祭りが被告統一協会による先祖解怨にならったものであり,これが被告統一協会が献金を収奪することを目的として被告外山らを指揮・監督する立場にあったことの根拠となると主張するので,この点について検討する。

被告統一協会は,清平の先祖解怨を平成11年1月から始めた(証人2)ものであるが,被告外山は先祖祭りを平成11年以前から行っており(被告外山本人,被告3本人,被告4本人,被告5本人,被告6本人,被告2本人),被告外山が被告統一協会の先祖解怨を真似て先祖祭りを始めたということはできない。また,清平の先祖解怨の基本は聖歌を歌うことと祈りを捧げることであり,祭壇を作ったり,お供え物を準備したりするようなことはしないこと(証人2),被告統一協会は,信者に対し絵画や弥勒菩薩像を授けることはしないこと(証人2)からすれば,被告外山らの先祖祭りと被告統一協会り先祖解怨に内容が類似する点があったとしても,直ちに被告外山及び被告川口が先祖解怨を真似て先祖祭りを行ったと認めることはできず,まして,被告統一協会が主導して先祖祭りを実施させていたということはできない。

イ なお,原告らは,先祖祭りは被告統一協会が平成9年以前から行ってきた霊感商法における先祖因縁を用いた欺岡,脅迫と共通のものであり,先祖解怨はこれらと同じ基礎を持つものであるとも主張する。

前記認定事実のとおり,先祖祭りの勧誘等には,三大因縁話や従軍慰安婦の話等,被告統一協会の教義において用いる話が散見されることからすれば,先祖祭りが被告統一協会の教義についての知識を基礎としているものであると認めることはできる。しかし,後記のと
おり,被告外山及び被告川口は被告統一協会の熱心な信者であったから,その教義を使って活動したとしても,不自然なことではなく,そのことから直ちに被告統一協会が同被告らに先祖祭り等を行わせていたとすることはできない。

(2)ア 原告らは,被告外山及び被告川口が被告統一協会に対して巨額の献金をしていることを根拠に,被告外山及び被告川口が被告統一協会の熱心な信者であったと主張する。

被告外山は清平を3回ほど訪れており,先祖解怨210代及び先祖祝福をするために,少なくとも3代分の献金を行ったこと(被告外山本人),清平に建てられた「清心塔」には被告統一協会に対し献金をした者の名が刻まれるところ,被告外山及び被告川口の名が上記塔に刻まれていること(甲A45,被告外山本人),被告外山はその夫(平成9年死亡)の死亡保険金1000万円を被告統一協会に献金したこと(被告外山本人)からすれば,被告外山及び被告川口が,被告統一協会に対し高額の献金をしていることが認められ,被告外山及び被告川口が被告統一協会の熱心な信者であったことが推認されるが,そのことから直ちに被告統一協会が被告外山及び被告川口に先祖祭り等を行わせていたとすることはできない。

イ また,原告らは,被告4,被告5及び被告3が被告統一協会に資金を流していた新世に対し自らの名義の銀行口座を提供していたことを理由に,被告4,被告5及び被告3が被告統一協会の熱心な信者であったと主張する。

新世の代表取締役田中尚樹(以下「田中」という。)の検察官供述調書(以下「本件調書」という。甲B81)添付資料1「外交員組織図」には,F班の班員として被告5,H班の班員として被告4及び被告3の名が記載されているが,田中は,上記資料1記載の外交員187名のほとんどは外交実績がなく名前が登録されているだけであり,実働していたのは30名のみであること,概ね本件調書別紙資料2に名前が挙げられている者が実働していた者であることを供述しており,本件調書別紙資料2に被告5,被告4及び被告3の名前が挙げられていないことからすれば,被告5,被告4及び被告3が新世の外交員として実働していたと認めることはできない。また,被告5はその本人尋問で新世から給料をもらったことはないと供述し,被告3もその本人尋問で新世に関わったことはないと供述するところ,その他, 被告5及び被告3が新世に関与していたことを認めるに足りる証拠はない。被告4は,その本人尋問で,新世のために銀行口座を開設したものの給与の振込みは受けていないと供述するところ,その他,被告4が新世から給与の振込みを受けていたことを認めるに足りる証拠はない。

以上より,被告5,被告4及び被告3が,新世と密接な関わりを持っていたと認めることはできない。

ウ 原告らは,被告外山とともに違法行為を行っていたのは,ほとんどが被告統一協会信者であったと主張する。

被告外山らのうち被告2及び被告1以外の者は被告統一協会の信者であったし(被告外山本人,被告川口本人,被告3本人,被告4本人,被告6本人,被告5本人),被告外山はその尋問において,最近は被告統一協会の信者以外の者が紫微斗鑑定を受けることが多いと供述しており,それからすれば,被告統一協会の信者が紫微斗鑑定を受けることが多かったことが推認される。また,全国霊感商法対策弁護士連絡会の事務?長を務めていた山田広弁護士は,平成21年8月14日付け報告書(甲B78)において,東東京区(特に柏区)では紫微斗鑑定が被告統一協会の勧誘の入口として用いられていたこと,その方法として,被告統一協会の信者が友人や親族を紫微斗鑑定に動員し,紫微斗鑑定士である安藤勝美が被告統一協会への勧誘行為を行っていたこと,紫微斗鑑定を受けさせた後,情関係を築いてからビデオセンターへ連れ込み,被告統一協会の教義を教え込んでいたことを報告している。

他方,紫微斗鑑定を受けて先祖祭りを行った上で被告統一協会に入信した者が10名程度存在する(被告4本人)ものの,原告らが被告統一協会への入信を勧められたと認めるに足りる証拠はなく,原告ら自身も,原告5が被告統一協会の儀式に関するテレビ放映を見るまで被告外山らが被告統一協会の信者であると気付かなかったものであるし(原告5本人,原告2本人,原告4本人),被告外山の紫微斗鑑定を受けて被告統一協会に入信した者がどのような経緯を経て入信に至ったのかを認めるに足りる証拠はなく,その他,被告外山らが ,先祖祭りに参加した者に対し,被告統一協会に入信させるような活動を行ったと認めるに足りないから,被告外山及び被告川口が被告統一協会への勧誘目的で先祖祭り等を行っていたと認めることはできない。

エ さらに,原告らは,被告らが先祖祭りの費用の使途に関して非常識でかつ矛盾した回答しかしていないと主張する。

被告外山は先祖祭りの費用を受け取っていたところ,その使途については全く明らかにしないが,仮に被告外山及び被告川口が先祖祭り費用を被告統一協会に献金していたとしても,それのみでは被告統一協会が献金を得る目的で被告外山及び被告川口に対して先祖祭り等を行わせていたと認めるには足りない。

(3) 原告らは,陳が中和新聞に紫微斗推命の広告を多数回掲載したことから,陳の紫微斗推命が被告統一協会公認のものであったことが裏付けられると主張する。しかし,中和新聞の広告採用は光言社という会社が行っており,被告統一協会自体は関与していないこと(証人2),中和新聞の製作は光言社の編集員が行っており,被告統一協会はその監修をしているにすぎないこと(証人2)からすれば,陳が中和新聞に紫微斗推命の広告を多数回掲載したことから陳の紫微斗推命が被告統一協会公認のものであったことが裏付けられるということはできない。

また,原告らは,被告統一協会信者が同じ信者に対して被告外山の紫微斗鑑定を勧めることが多いことを根拠として,被告外山の紫微斗鑑定が被告統一協会公認のものであると主張するが,信仰を通じて付き合いのある者に勧めるのは自然なことであり,このことが直ちに被告統一協会が紫微斗鑑定を公認していることの根拠にはならず,原告らの上記主張には理由がない。

(4) また,平成21年3月25日付けの,「教会員の献金奨励・勧誘活動及びビデオ受講施設等における教育活動等に関する指導について」と題する書面(甲A55)において,当時被告統一協会の会長であった徳野英治は,「これまで教会員が信徒会等の活動の一環として献金を奨励・勧誘する際に,家系図等を用い,先祖の因縁ないし先祖解放等を理由に献金の必要性を説くようなことが一部行われてきたようです。」と記載したことが認められるが,被告外山らが先祖祭りを勧誘する際に被告統一協会への献金の必要性を説いたと認めることはできず,また,上記記載は,そのような信者の活動に被告統一協会が関与していたことを認めたものではないから,これを根拠として被告統一協会が被告外山及び被告川口に先祖祭り等を行わせていたと認めることはできない。

(5) 以上のとおり,原告らが上げる点をもって,被告統一協会が献金を集める目的で被告外山及び被告川口の先祖祭り等の活動を指揮・監督したと認めるには不十分であるといわざるを得ない。

よって,被告統一協会が被告外山らの違法行為につき使用者責任を負うとの原告らの主張には理由がない。
11 損害額について

(1)  上記検討したところによれば,原告1に対する関係においては,被告外山,被告川口,被告1,被告2及び被告3は共同不法行為責任を負い,原告2に対する関係においては,被告外山,被告川口及び被告3は共同不法行為責任を負い,原告3に対する関係においては
,被告外山,被告川口,被告4,被告5及び被告3は共同不法行為責任を負い,原告4に対する関係においては,被告外山,被告川口,被告6及び被告3は共同不法行為責任を負い,原告5に対する関係においては,被告外山,被告川口,被告5及び被告3は共同不法行為責任
を負う。

そして,被告外山らの勧誘行為について各被告が負うべき損害賠償額は別紙損害額一覧表の各被告に対応する「被害金額」欄記載のとおりである。なお,被告川口及び被告外山に対しては,被害金額の合計額(ただし弁護士費用欄の金額を除く。)のおよそ1割を弁護士
費用相当額として認めるのが相当である。

(2)  慰謝料について

本件において,原告らが,被告外山らから先祖の因縁のために子らに害が及ぶかのように説かれ,これによって不安を覚えたことは容易に推認することができるが,それは,原告らが自ら紫微斗鑑定を受けることを決め,また先祖祭りを行うことを決めた結果に外ならな
い。被告外山らが害悪を実現させるような行動を行うかのような言動をしていた等の特段の事情が認められる場合であればともかく,本件においてはそのような事情はないのであるから,前記のとおり財産的損害の賠償が認められる以上,精神的損害も一応回復された
ものとみるのが相当である。よって,慰謝料に関する原告らの主張には理由がない。
12 結論

  以上より、原告らの請求は、被告外山らに対する関係では一部理由があるのでその限度でこれを認容し、その余の請求は棄却することとし、主文のとおり判決する。


東京地方裁判所民事第44部
裁判長裁判官 齊    木    敏   文
裁判官    日    影        聡
裁判官    横    井    靖   世
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(別紙)

請 求 の 趣 旨

1(1) 被告世界基督教統一神霊協会、同外山陽子及び同川口千代子は、各自、原告1に対し、金2218万4500円(金1527万8500円の範囲で被告1及び同被告2と、金1834万4500円の範囲で被告3とそれぞれ連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の日から皮払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(2) 被告3は、原告1に対し、金1834万4500円(1834万4500円全額について被告統一協会、同川口千代子、同外山陽子と・金1527万8500円の範甲で被告1及び同被告2とそれぞれ連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の目から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。(3) 被告1及び同被告2は、各自、原告1に対し、金1527万8500円(被告統一協会、同川口千代子、同外山陽子、同被告3と連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合たよる金員を支払え。

2(1) 被告世界基督教統一神霊協会、同外山陽子、同川口千代子及び同被告3は、各自、原告2に対し、金1832万7500円及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記戴の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(2) 被告3は、原告2に対し、金1507万7500円(被告統一協会、同川口千代子、同外山陽子と連帯)及び添付藷求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

3(1) 被告世界基督教統一神霊協会、同外山陽子及び同川口千代子は、各自、原告3に対し、金2070万8500円(226万9000円の範囲で被告4と、1255万 9500円の範囲で被告5と、200万円の範囲で被告3とそれぞれ連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(2) 被告4は、原告3に対し、金226万9000円(被告統一協会、同川口千代子、同外山陽子と連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(3) 被告5は、原告3に対し、金1255万9500円(被告統一協会、同川口千代子、同外山陽子と連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(4) 被告3は、原告3に対し、金200万円(被告統一協会、同川口千代子、同外山陽子と連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

4(1) 被告世界基督教統一神霊協会、同外山陽子及び同川口千代子は、各自、原告4に対し、金Z776万4000円(金1781万5000円の範囲で被告6と、金513万9000円の範囲で被告3と、それぞれ連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(2) 被告6は、原告4に対し、金1781万5000円(金1781万5000円全額について被告統一協会、同川口千代子、同外山陽子と連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(3) 被告3は、原告4に対し、金513万9000円(金513万9000円全額について被告統一協会、同川口千代子、同外山陽子と連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

5(1) 被告世界基督教統一神霊協会、同外山陽子及び同川口千代子は、各自、原告5に対し、金2522万9000円(2085万9060円の範囲で被告5と、472万円の範囲で被告3とそれぞれ連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対ずるこれに対応する被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(2) 被告5は、原告5に対し、金2085万9000円(2085万9000円全額について被告世界基督教神霊統一協会、被告川口千代子、被告外山陽子と、472万円の範囲で被告3とそれぞれ連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(3) 被告3は、原告5に対し,金472万円(472万円全額について被告世界基督教神霊統一協会、被告川口千代子、被告外山陽子、被告5とそれぞれ連帯)及び添付請求金額一覧表の各被害金額欄記載の金額に対するこれに対応する被害日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

6 訴訟費用は被告らの負担とする。

7 仮執行宣言

との判決を求める。